腫瘍治療の概論

・治療可能比(TR) = 腫瘍組織の障害/正常組織の障害 
         = 正常組織の耐用線量(TD)/腫瘍制御線量(TCD)

 

治療可能比が1以上ならば治療可能。ただし、線量の集中性を高めることで正常組織にはTD以下がん組織にはTCD以上を与えることができる可能性もある。

腫瘍制御量(TCD)に影響する因子:組織型腫瘍体積(細胞数)

正常組織耐用線量(TD)TCD同様に組織の種類大きさに依存する。 通常TD5/5の値を用いる。

 

・放射線治療の障害

早期反応:「粘膜」「皮膚」「腸管」「骨髄

晩期反応:「脊髄」「中枢神経」「肝臓

 
対策ノート → 物理学的反応~生物学的反応

・放射線治療に対する臓器の反応

 並列臓器:「」「肝臓」「腎臓

 直列臓器:「心臓」「脊髄」「肺門部」「肝門部」「腸管

 

・局所制御率・奏効率:下にあるPR以上に効果があった割合

完全奏効CRすべての病変が消失

部分奏効PR標的病変の最長径の和が30%以上減少

安定SDPRよりは腫瘍の縮小がなくPDよりは腫瘍の増大が不十分

進行PD治療開始以降に記録された最長径の和と比較して標的病変が20%以上増加

   奏効率=(CR+PR)/全対象

 

EBM:根拠に基づいた医療で、レベルⅠ~Ⅴまである



・耐用線量 

 

 

TD5/5

5年間に5%生じる)

TD50/5

5年間に5%生じる)

判定基準

 

体積

1/3

2/3

3/3

1/3

2/3

3/3

大腿骨

-

52Gy

-

65Gy

壊死

下顎骨

65Gy

60Gy

77Gy

72Gy

開口障害

肋骨

50Gy

-

65Gy

-

病的骨折

皮膚

100cm3

50Gy

65Gy

毛細血管拡張

 

70Gy

60Gy

55Gy

-

70Gy

壊死、潰瘍

脳神経

60Gy

50Gy

45Gy

75Gy

65Gy

60Gy

壊死、潰瘍

脳幹

60Gy

53Gy

50Gy

-

65Gy

壊死、潰瘍

視神経

50Gy

-

65Gy

失明

視交叉

50Gy

-

65Gy

失明

脊髄

-10cm50Gy

20cm47Gy

-10cm70Gy

-

脊髄炎、壊死

馬尾神経

60Gy

70Gy

神経損傷

腕神経叢

62Gy

61Gy

60Gy

77Gy

76Gy

75Gy

神経損傷

水晶体

10Gy

-

18Gy

白内障

網膜

45Gy

-

65Gy

失明

頭頚部

内耳

30Gy

30Gy

急性漿液性耳炎

外耳

55Gy

65Gy

慢性漿液性耳炎

耳下腺

-

32Gy

-

46Gy

口内乾燥症

喉頭

79Gy

70Gy

90Gy

80Gy

軟骨壊死

-

45Gy

-

80Gy

喉頭浮腫

胸部

45Gy

30Gy

17.5Gy

65Gy

40Gy

24.5Gy

肺炎

心臓

60Gy

45Gy

40Gy

70Gy

55Gy

50Gy

心外膜炎

食道

60Gy

58GY

55Gy

72Gy

70Gy

68Gy

狭窄、穿孔

腹部

60Gy

55Gy

50Gy

70Gy

67Gy

65Gy

潰瘍、穿孔

小腸

50Gy

-

40Gy

60Gy

-

55Gy

閉塞、穿孔、瘻孔

大腸

55Gy

-

45Gy

65Gy

-

55Gy

閉塞、穿孔、瘻孔、潰瘍、直腸炎

直腸

-

60Gy

-

60Gy

肝臓

50Gy

35Gy

30Gy

55Gy

45Gy

40Gy

肝不全

腎臓

50Gy

30Gy

23Gy

-

40Gy

28Gy

臨床的腎炎

膀胱

-

80Gy

65Gy

-

85Gy

80Gy

膀胱萎縮

 


○主な予後因子

TNM分類:病期分類

T因子(04)原発腫瘍の広がり+大きさ

N因子(03)所属リンパ節転移の有無と広がり、触知

M因子(01)遠隔転移の有無

 

 r:一定の無病期間後に出現した再発腫瘍を表す  p:術後病理組織学的分類を表す

 

・病理組織分類

 悪性度は高分化ほど良く、低分化ほど悪い

 

PS(performance status):身体の状況を表す

ECOG/WHO PS

状態

KarnofskyPS

0

全く問題なく活動できる発病前と同じ日常生活が制限なく行える

100

1

肉体的に激しい活動は制限されるが歩行可能で,軽作業や座っての作業は行うことが出来る

8090

2

歩行可能で自分の身の回りのことは全て可能だが作業は出来ない日中の50%以上ベッド外ですごす

6070

3

限られた自分の身の回りのことしかできない.日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす

4050

4

全く動けない.自分の身の回りのことは全く出来ない完全にベッドか椅子で過ごす

1030

 



・腫瘍マーカー

肺癌:SCC(すべて)CEA(すべて)
   SLX(腺癌)
   NSE(小細胞)
   proGRP(小細胞)

食道癌:SCC

胃癌:CEA CA19-9 CA72-4 STN

大腸癌:CEA CA19-9

肝細胞癌:AFP PIVKA-

膵癌:CA19-9 CA50 Span-1

乳癌:CA15-3 CEA NCC-ST-439  BCA225

子宮頚癌:SCC

前立腺癌:PSA

精巣腫瘍:AFP β-hCG  LDH

膀胱癌:NMP22 BTA BFP

子宮体癌、卵巣癌:CA125

 

 

AFP PIVKA-Ⅱ:肝細胞癌

CEA消化管を中心に、最も汎用的に用いる。

   乳がん精巣腫瘍胚細胞腫肺がん

SCC
扁平上皮癌(食道癌肺癌子宮頚癌など)

CA19-9
各種消化器癌(膵癌胆道癌など)

VMA,HMA
神経芽細胞腫

CA125
卵巣癌子宮体がん

CA50
Span-1膵臓がん

HCG
絨毛性腺がん胚細胞腫

NSE
 proGRP小細胞がん経芽細胞腫

SLX
肺がん

CYFRA
肺扁平上皮癌

NCC-ST-439
 CA15-3BCA225乳がん

γ-Sm
 PSA PAP前立腺癌

NMP22
BTABFP膀胱がん

LDH
精巣腫瘍

プロラクチン、
ACTH成長ホルモン:下垂体腫瘍

ポリアミン:
白血病



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