様々な治療装置 / 粒子線照射装置 / 治療計画CTと計画装置

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コバルト60遠隔治療装置

 RI(60Co:半減期5.26年)を使用した装置
・γ線エネルギー
:1.17/1.33MeV(平均1.22MeV)   

・β線:カプセルで吸収される

・半影が大きい

ベータトロン

 X線と電子線を発生する(電子線治療に最適)

・加速管
: ドーナツ管
 電磁石で真空管の加速管(ドーナツ管)をはさみ、 電子は磁場の変化により円運動で加速される

・交流磁場により発生する電界で、円運動(軌道半径一定)と加速を行う電子専用加速器

・加速エネルギーは4~30MeV

マイクロトロン

 直流磁場(一定)で電子を円運動させて加速する
・円軌道半径は増大
・X線・電子線の治療に用いる

サイクロトロン

 (70pm35、69am37、62.51、60.75)
 ディー(dee)電極の間に高周波電圧をかけて、直流磁場(強度一定)を発生させ、荷電粒子(主に陽子)を加速する
・高周波電圧の周波数(周波数は不変)により半周ごとに極性が変わり、回転軌道半径が増大しながら加速される
陽子や重荷電粒子の加速に適する
・AVFサイクロトロン
強収束の原理を用いている

*サイクロトロンに関する物理式
ローレンツ力(電荷q×磁束密度B×速度v)
 = 遠心力(質量m×速度v2÷回転半径r)
 回転半径rを一定に保ちつつ、磁束密度を変化させて、速度を上げる

シンクロトロン

 (71am38、67an37、66.74、65.73、64.72)
 炭素線治療など重粒子線を用いた放射線治療に用いられる
・装置が大型 (HIMAC、 Spring 8)
直線加速器などで数10MeVに加速した粒子を入射させる
・偏向電磁石に直流電流をかけ、直流磁場(一定ではない)を発生させ、その磁束密度増大させて粒子の軌道半径を一定に保つ
電極部(加速空洞)のみで加速される(加速エネルギーは可変)

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粒子線照射装置

(74am44pm44、72pm44、69pm41、68pm41、67pm40)

・粒子線照射装置の構成

(1)イオン源
  陽子線:水素ガス 
  炭素線:メタンガス
  ↓    
(2)加速器
  サイクロトロンまたはシンクロトロンなど
  ↓
(3)側方照射野形成器ワブラー電磁石+散乱体
  回転磁場でX、Y方向に回転させ照射野を平坦化
  ・ワブラー電磁石
  :重粒子線束を横方向に広げるための二組の電磁石

  ・散乱体
  :ワブラー電磁石で広げたビームを
    均等により広く広げるフィルタ

  ↓
(4)線量モニタ
  ↓  
(5)リッジフィルタRange modulator
  送られたビームのブラッグピークは半値幅で2〜3mmであり、エネルギー変調させ、標的の厚さに合わせてブラッグピークの奥行き方向幅(Z方向)を広げる(SOBPを作る)ためのフィルタ
  ↓
(6)レンジシフタ
  リッジフィルタで拡大させたブラックピークのエネルギーを変え、その位置を腫瘍の深さになるようにZ方向の距離を微調整するプラスチックのプレート
  ↓
(7)コリメータ(ブロック+MLC)
  X、Y方向の照射野の限定
  腫瘍の形を削り貫いた金属ブロック
 (真鍮ブロックで3〜4cm厚)
  ↓
(8)ボーラス
  粒子線の飛程(Z方向)を標的の末端側の形状に合わせて調整
  ↓
  標的

*SOBP:拡大ブラッグピーク

・側方照射野形成法 

(1)ワブラー法 
(2)二重散乱体法

・照射方法 

(1)ブロードビーム法 (一般的)
  広いビームを成型し、ボーラスやコリメータで照射野を作り、照射する方法
  線量的に平坦な照射野を形成する必要がある

(2)スキャニング法
 細いビームを成型し、照射する方法で強度変調が可能
 狭いSOBPを使用し、ビームの効率良い使用ができる

治療計画CTと計画装置

(73pm38、72pm36、71pm40、65.76)

 天板がカーボン等で構成された平板寝台を備えた特殊なCT装置
 位置合わせ用のレーザーポインタ、広いガントリ開口径、高い寝台位置精度、CT値の安定性などが求められる
 事前に作成した電子密度変換テーブルをもとに治療計画装置にデータを送る 

 

患者固定器具

・シェル (頭頚部、体幹部)  

(75pm42、74pm41、72am35、62.72)
 整形前は板状で熱すると柔らかくなり、それを患者さんの身体にのせ引っ張るように整形する
 特徴:「比較的簡便に精度の良い固定が再現性高く出来る
    「身体に位置合わせのための線を書かずにすむ
    「ビルドアップによる皮膚保護効果がなくなる


(72am35:シェル)

・吸引式クッション固定具 (Vac-lok)

 患者の身体の形に合わせたあと、空気を抜き固くする
 中身は発泡のビーズなのでX線の吸収はほぼ無い

・定位照射用頭部フレーム、 バイトブロック

 数㎜程度の照射野を使った定位放射線照射(STI)に用いる
 フレームは頭蓋骨にネジ止めするため侵襲的(主にSRSに使用)
 バイトブロックはかみ合わせ型を取り、固定された型とシェルにより固定
 (主にSRTに使用)

・補助具

 枕、 ヒール枕、 三角台、挙上台など

コメント

  1. ななち より:

    いつも参考にしています。
    質問なんですが、サイクロトロンの高周波電圧は不変と書いてあるのですが、一定ではないでしょうか?
    よろしくお願いします。

    • 対策ノートの人 より:

      質問内容は『不変』ではなく、『一定』なのではということでしょうか
      特に意識した語句を使っている訳ではないのですが、可変の対として不変と記載しております
      一般的な認識としては不変と一定の語意に大きな違いはないかと思っています
      それ以上のご意見がございましたら、ご教授頂けると幸いです

 

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・出題年数の見方
 例:(71pm72、67pm13.pm75、66.26)とある場合
 71pm72 → 第71回の午後72問
 67pm13pm75 → 第67回の午後13問と午後75問
 66.26 → 第66回のその教科がある方の26問
(放射化学から医用画像情報学までは午前、基礎医学大要から安全管理学までは午後)
*第66回までは午前午後で出題される科目が分かれていたため

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