医療安全管理学

医療安全管理学

医療安全の基礎

医療安全  (76am100,75am85pm96,73am98,72am100) ・患者安全(Patient safety) :医療に関連した不必要な害のリスクを許容可能な最小限の水準まで減らす行為 ・医療事故(アクシデント) :医療従事者が行う業務上およびそれに起因する事故の総称 ・医療過誤 :医療従事者が行なう業務上およびそれに起因する事故のうち,過失の存在を前提としたもの ・インシデント :ある行為が実施されなかったが,仮に実施されたとすれば何らかの被害が予測される場合,または実施されたが,結果的に被害がなくまたその後の観察も不要である場合 ・インシデント報告 :インシデントを把握、分析する報告書  エラーの予測や再発防止のために情報共有を行う ・ヒヤリハット :危ないことが起こったが、幸い災害には至らなかった事象のこと ・エラーレジスタンス :エラーが発生しにくい仕組みを作ることで対策 ・エラートレランス :発生したエラーを早期に見つけて修正すること ・フォールトトレランス :一部が故障・停止しても、予備の系統に切り替えるなどして機能を保ち、正常に稼働させ続ける仕組み ・フェ...
医療安全管理学

放射線診療の安全管理

感染対策・清潔操作 ・標準感染予防策 :「手指衛生」 「個人防護具PPEの使用(エプロンガウン/マスク/ゴーグルフェイスシールド/手袋)」 「リネン取り扱い」 「環境対策」 ・手指衛生のタイミング :「患者に触れる前」 「清潔/無菌操作の前」 「体液に曝露された可能性のある場合」 「患者に触れた後」 「患者周辺の環境や物品に触れた後」 ・N95マスク  空気感染(結核など)患者に対して使用する ・その他  検査前に情報確認する  易感染患者に対しては事前に使用器具物品の消毒  清潔野には素手で触らない  感染患者の検査はなるべく最後にし,感染患者に使用した物品は感染性廃棄物へ  使用済み注射針はリキャップせずに廃棄する  ノロウィルスにはアルコールはあまり効果がないので塩素系の消毒剤が推奨   個人情報保護 ・情報セキュリティの三大要素  (76am47,71am49) 1,完全性  2,機密性  3,可用性    対策 :「生体認証」 「アクセスログの定期監視」
医療安全管理学

医療機器および器具の安全管理

厚生労働省通知で保守点検系策を策定すべき装置  (75am6) ・保守点検計画を策定すべき医療機器  医療機器の特性等に鑑み, 保守点検が必要と考えられる医療機器については, 機種別に保守点検計画を策定すること  保守点検が必要と考えられる医療機器には, 次に掲げる医療機器が含まれる ①人工心肺装置及び補助循環装置 ②人工呼吸器 ③血液浄化装置 ④除細動装置(自動体外式除細動器(AED)を除く) ⑤閉鎖式保育器 ⑥X線CT装置 ⑦診療用高エネルギー放射線発生装置  ⑧診療用粒子線照射装置 ⑨診療用放射線照射装置 ⑩磁気共鳴画像診断装置 ・保守点検計画において記載すべき事項  保守点検計画には, 以下の事項を記載すること ①医療機器名 ②製造販売業者名 ③型式 ④保守点検をする予定の時期, 間隔, 条件等 医薬品, 医療機器等の品質, 有効性及び安全性の確保等に関する法律  (75am10)  医療機器は人体に与えるリスクに応じて 「高度管理医療機器」 「管理医療機器」 「一般医療機器」  の3つに分類される ・特定保守管理医療機器  (75pm8)  上記の分類とは別に, 保守点検, ...
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医薬品の安全管理

ヨード系造影剤  (経口に適応があるのはガストログラフィンのみ) ★副作用 :イオン性>非イオン性  モノマー>ダイマー ・禁忌  (71am91,70am87,69am88,66.30,62.69)  絶対禁忌 :「ヨード過敏症」 「重篤な甲状腺機能亢進症」 「重症筋無力症」  原則禁忌 :「気管支喘息」 「重篤な心・肝・腎疾患をもつ患者」 「急性膵炎」 「マクログロブリン血症」 「多発性骨髄腫」 「褐色細胞腫」 「テタニー病」 *使用前に「eGFR」や「クレアチニン値」,「ヨード過敏症の有無」などを確認する ・腎機能(eGFR)  下記に該当する場合, 投与を避け, 他の検査法で代替するのが望ましい  eGFR<30 mL/min/1.73m2  ICU の患者については eGFR<45 mL/min/1.73m2 ・ビグアナイド系糖尿病薬  ビグアナイド系糖尿病薬を服用中の糖尿病患者にヨード造影剤を投与し, 一過性に腎機能が低下した場合, メトホルミンの腎排泄が減少するため乳酸アシドーシスを起こす危険性があり, 特に腎機能障害を有する患者がリスクとされる ・副作用(発生率に重篤度...
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救急医療

生命予後にかかわる緊急性の高い疾患の画像(STAT 画像)所見報告 ・一般撮影 (1)緊張性気胸  肋間腔開大, 縦隔の健側への偏位を伴う気胸 (2) 消化管穿孔を念頭においた所見の指摘 (胸腹部単純 X 線写真)腹腔内 free air ・CT (1)脳内出血, くも膜下出血, 硬膜下血腫, 硬膜外血腫など :頭蓋内出血 (2)脳腫瘍など :脳の腫瘤胸部 (3)緊張性気胸 :肋間腔開大, 縦隔の偏位を伴う気胸 (4)消化管穿孔を念頭においた所見の指摘 :腹腔内 free air (5)腸閉塞/イレウスの検出を念頭においた所見の指摘 :腸管の air-fluid level形成・腸管拡張 (6)肝癌破裂, 内臓動脈瘤破裂, 異所性妊娠や交通外傷などに伴う腹腔内出血・血腫形成の指摘を念頭においた所見の指摘 :腹部の出血 (6)破裂のリスクが高い大動脈瘤 :径6㎝以上の上行大動脈, 径 7 ㎝以上の下行大動脈, 径 5.5 ㎝以上の腹部大動脈 ・MRI (1) 脳梗塞, 脳炎・脳症, 脱髄疾患など :拡散強調画像での異常高信号域 (2)くも膜下出血, 硬膜下血腫, 硬膜外血腫など :脳外の...
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診療の補助行為に関する安全管理

診療の補助名目で改正を必要とせずに拡大された業務 ・造影剤に関して既に確保された静脈路に造影剤を接続,及び造影剤自動注入器を用いた造影剤投与を行うこと  造影剤投与終了後の静脈路の抜針及び,止血をすること ・下部消化管検査,画像誘導放射線治療(IGRT)に関してカテーテル挿入部(肛門)へのカテーテル挿入すること  挿入したカテーテルより,造影剤及び,空気の注入をすること(下部消化管検査)  挿入したカテーテルより,空気の吸引をすること(下部消化管検査) ・胸部検診業務についての改正 (67pm99)  検診において胸部エックス線検査を医師立会がなくても実施できるようになった   ただし,以下の点の遵守が要求される  検診の実施に関し,事前に放射線技師に対して指示をする医師及び,緊急時や非常時に対応する医師などを明示した計画書を作成し,市町村に提出し,この体制を整える  業務や緊急時のマニュアルを整備する  検査に関わる機器及び,設備を整備するとともに,機器の日常点検等の管理体制を整備する  検診に従事する診療放射線技師が必要な教育及び,研修を受ける機会を確保する ・放射線検査について,...
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