X線の発生
特性X線の発生
(75am71、72am72、70.72、66.45、63.46、61.46)
・詳細は前述
↓ 放射性同位体の壊変形式

・モーズリーの法則
(68pm71、64.45、63.44、62.46、61.45)
特性X線の振動数ν=C2R2(Z-σ)2
C:光速
R:リュードベリ定数
Z:ターゲットの原子番号
σ:遮蔽定数
→ 特性X線のエネルギーE=hνであり、Eはターゲットの原子番号にのみ依存する
制動X線の発生
(74pm71、73am71、72pm71、70pm37、68pm71、67am71、66.45、65.45、63.45、62.45、60.45)
・単位時間の発生強度I
I=K×I×Z×V2
・制動放射線の発生効率η
η=K×Z×V[%]
*診断領域ではηは1%未満である。
K:定数(1.1×10-9)
I:管電流
Z:ターゲットの原子番号
V:管電圧
管電圧と制動放射線の最大エネルギーの関係
・デュエンハントの法則
(76pm73、70am72、68pm71、67am71、66.45、65.45、63.45、60.44)
加速電子のエネルギーE=e×V
V:X線管電圧[kV]
また、eV = hν
= hC / λ
1eV=1.6×10-19[J]
h=6.6×10-34[Jsec]
C=3.0×108[m/sec]
より
eV[kV]= Emax
= hνmax
= hC / λmin
= 12.4 / λmin [Å]
*Å=10-10m
制動X線の強度分布(角度)
(62.45)
・ゾンマーフェルトの理論式I(θ)
I(θ)=A-sin2θ/(1-βcosθ)6
θ:ターゲットへ入射した電子の進行方向を0°とした角度
入射電子のエネルギーが増加した場合(10MeV以上)
βが1に近づく → θ=0°(前方)の強度が増加
入射電子のエネルギーが減少した場合(30~150keV程度)
βが0に近づく → θ=90°(側方)の強度が増加
ターゲットでの減弱前の制動X線
・クラマースの式
光子エネルギーE×光子数N
= k ×(Emax-E)
k:1.1×10-9
X線の線質・線量
(68pm71)
・線量
:管電流、管電圧に影響され、X線の量を表す
・線質
:X線のエネルギースペクトルで表される
簡易的には管電圧や半価層、実行エネルギーで表される
・実効エネルギー
:ある連続スペクトルX線と半価層が等しくなる単色X線のエネルギー
中性子
(73am73、70pm70、68am74、66.49、62.49)
電荷をもたない間接電離放射線
→ 主に原子核と相互作用を起こす
・核スピン量子数:1/2
・β-壊変をする(半減期10分)
・エネルギーによる分類 (64.48)
エネルギー | 名前 | 主な反応 |
~0.025eV | 熱中性子 | 中性子捕獲反応 |
0.1eV~1keV | 熱外中性子 | |
0.1MeV | 速中性子 | 散乱 |
中性子と物質の相互作用
(69pm73)
1,弾性散乱
(75am73、67am73)
反応の前後で運動量が保存される反応
反跳エネルギーE
$$ E=\frac { 2mM }{ (m+M)^{ 2 } } ×(1-cosθ)×En$$
En:中性子のエネルギー
M:原子核の質量
m:中性子の質量
*原子の質量が小さい
→ 反跳エネルギーが大きい
→ 水素で最も減速させられる(ビリヤードの法則)
2,非弾性散乱
運動エネルギーの一部が反応原子核の励起に使われる反応
吸収反応
(72pm73,70pm70)
1,放射捕獲反応
原子核が励起され,γ線を放出する
中性子は電荷を持たないため,クーロン作用を受けず,他の反応に比べて,低エネルギーで核に入れる
*中性子の結合エネルギー:約8MeV
→捕獲反応は発熱反応
*中性子捕獲反応断面積は中性子速度に反比例する
*特定のエネルギーでは共鳴吸収がある
2,荷電粒子放出反応
軽い原子核では中性子を吸収し、荷電粒子を放出する反応がある
3,核分裂反応
235U、239Pu、233Uなどの重い原子核で中性子が吸収されて起こる反応
核分裂中性子
(68am74、62.49)
252Cfの自発核分裂などで放出される
連続エネルギー分布(マクスウェルボルツマン分布)をもつ
平均エネルギーは約2MeV
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