X線装置 計算ドリル 

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コンデンサ式高電圧装置

(73pm11,64.54)

X線高電圧装置 - 変圧器 / 二、三相式 / コンデンサ式
X線発生装置 ├― X線源装置|  └―― X線管装置 + 照射野限定器|├― X線用高電圧ケーブル|└― X線高電圧装置   └―― 高電圧発生装置 + X線制御装置X線高電圧装置高電圧変圧器 (70pm5、65.12) 管電圧はピーク値、管電流は平均値を示すため換算して扱う  n2/n1=a=V2/V1=I1/I2  n1:コイルの一次側巻数    n2:コイルの二次側巻数    a:巻数比  V1:一次側の電圧(実効値で表示)  V2:二次側の管電圧(最大値で表示)  I1:一次側の電流(実効値で表示)  I2:二次側の管電流(平均値で表示)・ピーク時、実効値、平均値の関係 → 管電圧波形(X線高電圧装置による)で変わる(1)インバータ式、定電圧形、三相12ピーク型  実効値≒ピーク値   かつ 実効値≒平均値(2)三相6ピーク形  実効値=最大値×0.956   かつ 実効値≒平均値   かつ 最大値=平均値×π/3(3)単相2ピーク形  実効値=最大値×1/√2   かつ 実効値=平均値×π/2√2(4)単相1ピーク形  実効値=最大値×1/2   かつ 実効値=平均値×π/...

問1

 容量0.5μFのコンデンサ式X線装置において、充電電圧80kVで10mAs放出した時の波尾切断電圧[kV]はいくつか

 

放電電荷量mAs[mC]=C×(Vc-Vd)
C:静電容量[μF]
Vc:充電電圧[kV]
Vd:波尾切断電圧[kV]

Vd=Vc‐mAs/C
 =80‐10/0.5 =60

 

 コンデンサ式X線装置の計算問題
 基本的には左辺に放電電荷量をとると右辺の変数が3つになり、どこが問われるのかはわからないが、過去問的には波尾切断電圧が問われているので式を変形しなければならない
 式の形だけではなく、[ ]の中の単位も覚えてないと間違えうるので注意が必要
 

X線管入力の動作特性

(72am12,71am9,67pm6)

X線源装置 ― X線管装置
X線発生装置 ├― X線源装置|  └―― X線管装置 + 照射野限定器|├― X線用高電圧ケーブル|└― X線高電圧装置   └―― 高電圧発生装置 + X線制御装置X線源装置X線管の構造・固定陽極X線管 陽極が固定された構造 → 熱容量が小さい 歯科用・携帯形などの小容量X線装置に使用され、焦点外X線の発生が少ない・回転陽極X線管(73pm6) 陽極が回転する構造 → 熱容量が大きい①ガラスバルブ:真空の維持、高電圧の絶縁と耐高温性材質 → 硼珪酸硬質ガラス②陰極(フィラメント、集束電極):加熱電流で高温にして熱電子を発生、熱電子を細いビームに絞る③ターゲット:傘形で焦点面の材質はタングステン → 高原子番号、高融点3450℃④陽極回転子(ロータ):誘導電動機の原理でターゲットを高速回転させる・格子制御系X線管 グリッド電極により高電圧型でX線を開閉できる コンデンサ式X線装置と組み合わせて使用 管電流を制御する格子電極をもつ*暗電流(67pm5):格子電極をすり抜けた熱電子ビームのこと実焦点と実効焦点 (72pm7、66.10、61.11、60.10) (実効焦点<実焦点)・実焦...

