○アーチファクト

①多重反射
 胆石などに出現

探触子から放射されたパルスが組織境界で反射され、振動子の接触面や他の組織の境界を何度も往復して反射が繰り返される現象。
 反射体が小さくても、周囲組織との音響インピーダンスの差が大きいと多重反射を起こす。

改善方法:「圧迫の強さを変える」「ビーム角度を変える」

      → コメット様エコー(コメットサイン) 

 

②サイドローブ
 胆のう頸部
(十二指腸ガス)などに現れる

 サイドローブ内に強い反射体が存在した場合に、そこからの反射が探触子に戻り画像を作る現象。

 

③ミラー(鏡面)効果、ミラージュ現象
 横隔膜などに現れる

斜めに平滑な反射体で反射することで、同じ経路で探触子に戻り、ビームの延長線上に虚像を作る現象。

 

④レンズ効果
 腹直筋と脂肪組織の混在部などに現れる

屈折したビーム強い反射体で反射して、同じ経路を通って探触子に戻り、ビームが放射された方向に虚像を作る現象。

 

⑤断面像の厚み
 胆のう近傍などに現れる

 超音波画像が、ビーム幅にあるすべての情報を集積して一断面に存在するとして描出することによって起こる。
 ビーム内に異なった反射体が混在すると、目的内部に別の反射体が存在するように見える。

 

⑥音響陰影
 結石腸管ガスなどに現れる

 強い反射体で超音波の大部分が反射、屈折、減衰し、それより遠方に超音波が届かず、結果として後方が無エコー、低エコーに観察される現象。

 

⑦側方(外側)陰影
 乳腺腫瘤嚢胞肝細胞癌などに現れる

 辺縁が平滑な球状組織の辺縁で、屈折が大きくなり、側方に音響陰影が生じる。辺縁の滑らかさの指標となる。

 

⑧折り返しアーチファクト
 

○超音波の所見

・コメットサイン
 多重反射によって粒子の後方に彗星のような尾を引いた像が出現する。
 胆嚢の壁内結石や微細なコレステロールポリープ胆嚢腺筋腫症などに見られる。

・カメレオンサイン
 肝血管腫で見られ、血管腫内部のエコーレベルやエコーパターンが体位によって変化する。
・クラスターサイン
 転移性肝腫瘍で観察され、多数の腫瘤が集まって融合した状態で、腫瘤像自体が不鮮明になる
・ブルズアイサイン
 転移性肝腫瘍で観察され、ターゲットパターンとも呼ばれる。
 腫瘍中心部が
エコーで周辺部がエコーとなりの目のように見える。
・ショットガンサイン
 肝外胆管拡張で現れ、門脈本管にそって拡張した総肝管から総胆管が並んでいる様子である。
 胆嚢の機能を失う胆嚢炎胆石症などで、肝内胆管の拡張を伴わず、肝外胆管のみが拡張することで起こる。
・モザイクパターン
 肝細胞癌で認められる所見で、肝細胞癌内部の分葉構造がモザイク状に描出され、腫瘍内の隔壁や小さな腫瘍(ノジュールインノジュール)が確認できる。

・ハローサイン
 腫瘤周辺部に生じる薄いリング状のエコー帯。肝細胞がん腎細胞がんに特異的

・ハンプサイン
 腫瘤によって肝方面がこぶ状に膨らんだ像、肝細胞がん
に特異的

 

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○各部位の超音波検査

・頸部:頸部動脈硬化症の診断

・胆のう検査:空腹時に行う、胆のう収縮腸管ガスの増加を防ぐため。

       胆石は体位変換によって隆起性病変との鑑別を行う。

・膵臓検査:空腹時に行う

・骨盤内検査:蓄尿状態で行う

・右側腹部走査

 肝腎コントラスト:通常では、肝臓と腎臓では差はつかない

脂肪肝の場合、肝臓が白く(信号)、腎臓が黒く(信号)描出される。

 肝腫瘍:造影剤を用いることもある

 肝硬変の所見:肝右葉の萎縮肝左葉の肥大肝縁の鈍化肝表面の凹凸不整脾腫門脈拡張腹水

・乳腺結節検査:

・乳房超音波検査:硬癌→「不整形で縦横比のD/W比が大きい
            「境界不明瞭で、ハローを伴うことが多い」

         後背位で行い、圧迫を加えることもある。

・子宮筋腫

・膀胱検査:排尿前に行う。壁が伸展して観察が容易になる。

○カラーフローマッピング法(CFM)

つの振動子でパルス波を送受信する。受信ビーム上の多数の点のそれぞれの平均速度を色で、Bモード画像に重ねて表示する。
 プローブ表面平行
(超音波ビームに直行)流れは着色できない。
 目的に応じた速度レンジの設定が必要で、折り返し現象が起きてしまう。
 複数の速度の血流を同時評価可能。

カラードプラフィルタ:組織などの不要な信号を除き、血流の信号を描出する

①速度表示:腹部などの遅い血流の検査に用いる

プローブに近づく流れを赤系、プローブから遠のく流れを青系によって色相の変化で表す。

 

②速度分散表示:循環器検査(弁逆流など速い流れの異常)に用いる

プローブに近づく流れを赤系、プローブから遠のく流れを青系、の明るさ(明度)で表す。

速度成分の乱れ(分散)を緑で加色する。

 

③パワー表示(パワードプラ法):腹部などの血管の存在や走行の観察に用いる

信号の強さを赤系色の色相や色の明度または、彩度の変化で表す。流れの方向を表示する場合と、しない場合がある。速度成分は表示していない。角度依存性が少なく、直角に近くとも表示できる。

遅い血流でも明るく表示される。

特徴

  「折り返しがない」 
  「
Bモードと重ねて表示できる」
  「ドプラ信号強度がわかる」

  「感度:パワードプラカラードプラ

  「角度依存性:カラードプラパワードプラ

 

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○非線形信号映像法
 高調波
(Harmonic)成分を分離して映像化する手法

 ・ティッシュハーモニックイメージング(Tissue harmonic imagingTHI)

基本波成分をフィルタなどで除去し、ハーモニック成分の中で最も強度のある2次高調波を使用する。

ビームの中心部分を用いて映像化することになるため、細いビームによる画像ができる。

サイドローブの影響が少ない画像が得られ、肋骨などのアーチファクトが軽減する。

 

 ・コントラストハーモニックイメージング(Contrast harmonic imagingCHI)

超音波造影剤からの散乱信号に含まれる高調波成分を検出し映像化する手法。
 造影剤は気泡を含有し、その気泡からは強い反射エコーが得られるので、信号を増強する効果がある。
 超音波によって気泡が破壊されるとさらに強い高調波が発生する。
 造影効果は気泡が通過可能な血管において見られる。

造影剤の特性
 「人体に無害」「十分な信号強度を得られる程度の音波の散乱を起こす」

「肺や毛細血管を容易に通過し、特定臓器に溜まっても安定する」

「血管内での寿命が超音波に十分な時間である」

 

・低音圧系造影剤の撮像方法(肝臓のみで使用)

 

○日常の保守管理

・一時的に使用しないときは画像をフリーズする

・ゼリーは必ずふき取る。ゼリーの水分でプローブが劣化する

・サーマルインデックス(TI)1.0以下で安全とされる。Dモードで大きくなる。

・メカニカルインデックス(MI)1.0以下で安全とされる。 

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