固体素子(半導体)
固体の帯理論
・真性半導体
(69pm78)
伝導電子の密度n と正孔の密度p が等しい半導体
フェルミ準位はバンドギャップの中央に位置する
・n 形半導体
(69pm78、66.56、60.56)
真性半導体に不純物を入れ、自由電子を生じさせ、伝導電子密度n>正孔密度pとする
キャリア:電子
不純物(ドナー):Siの場合Sb、P、As
(いずれも15 族元素)
・p 形半導体
(71pm77、60.56)
真性半導体に不純物を入れ、正孔を生じさせ、正孔密度p>伝導電子密度nとする
キャリア:正孔
不純物(アクセプタ):Siの場合B、Al、Ga、In
(いずれも13 族元素)
・フェルミ準位 (66.56、60.56)
電子の存在確率が1/2のエネルギーのところ
真性半導体:バンドギャップ(価電子帯のすぐ上の禁止帯)の中央
n 形半導体:中央から伝導帯に近づいた位置
p 形半導体: 中央から価電子帯に近づいた位置
・抵抗率 (69pm78)
絶縁体の抵抗率は1014[Ωm]
シリコンの抵抗率は約105[Ωm]
導体(銅)の抵抗率は10-4[Ωm]
・熱電効果
(69pm78、68am77、65.56、60.56)
電気伝導体や半導体などで、熱エネルギーと電気エネルギーが相互に及ぼし合う以下の三つの効果の総称
「ゼーベック効果」
「ペルティエ効果」
「トムソン効果」
半導体は温度が上昇すると、キャリアが熱によって電導帯に励起され、電流が流れやすくなる
単体の金属導体の場合は温度上昇によって抵抗値は増加する
・ホール効果
(68am77)
半導体などで、電流に対して垂直に磁場をかけると、電流と磁場の両方に直交する方向に起電力が現れる現象
pn接合(ダイオード)
(71pm77、70am77、66.56、64.56、60.56)
p型、n型半導体を接合すると両方のフェルミ準位Efが一致して下図のようになる
・空乏層
熱的再結合が盛んに起こりドナーイオンとアクセプターイオンだけが残った場所
つまり、この空間にキャリアは存在しない
・順バイアス
電子がn→pとなる様に
p型に正、n型に負の電圧を印加すること
電流が流れやすい
・逆バイアス (66.56、64.56)
電子がp→nとなる様に
p型に負、n型に正の電圧を印加すること
電流がほとんど流れない
色々なダイオード
(67am77、64.56、63.55)
・整流ダイオード
交流を直流に変換する
・検波ダイオード
高周波電圧の存在を検出する
・スイッチングダイオード
スイッチとしての応答速度を工夫した(高速にスイッチする) ダイオード
★可変容量ダイオード(バラクタ)
逆バイアスされたダイオードの接合容量(静電容量)の電圧依存性を利用した可変容量のダイオード
自動周波数調整回路( AFC) 回路に使われる
★定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)
ダイオードへの逆バイアス電圧が降伏電圧(VB) を越すと、
電流が急激に増加する
抵抗R を通じてより高い電圧VS を印加すると、
VS が変動しても出力電圧がほとんど変化せずVB に固定される
→ 定電圧回路に利用
★エサキダイオード(トンネルダイオード)
高ドープされ、その結果トンネル効果により電流が流れる
I-V 特性はn 字特性を示す
負性抵抗領域ではトンネル電流であるため応答速度は極めて早い
・バリスタダイオード
順方向電圧が生産時に管理されたダイオード
電圧の変化で抵抗値が非直線的に変化するダイオード
トランジスタのVBE 等のように温度によって変化する
★発光ダイオード(LED)
直接あるいは間接遷移形半導体からなるpn 接合ダイオードに順バイアスを加えてキャリアを注入すると、接合付近で自由電子と正孔が再結合して消滅し、キャリアのもつエネルギーが光となって放出される
間接遷移形のGe、Si ではほとんど発光せずGaAs など直接遷移形が用いられる
★フォトダイオード
逆方向電圧の印加中、光照射によって自由電子と正孔が生成され、逆電流が流れることを利用したダイオード
ダイオードの空乏層内に高電界を加えて、電子雪崩増倍を意図的におこし、高感度化させた雪崩ホトダイオード( APD) もある
★ショットキ・ダイオード
pn 接合以外でも、半導体と金属の接触により整流作用を示す場合があり、これをショットキ・ダイオード(ショットキバリア形ダイオード) という
閾値電圧が低く高速であるなどの特徴がある
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