X線による外部照射

X線の特徴

・ビルドアップ効果のため皮膚障害の軽減が図れる。

 エネルギーが高いほどビルドアップは深くなる。

・組織間の吸収の差が小さくなり,線量分布が均等になる。

・深部でのPDDが大きく,深部の腫瘍に対して十分な線量を照射できる。

・側方散乱が少ない。

・骨や肺などの影響が少ない。

・吸収線量が最大となる深さ=基準深、4~10MVでは加速電圧の1/4cm

10MV以上のエネルギーでは光核反応による中性子の防護に考慮が必要。

 

 

 電子線照射

○電子線の特徴

・ある深さで急激に線量が低下する ため表面付近の腫瘍または術中照射に適す。

・局所障害が少なく回復が早い

・側方散乱は多いが遮へいが容易であり,周囲の健常組織が簡単に防護できる。

照射筒を使用するため照射野は照射筒の大きさになり,表面位置での照射野となる。

スキャッタリングフォイル(散乱箔)によりビームを拡散し照射野内の線量分布の平坦化を行う。

 

・治療可能深さ               

入射平均

エネルギーE0

実用飛程 Rp

治療に

有効な深さ

表面線量

表面近傍の線量勾配


6 MeV

3.0 cm

2 cm

9 MeV

4.5 cm

3 cm

 

 

12 MeV

6.0 cm

4 cm

 

 

15 MeV

7.5 cm

5 cm

 

 

18 MeV

9.0 cm

6 cm

なだらか

 実用飛程(最大飛程) = 入射平均エネルギーE0の1/2 cm 

 治療可能深 = 入射平均エネルギー E0 の1/3 cm

*放射線治療では電子線エネルギーを入射平均エネルギーで表す.

入射平均エネルギー E0 = 2.33 R50       エネルギーの1/3 = 80 % 線量となる深さ

必要なエネルギー=腫瘍の深さ(cm) × 3(MeV)

 

・適応:深さ5,6 cmまでの浅い腫瘍 

表在の腫瘍(皮膚癌乳癌の皮膚浸潤転移リンパ節)

下方に重要臓器のある腫瘍(乳癌の胸壁皮膚浸潤転移)

 

 


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 分割照射

○標準的分割法(通常分割法)          

12Gyを週に5回              


○一回大線量小分割法
 14Gy、週に2~3

1日多分割照射法

 12回、週に10回、1.2Gy:過分割照射法

          1.5Gy:急速過分割照射法

*全照射期間を長くすると腫瘍細胞で加速増殖が起こる

 

○分割照射における生物学的等価量

 LQモデル:S/S0exp(-αDβD2)

 早期反応(腫瘍)α/β10Gy   
 晩期反応の
α/β3Gy

 生物学的等価量 BED(E/α) = D×(1+d/(α/β))
 d:分割線量 D:総線量

 

 

 固定照射

・セットアップ法:SSD一定法

1門照射法1門照射
 表層部分の照射に用いられる.多くは電子線照射が用いられる

・電子線または60Coγ線、3~6MVX線を使う

・適用:「胸壁腫瘍」「皮膚癌」「骨転移の疼痛緩和

X線・γ線を使用する場合、治療範囲が表面を含む場合にはビルドアップ効果による表面線量の低下を防止するためボーラスを用いる。

・マントル照射:全リンパ節照射で、ホジキンリンパ腫に使用する

 

2門照射法
 → 全体を均一に照射 → 皮膚表面線量の影響が大きい

(1)対向2門照射法:中心部分の線量があがる

適用:「喉頭咽頭癌」「食道癌」「子官頸癌」「全脳照射

(2)直交2門照射法:中心部分の線量があがる

線量分布を均等にするためウェッジフィルタボーラスを使用

適用:「上顎癌

(3)接線照射法:STD一定法

 体表近くが高線量域になるので,ウェッジフィルタを使用し線量分布を均等にする

主に乳房を対象とし、肺野への線量を抑える。ハーフフィールド法などを用いる。

適用:「乳癌」「胸壁腫瘍」「肋骨転移

 

○多門照射法

・適用:「頭頸部」「肺癌」「食道癌」「膵癌」「膀胱癌

4門照射の適応:「食道癌」「子宮癌


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