○小線源治療の利点

・比較的短時間沢山の線量を照射できる。    腫瘍の中心高線量を照射できること。

・距離が離れることによって隣接した正常組織障害を軽減できること。


○小線源に用いられる核種

核種   半減期   線量率   装置期間    使用法         平均エネルギー(MeV)

192Ir   74.0日   高・低    一時    組織内、表面、腔内     0.38

137Cs  30.1年   低      一時    組織内、表面、腔内     0.66

60Co  5.27年   高       一時    腔内            1.25

198Au  2.69日   低       永久    組織内           0.41

125I  59.4日    低       永久    組織内           0.027

252Cf 中性子線原

90Sr(-90Y) 線源 90Yからのβ(2.28MeV)を用いた翼状片(良性疾患)の治療に用いられる.

 

○線量率の分類

分類               海外での線量率範囲   日本での線量率範囲  線源

高線量率(HDR: high dose rate)   約1-3 Gy/min     12 Gy/h以上     60Co, 192Ir

中線量率(MDR: middle dose rate)              2-12 Gy/h      137Cs

低線量率(LDR: low dose rate)    0.01 Gy/min     2 Gy/h 以下  226Ra, 137Cs, 192Ir

 

○小線源の出力測定
基準距離(1m)の空気カーマ率で測定

•照射線量率定数:線源から1mの距離における放射能あたりの照射線量率値   

•空気カーマ率定数:線源から1mの距離における放射能あたりのカーマ率値.

・低線量率の出力測定:ウェル型線量計

線源位置による影響、エネルギー依存性を標準線源との比で校正する

・高線量率の出力測定:サンドイッチ法(測定距離リーク線量勾配散乱線)

 

○線原配置法

クインビ法(メモリアル法)

等強度の線源を使用し等間隔に配置する. 簡単だが線量ムラができ中心部分が線量になる.

The Paterson-Parker System(マンチェスター法)
強度の異なる線源を使用し, 線量分布が均一になるよう配置を工夫する.
ただし,強度の異なる線源をいくつも所有しなければならない.

・パリ法
 192Irに適している. 線源は同一強度直線的平行等間隔に刺入する.

 

○密封小線源の計算方法
 (TG-43UI計算式?)
 
 線量
DS×A ×G(r)×F(R,θ)×G(r,θ)/G(1,π/2)

 S:空気カーマ強度 
 A:線量率定数G(r)放射状線量関数 
 F(R,θ)非等方性関数
 G(r,θ)線源幾何学係数

 


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○永久刺入法の線量計算

一時刺入とは異なり,照射(挿入)時間を考える必要がない.
 その代わり平均寿命 (Tavg)により計算する.
 

密封小線源治療の手技

・空間的・時間的線量配分の利点をもつ

・局所治癒率が極めて良好でかつ機能温存率が高い

・技術・解剖学的制約と法律上の制約によって治療対象が限られる

 

照射方法

対象

線量率

腔内照射

子宮頚癌子宮体癌

低・高線量率(一時刺入)

上咽頭癌食道癌肺癌(気管支癌)胆管癌

高線量率(一時刺入)

組織内照射

口内(舌癌など)乳癌前立腺癌中咽頭癌

子宮体癌子宮頸癌

低・高線量率(一時刺入)

頸部リンパ節転移(中咽頭)前立腺など

低線量率(永久刺入)

貼付照射

上顎洞癌表面眼球腫瘍

低線量率(一時刺入)

 

○子宮頸がんに対する腔内照射
 子宮頸癌は外部照射とRALRSによる腔内照射を併用する
 タンデムオボイドを使用する

・線量評価点  
 A点:外子宮口より子宮腔軸に沿って2cm頭側の高さを通る垂線上の2cm外側の点。
   原発巣の線量(病巣線量)の指標(以前は直腸膀胱障害の指標にもなっていた)
 B点:外子宮口より2cm上方の点を通る水平面上でA点と同じ高さで正中線から5cm外側の点。
    骨盤浸潤リンパ節転移の治癒と腸管の副作用への指標

 膀胱線量の評価点:バルーン後面 
 直腸線量の評価点:膣後壁から
5mmの位置 
 
・全骨盤照射

   ↓

 中央遮蔽

   ↓

 腔内照射

RALS

遠隔操作で線源を挿入する   
・術者の被ばくがない   
・一般に
192Ir60Coが用いられる。

・腔内照射の線源配置法

(a)ストックホルム法    
 (b)パリ法    
 (c)マンチェスター法:子宮頸がんに使用

○永久刺入法
 :
198Au
125Iを使用

 放射線治療病室が必要

 

○前立腺がんに対する小線源永久刺入法

125 I (平均エネルギー28keV)シード線源(バード)を使用する。

・患者管理

    125I シード線源を前立腺に用いた場合は,1日間管理区域とした一般病室に入院させること

    退出基準 適用量又は体内残存放射能が 1,300MBq 以下

患者の体表面から 1m離れた地点における1 cm線量当量率1.8μSv/h 以下

1年以内に死亡:解剖し線源(前立腺)を取り出す.

・線源の移動

血流に乗って多臓器へ:シード線源がに移動して塞栓を形成することがある

膀胱・尿道から尿と共に体外へ:約1%程度の症例で膀胱・尿道へ線源が脱落する. 概ね翌日までに排出される.(そのため1日入院)

 

○舌癌に対する198Au永久刺入

挿入後3日は放射線治療病室に入院が必要

 

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○非密封核種内照射療法(内用療法)

①放射性ヨード131I内用療法   
 適応:甲状腺

患者がRIを含む排泄物を出すため、汚染対策が必要

131I-MIBG内用療法   
 適応:「褐色細胞腫」「神経芽細胞腫

前処置:甲状腺ブロック

90Y標識抗CD20抗体放射免疫療法   
 適応:悪性リンパ腫
89Sr緩和療法   
 適応:骨転移性疼痛
 

 

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