問1

 三相12ピーク整流装置で、撮影管電圧100kV、管電流1000mAのときの電力[kW]はいくつか

 

P:X線管入力[kW] 
P = U×I×f×10-3 
U:管電圧[kV],ピーク値で表される
I:管電流[mA],平均値で表される
f:管電圧のリプル百分率によって定まる定数
f=1.0:リプル百分率が10%以下の場合
 (インバータ式, 定電圧形, 三相12 ピーク形に相当)
f=0.95:リプル百分率が10%を超え25%以下の場合
 (三相6ピーク形に相当)
f=0.74:リプル百分率が25%を超える場合
 (単相2 ピーク形, 単相1ピーク形に相当)

P =100×1000×1.0×10-3
 =100

 

 単純な式だが、fの値が管電圧のリプル百分率によって変わってくるので覚えることが多い
 問題としては、リプル百分率で決める場合と整流方式(三相6ピークなのか12ピークなのかなど)で決める場合がある
 管電圧の単位はkV(ピーク値)、管電圧の単位はmA(平均値)なのでこれも注意が必要 

 

問2

 短時間負荷が100kV、320mAのとき、X線管入力が30.4kWである場合、管電圧のリプル百分率[%]はいくつか

 

P:X線管入力[kW] 
P = U×I×f×10-3
U:管電圧[kV],ピーク値で表される
I:管電流[mA],平均値で表される
f:管電圧のリプル百分率によって定まる定数
f=1.0:リプル百分率が10%以下の場合
 (インバータ式, 定電圧形, 三相12 ピーク形に相当)
f=0.95:リプル百分率が10%を超え25%以下の場合
 (三相6ピーク形に相当)
f=0.74:リプル百分率が25%を超える場合
 (単相2 ピーク形, 単相1ピーク形に相当)

 30.4=100×320×f×10-3
 f=0.95
 よってリプル率は10%を超え25%以下となる

 

 管電圧のリプル百分率によって定まる定数fを求めていくタイプの問題
 実際に出された問題では、選択肢が5つある中で当てはまるものが一つだけになっていた
 整流方式が書かれてあっても解けるようにしておきたい
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短時間負荷

(70am5)

X線源装置 ― 許容負荷 / 照射野限定器 / X線用高電圧ケーブル
X線発生装置 ├― X線源装置|  └―― X線管装置 + 照射野限定器|├― X線用高電圧ケーブル|└― X線高電圧装置   └―― 高電圧発生装置 + X線制御装置X線源装置短時間・長時間許容負荷 (70am5、68pm5、67am5、65.9、62.10)・短時間許容負荷 一般撮影のような大管電流が流れる場合 → 実焦点面の温度上昇によって制限 短時間許容負荷増大の条件1,実焦点面積を大きくする (固定陽極では面積に比例、回転陽極では長さに比例し幅の1/2乗に比例)2,ターゲット角度を小さくする (実効焦点サイズが同じ場合) → 実焦点面積が増大3,管電圧脈動率(リプル百分率)を小さくする → 焦点面温度の均一化4,陽極の回転速度を大きくする (回転陽極の場合)5,焦点軌道直径を大きくする (回転陽極の場合) → おのおのの実焦点位置での熱電子衝突時間の短縮・一秒以下の短時間許容負荷W(オスターカンプの式)$$W∝\frac{l}{sinθ}\sqrt{b×DN}∝\sqrt{DN}\$$ θ:ターゲット角度(l/sinθは実焦点の長さ) l:実効焦点の長さ b:実効焦点の幅(...

問1

 回転陽極X線管で焦点軌道半径を20%大きくした場合の0.1s以下の短時間許容負荷の変化量はいくつ

 

一秒以下の短時間許容負荷W(オスターカンプの式)
W∝√(D×N)
D:焦点軌道直径
N:陽極回転速度
W∝√1.2≒1.1
よって短時間許容負荷Wは1.1倍に増える

 

 オスターカンプの式をフルで考えると下記のような式になるが、おそらくすべて覚えておく必要はなく、簡略バージョンのみで良いかと

θ:ターゲット角度(l/sinθは実焦点の長さ)
l:実効焦点の長さ
b:実効焦点の幅(実焦点の幅と同じ)
D:焦点軌道直径
N:陽極回転速度(電源周波数に比例し、普通回転形:約3000回転/分、三倍高速回転形:約9700回転/分)

