診療の補助名目で改正を必要とせずに拡大された業務
・造影剤に関して既に確保された静脈路に造影剤を接続,及び造影剤自動注入器を用いた造影剤投与を行うこと
造影剤投与終了後の静脈路の抜針及び,止血をすること
・下部消化管検査,画像誘導放射線治療(IGRT)に関してカテーテル挿入部(肛門)へのカテーテル挿入すること
挿入したカテーテルより,造影剤及び,空気の注入をすること(下部消化管検査)
挿入したカテーテルより,空気の吸引をすること(下部消化管検査)
・胸部検診業務についての改正 (67pm99)
検診において胸部エックス線検査を医師立会がなくても実施できるようになった
ただし,以下の点の遵守が要求される
検診の実施に関し,事前に放射線技師に対して指示をする医師及び,緊急時や非常時に対応する医師などを明示した計画書を作成し,市町村に提出し,この体制を整える
業務や緊急時のマニュアルを整備する
検査に関わる機器及び,設備を整備するとともに,機器の日常点検等の管理体制を整備する
検診に従事する診療放射線技師が必要な教育及び,研修を受ける機会を確保する
・放射線検査について, 撮影部位の確認・検査オーダーの代行入力等
診療放射線技師が, 医師の事前の具体的指示に基づき, 撮影部位を確認して検査オーダーを代行入力すること及び追加撮影が必要となった場合に追加撮影のための検査オーダーを代行入力すること
また, 診療放射線技師が実施した検査画像に異常所見が認められた場合に, 診療放射線技師が, その客観的な情報について医師に報告すること
ただし, 当該所見に基づく病状等の判断は医師が行う必要がある
・血管造影・画像下治療(IVR)における補助行為
下記の行為についても, 清潔区域への立入り方法等について医師・看護師の十分な指導を受けた後は, 診療放射線技師が行うことが可能
カテーテルやガイドワイヤー等を使用できる状態に準備する行為
医師に手渡しする行為, カテーテル及びガイドワイヤー等を保持する行為
医師が体内から抜去したカテーテル及びガイドワイヤー等を清潔トレイ内に安全に格納する行為
・画像誘導放射線治療(IGRT)における画像の一次照合
画像誘導放射線治療において, 診療放射線技師が, 医師の具体的指示の下, 画像
の一次照合を行い, 照合画像から照射位置精度を確認した上で, 放射線の照射を行
うこと
ただし, 照射位置の許容(値)範囲を超えた場合は, 診療放射線技師は速やかに医師に報告し, 照射の継続又は中断についての判断は医師が行う必要がある
診療放射線技師は, 照合結果を記録し管理する必要がある
・医療放射線安全管理責任者
医療放射線安全管理責任者は, 診療用放射線の安全管理に関する十分な知識を有する常勤職員であって, 原則として医師及び歯科医師のいずれかの資格を有している者である必要があるが, 病院等における常勤の医師又は歯科医師が放射線診療における正当化を, また, 常勤の診療放射線技師と協力し放射線診療における最適化を担保し, 当該医師又は歯科医師が当該診療放射線技師に対して適切な指示を行う体制を確保している場合に限り, 当該病院等については診療放射線技師を責任者とすることも可能
診療放射線技師法改正により, 告示研修を受けた上で可能になる業務
(76am89,75pm90,74pm96,72am53pm96,63.94)
・造影剤を使用した検査やRI検査のために静脈路を確保する行為
RI検査医薬品の投与が終了した後に抜針及び止血を行う行為
・RI検査のためにRI検査医薬品を注入するための装置を接続し,当該装置を操作する行為
・動脈路に造影剤注入装置を接続する行為(動脈路確保のためのものを除く),
動脈に造影剤を投与するために造影剤注入装置を操作する行為
・下部消化管検査(CTコロノグラフィ検査を含む)のため,注入した造影剤及び空気を吸引する行為
・上部消化管検査のために挿入した鼻腔カテーテルから造影剤を注入する行為,
当該造影剤の投与が終了後に鼻腔カテーテルを抜去する行為
・医師又は歯科医師が診察した患者について,その医師又は歯科医師の指示を受け,
病院又は診療所以外の場所に出張して行う超音波検査
・RI(その化合物及び放射性同位元素又はその化合物の含有物を含む)を人体内に挿入して行う放射線の人体に対する照射する行為
CT 検査に関する業務拡大の注意点
・現状で診療放射線技師が行うことができない行為を以下に示す
(1)検体(血液)採取
(2)ヨード造影剤以外の薬剤投与(生理食塩水は除く)
(3)造影検査以外を目的とした静脈路の確保
(4)CV ポートへの専用針の穿刺
(5)四肢末梢以外の中心静脈などへの穿刺
・造影剤注入の確実性
造影 CT 検査では造影剤を静脈内に注入するために確実に注入できる静脈路を確保し, 血液の逆流の確認を行う(点滴を使用する場合は滴下の確認を行う)
細い血管への注入はできるだけ避け, 太い神経や動脈が走行している正中の内側や, 橈骨神経浅枝が近い手関節の橈骨側への穿刺や注入も可能な限り避ける
生食シリンジを付けてボーラス投与し, 血管外漏出が無いかを確認することが望ましい
2回穿刺でも確保できない場合は, 原則として他の者に交替する
・注入中・注入後の患者の観察
蕁麻疹・嘔気・嘔吐, アナフィラキシー等の急性副作用症状の有無を注意深く観察し, 患者の訴えを傾聴する
造影剤の投与により短時間のうちにショック状態となることもあるため, 継続的に観察する
異常が見られた場合は, 直ちに注入を中止する
患者観察のポイントを以下に示す
(1)悪心・嘔吐の有無
(2)呼吸状態の変化・咳嗽・くしゃみ
(3)皮膚の発赤・紅潮・発汗
(4)顔色・顔貌の変化
(5)意識状態の変化
血管外漏出早期発見の注意点を以下に示す
(1)カテーテル周囲を触診したとき皮膚温度が低い
(2) カテーテル周囲に腫脹がみられる
(3)シリンジで吸引した際, カテーテルから血液が引けない
(4)血液でなくピンク調のものがわずかに引ける(漏出した薬液と血液の混合液)
(5)刺入部から薬液様のものが漏出している
(6)滴下速度が遅くなる
・注入後の作業と注意事項
血管損傷に注意して抜針する
抜針後に刺入部から出血しないように止血を行うこと
止血後は止血絆創膏を貼付するが, 止血絆創膏による皮膚への影響を説明し, 2 時間程度で除去することを説明する
投与後は水分補充するように説明し, 造影剤の速やかな排出を促すこと
シリンジ製剤は1回の検査のみに使用し残液は破棄すること
また, ビグアナイド系糖尿病薬を使用している患者には使用の一時中止の確認を行う
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