放射線の分類
(75pm74、73am65、72am70、71am65.70.74、70am70.pm83、68am65、65.41、64.41、61.42.43、60.42)
・非電離放射線
:電波、紫外線、可視光、(紫外線)など
・電離放射線
― 直接電離放射線:荷電粒子
― 間接電離放射線:光子、中性子、(紫外線)
・電磁放射線
:光子線(γ線*1、特性X線*1、制動X線*2、消滅X線*1)
・粒子放射線
:α線*1
β線*2
電子線*2(オージェ電子*1、内部転換電子*1)
陽電子線*2
陽子線*2
重粒子線*2
中性子線*2
*1:単一スペクトル放射線
*2:連続スペクトル放射線
放射性同位体の壊変形式
(74am71、71pm71、70am1、68am1、67am1、61.1)
α壊変
(67pm72)
(A,Z) → (A-4,Z-2) + α
・親核種からα粒子が飛び出す
・壊変条件
:Q>0
Q値={M親-(m娘+α)}×C2
M親:親核種の質量
m娘:娘核種の質量
C:光速
・α粒子のエネルギーEα
Eα=m娘 / (m娘+mα)×Q
→α線は線スペクトルのエネルギーをもつ
→Eαはトンネル効果(量子力学的説明)によってクーロン障壁を超える
・生成核の反跳エネルギーEb
Eb=mα/ (m娘+mα)×Q
=(mα/ m娘)×Eα
・ガイガー・ヌッタルの法則 (69am71)
放出されるα粒子のエネルギーと崩壊定数の経験的関係を示す式
短い半減期の核種からのα線エネルギー>長い半減期の核種からのα線エネルギー
β-壊変
(71am74、68am71、61.44)
(A,Z) → (A,Z+1) + β-
・弱い相互作用によっておこる
中性子が「陽子」「β-」「反ニュートリノ」になる
・壊変条件
:Q>0
M親>m娘
Q値={M親-(m娘+me)}×C2
・β-線の最大エネルギーEβ-max
:(M親-m娘)×C2
→ β-,反ニュートリノの角度・エネルギーは連続スペクトル
β+壊変
(71am74)
(A,Z) → (A,Z-1) + β+
・弱い相互作用によっておこる
陽子が「中性子」「β+」「ニュートリノ」になる
・壊変条件
:Q>0
M親-m娘-2me>0
Q値={M親-(m娘+2me)}×C2
・β+線の最大エネルギーEβ+max
:(M親-m娘-2me)×C2
→ β+,ニュートリノの角度・エネルギーは連続スペクトル
*β-とは異なるスペクトル分布を示すので注意
軌道電子捕獲 EC壊変
(74am2)
(A,Z) → (A,Z-1)
・β+壊変と競合して起こる
陽子が「軌道電子」を捕獲して「中性子」「ニュートリノ」になる
・結果として、電子の軌道に空席が生じる
→「特性X線放出」または「オージェ電子放出」が起こる
核異性体転移 (IT)
(61.44)
(A,Z)m → (A,Z) + γ線
内部転換
(75pm70)
・γ線を放出する代わりに軌道電子を放出する現象
γ線放出との競合反応
・内部転換電子のエネルギーEe
Ee=Eγ-E束
Eγ:γ線エネルギー
E束:軌道電子束縛エネルギー
→ 内部転換電子のエネルギーは一定のエネルギー
線スペクトル
L殻内部転換電子のエネルギー>K殻内部転換電子のエネルギー
→K殻の方が内部転換電子になりやすい
・内部転換係数
内部転換係数=「内部転換電子放出数」÷「γ線放出数」
→0~∞までの値を取りうる
内部転換は比較的重い核に多く起こる
特性X線の発生
(62.46)
励起状態の原子が基底状態に戻るために放出する光子
・K特性X線
:K殻に生じた空位により生じた特性X線
Kα,Kβなどがある
・K特性X線のエネルギー
=K殻結合エネルギー-L殻結合エネルギー
放出確率:Kα>Kβ
エネルギー:Kα<Kβ
・特性X線のエネルギー
K特性X線>L特性X線
(K殻結合エネルギー>L殻結合エネルギー)
・吸収端エネルギー
:各殻における結合エネルギー
・蛍光収率
蛍光収率=「特性X線放出数」÷「軌道空席」
原子番号が大きい(Z≧32くらいから)
→ 蛍光収率が大きい
→ 特性X線の割合が大きい
↓対策ノート「X線の発生」

オージェ電子
(70pm71)
特性X線の代わりに放出される外側軌道電子
・オージェ電子のエネルギー
=特性X線のエネルギー-軌道電子の結合エネルギー
K殻オージェ電子のエネルギー>L殻オージェ電子のエネルギー
*K殻オージェ電子
:K殻に生じた空位によって放出されるL殻以上の電子
コメント
コメント失礼いたします。
内部転換の確率はγ放射の確率よりも低いため、内部転換係数は1以下ではないでしょうか
「内部転換の確率はγ放射の確率よりも低い」とのことですが、これは核種によって変わります
例を挙げるとヨウ素125では内部転換係数は13ぐらいになります
コメント失礼致します。
内部転換の確率はγ放射の確率よりも小さいため、内部転換係数は1以下ではないでしょうか?
「内部転換の確率はγ放射の確率よりも低い」とのことですが、これは核種によって変わります
例を挙げるとヨウ素125では内部転換係数は13ぐらいになります