 

高電圧変圧器

(70pm5)

X線高電圧装置 - 変圧器 / 二、三相式 / コンデンサ式
X線発生装置 ├― X線源装置|  └―― X線管装置 + 照射野限定器|├― X線用高電圧ケーブル|└― X線高電圧装置   └―― 高電圧発生装置 + X線制御装置X線高電圧装置高電圧変圧器 (70pm5、65.12) 管電圧はピーク値、管電流は平均値を示すため換算して扱う  n2/n1=a=V2/V1=I1/I2  n1:コイルの一次側巻数    n2:コイルの二次側巻数    a:巻数比  V1:一次側の電圧(実効値で表示)  V2:二次側の管電圧(最大値で表示)  I1:一次側の電流(実効値で表示)  I2:二次側の管電流(平均値で表示)・ピーク時、実効値、平均値の関係 → 管電圧波形(X線高電圧装置による)で変わる(1)インバータ式、定電圧形、三相12ピーク型  実効値≒ピーク値   かつ 実効値≒平均値(2)三相6ピーク形  実効値=最大値×0.956   かつ 実効値≒平均値   かつ 最大値=平均値×π/3(3)単相2ピーク形  実効値=最大値×1/√2   かつ 実効値=平均値×π/2√2(4)単相1ピーク形  実効値=最大値×1/2   かつ 実効値=平均値×π/...

問1

 巻線比n2n/1=500の単相2ピーク形X線高電圧装置で、管電流500mAを流した時の一次電流[A]はいくつか

 

n2/n1 = V2/V1 =I1/I2
n1:コイルの一次側巻数
n2:コイルの二次側巻数
V1:一次側の電圧(実効値で表示)
V2:二次側の管電圧(最大値で表示)
I1:一次側の電流(実効値で表示)
I2:二次側の管電流(平均値で表示)
かつ
では単相2ピーク形、実効値=最大値×1/√2 、実効値=平均値×π/2√2
500=I1/0.5
 V1=250mA(平均値)
 V1(実効値)=250×π/2√2≒278

 

 かなり複雑な式となっており、出題年数も65回と70回で5年に一度程度なので、正直捨ててしまっても構わないかと
 一応式の全貌を下記に示すが、よっぽど余裕がない限り、これをすべて覚えるなら他にリソースを回したほうがコスパは良い
 管電圧はピーク値,管電流は平均値を示すため換算して扱う
n2/n1 = a = V2/V1 =I1/I2
n1:コイルの一次側巻数
n2:コイルの二次側巻数
a:巻数比
V1:一次側の電圧(実効値で表示)
V2:二次側の管電圧(最大値で表示)
I1:一次側の電流(実効値で表示)
I2:二次側の管電流(平均値で表示)

・ピーク時,実効値,平均値の関係
→管電圧波形(X線高電圧装置による)で変わる
(1)インバータ式,定電圧形,三相12ピーク型
実効値≒ピーク値 
かつ 実効値≒平均値

(2)三相6ピーク形
実効値=最大値×0.956 
かつ 実効値≒平均値 
かつ 最大値=平均値×π/3

(3)単相2ピーク形
実効値=最大値×1/√2 
かつ 実効値=平均値×π/2√2

(4)単相1ピーク形
実効値=最大値×1/2 
かつ 実効値=平均値×π/2

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・出題年数の見方
 例:(71pm72、67pm13.pm75、66.26)とある場合
 71pm72 → 第71回の午後72問
 67pm13pm75 → 第67回の午後13問と午後75問
 66.26 → 第66回のその教科がある方の26問
(放射化学から医用画像情報学までは午前、基礎医学大要から安全管理学までは午後)
*第66回までは午前午後で出題される科目が分かれていたため

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