アーチファクト
(76pm90、70pm10、69pm10)
被写体に起因するもの
(75pm14、73am5、67am10)
・(1) ビームハードニングアーチファクト
カッピングアーチファクトやダークバンドアーチファクトとなる
カッピング:中心のCT値が低下
キャッピング:中心のCT値が増加
ダークバンド:バンド状にCT値が低下
:ダークバンドアーチファクト(76pm90)
*対策:スライス厚を薄くする
MSCTではシングルスライスに比べ減少
・メタルアーチファクト
造影剤も高濃度の場合アーチファクトとなる場合がある
低管電圧で顕著となる
・モーションアーチファクト
・エッジグラディエント効果
CT装置・撮影条件に起因するもの
(69am5)
・パーシャルボリューム(部分体積)効果
(73pm13、70am88、69am87、67pm88)
スライス厚の中に複数のCT値が存在した場合、その割合によってCT値が変化すること
微細物質の描出や、組織境界においてCT値が不正確になる
対策はスライス厚を薄くする
MSCTではシングルスライスに比べ減少する
・低線量時のストリークアーチファクト
・ヘリカルアーチファクト
ピッチファクタが2を超えると目出つ
・ステアステップアーチファクト
(71am6、63pm80)
3Dで生じ、スライス厚大、ヘリカルピッチ大、再構成間隔大で、影響が大
・コーンビームアーチファクト
・ウィンドミルアーチファクト
:補間再構成法が原因で、高吸収物体周囲に目立ちやすい
・ヒール効果
・ブルーミング効果(74pm5)
管電流が大きくなり、X線管焦点サイズが大きくなり、空間分解能が劣化する
・オーバースキャニング
MSCTで、体軸方向のスキャン範囲が画像再構成範囲よりも広くなる現象
装置の不良に起因するもの
(72pm5、71pm9、68am88、62.17)
・リングアーチファクト
検出器からのデータが異常となった場合に、円弧状のアーチファクトが生じる
・検出器系の不良によるストリークアーチファクト
特定の投影データ不良
・シャワーアーチファクト
X線管出力の異常、特定の投影データ不良
・キャリブレーションの不良によるアーチファクト
CTの性能評価
・X線CT装置の日常点検項目(不変性試験)
(74pm14、73pm5、69pm14、68pm14、67pm11、65.20、63.17、60.18)
測定項目 | ファントム |
均一性 (ノイズ) |
平均CT値 水ファントム(200mmφ) 均一なファントム像の数箇所ROIにおけるCT値の標準偏差および平均値を測定 |
空間分解能 | メタクリル樹脂製円盤にステンレス鋼線(0.2mm径) |
スライス厚 | アルミニウム板をメタクリル樹脂製円盤と30°の角度で、 中心と70mm離れ2箇所に置き、中心の板は逆向き |
線量(CTDI) | メタクリル樹脂製円盤の中心及び周囲表面から 1cmの位置に90度間隔に長さ15cmの穴を開ける 頭部用:直径16cm 腹部用:直径32cm |
患者支持器の 位置決め |
患者支持器を規定距離の移動と、次に開始位置に戻すことで評価する |
コントラストスケール | 水ファントム(200mmφ)の中央に50mmの空気円筒を配置したもの |
高コントラスト分解能 | メタクリル樹脂製円盤に直径の異なる穴(空気)を設けたもの |
低コントラスト分解能 | CT値約50の物体の円盤に 径の異なる穴に周囲よりCT値が5±1低い物質で満たす |
*ヘリカルCTでのスライス厚はZ軸方向のスライス感度プロファイルで行い、ビーズ法かコイン(ディスク)法を用いる。
・高コントラスト分解能(空間分解能)に影響する因子
(63.15、61.17)
・スライス方向
:「検出素子のアパーチャサイズ」
「ピクセルサイズ」
「フィルタ関数」
・体軸方向
:「スライス厚」
「ピッチファクタ」
「補間再構成法」
・スライス方向と体軸方向
:「X線管焦点サイズ」
「検出器数・寸法」
「マトリックス数」
・低コントラスト分解能(密度分解能)・画像ノイズに影響する因子
(75am14、65.76)
「X線検出効率」
「検出器のエネルギー特性」
「スライス厚」
「管電流スキャン時間(大きいと向上)・管電圧(小さいと向上)」
「ピッチファクタ」
「再構成関数」
「マトリックス関数」
・CT値に影響する因子
(76am10.pm11)
「対象物質の実効原子番号と密度」
「入射エネルギーに影響する機種依存」
「管電圧」
「付加フィルタ」
「ビームハードニング(被写体の大きさや周囲物質)」
「各種補正処理(再構成関数やアーチファクト低減処理)」
・CTDI
(75am89.pm7、74pm11、71am11、68pm89、61.16、60.17)
多重スキャンにおける中心スライスの中心点における平均線量(mGy)
X線量に比例し、スライス厚に反比例する
・標準ファントム
:メタクリル樹脂製の頭部用直径16cm
腹部用32cmの長さはともに15cm
・線量計
:有効電離長が100mmのペンシル型の電離箱線量計
・CTDI100
:空気カーマ(空間吸収線量)として測定される
・CTDIw
:場所による重み付けされたCTDI
CTDIw=1/3× CTDI100,c + 2/3× CTDI100,p
CTDI100,c:中心の吸収線量
CTDI100,p:上下左右4箇所の吸収線量
・CTDIvol
:ピッチファクタの補正をしたCTDI
CTDIvol = CTDIw/ピッチファクタ
・DLP
:CTDIvol×長さL [mGy×cm]
コメント
CTDIvolのところの公式ですが、1/ピッチファクタ×CTDIwではないでしょうか。
(1/ピッチファクタ)×CTDIwということでしょうか
それでしたら合っていると思います
ノートのほうもCTDIvol = CTDIw/ピッチファクタとなっております