胃の造影検査(上部消化管造影)
(64.80、62.79、60.76)
・蠕動運動と胃液分泌の抑制のため鎮痙攣剤(抗コリン薬:副交感神経遮断のため)を筋肉注射する
胃泡には消泡剤を使用する
・体位変換の目的
:「胃粘液の除去」
「造影剤付着の向上」
「造影剤を広く薄く広げる」
・撮影後処置
:「水分を多量に取らせる」
・胃の解剖学的構造
*ポイント
上部が背側方向、下部が腹側方向に傾いている
胃角部で下端となる
・二重造影法
(70pm89)
発泡剤(陰性造影剤)により胃壁を進展させ、胃小区を描出する方法
背臥位正面(76pm85、73am83)
:胃角部を中心として、幽門部~前庭部の後壁(造影剤は穹窿部)
(76pm85)
背臥位第1斜位
:胃体中・下部,胃角部,前庭部, 十二指腸球部 (造影剤は穹窿部)
背臥位第2斜位 (60.77)
:胃体部,小湾,大湾を観察(造影剤は穹窿部,前庭部に振り分け)
半立位第二斜位 (Schatzki位)
(74pm93,69pm89)
:噴門部・穹窿部の観察
(69pm89)
腹臥位正面
(65.81)
:前庭部・胃角部の前壁
(65.81)
左半立位像
:穹窿部、噴門部の観察可能
(63.84)
右側臥位(71am89)
:胃噴門部の観察
・充満法
:胃角部(小湾、大湾)(立位)、十二指腸球部の観察(腹臥位)など
・充満法腹臥位正面頭低位
:前庭から胃角部の二重造影になる
・充満法腹臥位正面水平位
:十二指腸球部の観察
・充満法立位正面
:胃角部(小湾、大湾)の観察
・粘膜法(レリーフ法)
:粘膜壁凹凸や集中所見を描出
少量の造影剤を薄く均等に付着させる
・圧迫法
(72am90)
・立位正面
:前壁や後壁の病変描出
胃角部前壁・後壁
穹窿部より出口側の部位(穹窿部は無理)における凹凸病変を圧迫して撮影する方法
隆起性病変や陥凹病変の形態を観察
*進行性胃癌(スキルス)
:がん細胞が粘膜下に広く浸潤する
膵臓がんなどと並んで最も予後の悪いがんのひとつ
(64.85)
*国家試験の解き方
・造影剤の位置による観察箇所の確認
造影剤が充満しているところは辺縁しか観察できない
・体位の確認
左手で弧の字を作りながら「腹臥位or背臥位」と「半立位or頭低位」のどれであるかを造影剤の位置と椎体の位置から考える
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