放射性壊変 / 核分裂
放射性壊変 放射性壊変と放射能 (73pm71、72am71、66.44、65.43、64.44、63.2) ・放射能A A = -dN/dt = λ×N ・壊変定数λ λ = loge2/T = 0.693/T T:半減期 ・原子数N N = w/W×6.02×1023 w:放射性物質の質量 W:対象物質の原子量 ・分岐比λ λ=λ1+λ2+λ3+…… λ1,λ2,λ3:部分半減期 分岐比 → λ1:λ2=T2:T1 ・平均寿命τ τ=1/λ=1.44×T ・放射線壊変図 (72am3) 放射平衡 (75pm2,64.2) ・放射平衡 娘核種の放射能A2、原子数N2 $$A_{ 2 }=\frac { λ_{ 2 } }{ λ_{ 2 }-λ_{ 1 } } ×A_{ 1 }^{ 0 }×({ e }^{ -λ_{ 1 }t }-{ e }^{ -λ_{ 2 }t })+A_{ 2 }^{ 0 }×{ e }^{ -λ_{ 2 }t }$$ $$N_{ 2 }=\frac { λ_{ 1 } }{ λ_{ 2 }-λ_{ 1 } } ×N_{ 1 }^{...
RIの分離とその保存
共沈法 (76am2、74am3、68am3、67am3、66.4、65.6、64.5、63.4) ・同位体担体:必要なRIの安定同位体の担体 ・非同位体担体:不必要なRIの安定同位体の担体 ・スカベンジャー:不必要なRIを沈殿させるための担体 ・保持担体:必要なRIを溶液に留めるための担体 ・捕集剤:必要なRIを沈殿させるための担体 ・溶解度積 共沈法では溶解度積の小さい反応が選ばれる 溶解度積 =「溶解した塩の濃度」×「溶解しなかった塩の濃度」 ・共沈法の実例 溶液中のRI 捕集剤 保持担体 沈殿物 140Laと140Ba Fe3+ Ba2+ 140La 90Yと90Sr Fe3+ Sr2+ 90Y 32Sと32P Fe3+ SO42- 32P *沈殿物は分離後、溶媒抽出することで無担体にできる 溶媒抽出法 (76pm2、72am4、65.7、64.4、61.4) 分離が(イオン交換等より)早く、トレーサ量からマクロ量まで対応が可能 ・分配比 水相を基準として有機相に何倍多く抽出されるかを表す 分配比D=Co/Cw Co:有機相のRI濃度 Cw:水相のRI濃度...
放射化分析 / 合成法,標識法
放射化分析 (75pm4、73pm34、72pm3、69pm4、68pm4、66.8、61.7) 放射化分析の利点 「検出感度が良い」 「試薬などの汚染がない」 「核反応なので元素の化学的性質に影響されない」 「多元素同時分析ができる」 「非破壊分析ができる」 放射化分析の欠点 「精度が低い」 「副反応による妨害がある」 「自己遮蔽の影響がある」 「原子炉など中性子発生源が必要」 生成放射能の計算 (72pm4、64.8、60.7) ・試料を時間t照射して、直後に得られる放射能A A = f×σ×N×(1-e-λt) = f×σ×N×(1-(1/2)t/T) f:照射粒子束密度(n/cm2・s) σ:放射化断面積 N:試料の原子数 ・原子数N N = θm/M × 6.02 × 1023 θ:存在比 m:試料質量 M:試料原子量 また、t<<Tの場合 A = f×σ×N×(0.693×t/T) ・照射終了後、時間d経過後の放射能Ad Ad = A×e-λd =A×(1/2)d/T ・放射線計測 「Ge(Li)」または「Ge」半導体検出...
RIの化学分析への利用
オートラジオグラフィ (73am4、70pm4、61.8) イメージングプレート等を用いてRIの分布を可視化する 基本的な性能としてIP法>写真法 ミクロオートラジオグラフィでは低エネルギーγ線が適する 放射化学分析 試料のRIの放射能,またはその娘核種の放射能によって存在量、存在核種を同定する方法 γ線スペクトルの測定を行う 放射分析 (71pm4) 非放射性の試料に結合するRI試薬を加え、試料の存在量を知る方法 特長として「簡易的」「高精度」「微量成分の分析」がある 放射滴定は放射分析の一種 同位体希釈分析法 ・特徴 「混合物の場合、その成分だけを完全に分離定量しなければならない」 「完全な分離でなく、その一部でも純粋に分離できれば定量可能」 「ラベル付き化合物を作る必要がある」 「RIは目的の化合物以外に移らない必要がある」 ・ラジオイムノアッセイ 抗体抗原反応を利用する 直接希釈法 (62.7) 重量 比放射能 全放射能 添加前 目的の試料 X 0 0 トレーサ(RI) a S0=A/a A 添加後 混合物 X+a S=A/w S(X+a) ・...
主なRIとその特徴
主なRIとその特徴 (74pm1、73am2、69pm1、67pm1、66.1、66.2、65.3、60.1) 核種 壊変 方式 エネルギー(MeV) α・β線 γ線 半減期 その他 3H★ β- 0.02 12年 β線のみ放出/天然RI/ 7Be EC 0.5 53日 中性子線源/天然RI 11C★ β+ 0.511 20分 14N(p,α)11C 14C★ β- 0.15 5.7×103年 β線のみ放出/天然RI 13N★ β+ 0.511 10分 16O(p,α)13N 15O★ β+ 0.511 2分 14N(d,n)15O 18F★ β+ 0.511 110分 20Ne(d,α)18F 18O(p,n)18F 32P★ β- 1.7 14日 β線のみ放出 40K★ β- 1.3 1.2×109年 天然RI/12億年 55Fe EC X線 3年 特性X線のみ放出/硫黄分析器 /蛍光X線分析装置 60Co β- 0.3 1 5年 密度計 63Ni β- 0.06 100年 β線のみ放出/ガスクロ 67Ga EC 0.09 3日 ...
壊変系列と元素表
ウラン系列 (63.43、62.44) アクチニウム系列 トリウム系列 元素表 (75am1、74am1、71am1、64.1、63.1) ・族:縦方向の集まりで、以下にあげる者はその元素の特性が似ている 1族(Hを除く):アルカリ金属 2族:アルカリ土類金属 17族:ハロゲン 18族:希ガス
放射化学 計算ドリル
半減期の計算 (72am71、66.44) 問1 ある放射性同位元素の放射能を測定したところ1時間後に測定開始時の1/10 となった この放射性同位元素の半減期Tはいくつか ただし、log102=0.30とする 答え半減期Tで放射能は1/2になり、1時間後に1/10となるので 1/10 = (1/2)60/T T = 60 log102=18 解説単位に注意 1時間→60min logの計算はちょいちょい出てくるので基礎的な計算はできるようになっておきたい 問2 N個の放射性同位元素の放射能をAとしたときに、半減期Tの式を示せ 答えA = λ×N λ = loge2/T T = (N×loge2)/A 解説計算問題ではないが、これらの式の関係を把握しておく必要があるので載せておく 各項に数字を与えられたときに計算できるように 放射化分析の計算 (72pm4) 問 半減期10分の核種を加速器で製造した 10分間照射した生成放射能(A1)に対する20分間照射した生成放射能(A2)の比(A2/A1)はいくつか 答え試料を時間t照射して,直後に得られる放射能A A=f×...
放射物理、放射線生物学と並び、放射線の基礎学問的存在
放射線取扱主任者の試験に合格した人であれば、特に難しい分野ではないと考えられます
放射線取扱主任者の試験の方が難易度は高め
ここでひとまとめにRIの種類を壊変方式、エネルギー、その利用方法、製造方法等を覚えてしまうと、核医学や治療等でも役に立ちますのでお勧め
問題構成としては、例年、あまりイレギュラーな問題も少なめで、できればすべて正解しておきたい点取り科目だと考えます
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