超音波画像診断装置の構成要素
(60.24.26)
「送信回路」「圧電素子」
「TVモニタ」「ビデオプリンタ」
プローブ→増幅器→位相検出器→デジタルコンバータ→モニタ
プローブの構成
(68am9、64.23、62.26)
・プローブ内部の配置
:体表→音響レンズ→第2整合層→第1整合層→振動子→バッキング材
①音響レンズ
:スネルの法則に従いビームを収束させる
生体と音響インピーダンスはほぼ等しく、音速は遅い物質(シリコンなど)を使用する
②音響整合層(マッチング層)
:振動子と生体の音響インピーダンスの差による体表面での反射を少なくし、送受信効率をあげる
③振動子
:電圧と音を相互変換する
0.1~1mmの微細な短冊状
材料はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)
・凹面振動子:集束
④バッキング材
:振動子後方に放射した音響エネルギーを速やかに消散し、振動を吸収することでパルス幅を短くする
電子走査方式のプローブ
(75am23pm6、73pm14、70pm13、69am14、64.24、62.24、65.36.45、60.46)
・電子リニア走査方式
「表在臓器(乳腺組織など)」「末梢血管」の診断
利点:近距離領域の視野が広い
走査線密度の均一な画像が得られる
欠点:肋骨や消化管ガスの影響を受けやすい
・電子コンベックス走査方式
「腹部一般」「産婦人科領域」の診断
利点:深部で視野が広い
圧迫走査がしやすい
肋間走査も可能
欠点:体表の盛り上がっている部分では観察視野が狭い
・電子セクタ走査方式 (71pm14)
「心臓」「腹部一般」「脳(新生児)」の診断
利点:小さな音響窓(肋間)から深部で広い視野を得られる
・電子ラジアル走査方式
「管腔臓器」「前立腺」の診断
利点:360°視野
管腔に挿入して使用
超音波の分解能
(73pm23、72pm6、67pm13、65.25、63.25、62.25、61.43)
・空間分解能
一般的に分解能は①>②である。
①距離分解能
:ビーム方向に並んだ2点の反射エコーの識別可能な最小距離
パルス幅が短い・周波数が高い
→ 高距離分解能
②方位分解能
:ビームと直角方向に並んだ2点の反射エコーの識別可能な最小距離
焦点域で高分解能となる
方位分解能=(1.22×λ)/D
λ:波長
D:振動子の直径
振動子の直径が大きい(ビームが細い)・周波数が高い
→ 高方位分解能
③スライス方向分解能
:音響レンズによる焦点距離、プローブの周波数に依存する
・コントラスト分解能
:組織間の輝度差の分解能
・時間分解能
:フレームレートによる評価
*ダイナミックフォーカス
:方位・距離分解能が上昇する
表示モード
(75am12、72pm18)
・A(Amplitude)モード
:反射エコーの強さをグラフ状に表したもの
横軸に時間(=深さ)、縦軸に反射強度をとる
・M(Motion)モード
:反射エコーの強さの変化を輝度変調し、画面に表示する
Bモードと違いプローブの移動を行わずに行う
動いているもの(心筋、弁など)の変化のパターンを知ることができる
・B(Brightness)モード
:反射エコーの強さの変化を明るさ(輝度)の変化にして表示する
反射エコーが得られた位置(=深さ)にのみ輝点を表示する
Bモード画像の調整
(74am14、72am22、69am13、68pm13、63.25)
①ゲイン
:画像の明るさを全体的に調整する機構
選択的に弱すぎる信号、強すぎる信号をカットする
②ダイナミックレンジ
:画像のコントラストを調整する機構
最近の装置は自動で行う
③STC(Sensitivity time control)
≒ TGC(Time gain control)
深さに応じて減衰相当の補正を行い、同じ明るさで表示されるようにする機構
最近の装置は自動で行ってくれる
コメント
公式から見ると、振動子の直径が小さいほど方位分解能が高いのではないですか
ご質問ありがとうございます
分解能についてですが、分解能1mmと分解能10mmでは分解能1mmの方が高分解能となります
分解能とは検出できる限界を表すので、数字が小さい方が高分解能ということになるのでややこしいですね
なので公式では振動子直径が大きくなると左辺が小さくなるので、より小さなものを識別できるようになる→高分解能となります
Aモードの縦軸と横軸ですが、縦軸に反射強度と書いてある記事もあります。どちらが正しいのでしょうか?
ご指摘ありがとうございます
正しくは縦軸に強度、横軸に時間です
修正致しました
スライス方向の分解能ですが、音響レンズにて超音波ビームを集束することでスライス方向分解能を向上させているのみで、周波数には関係しないと思うのですがいかがでしょうか?
スライス方向分解能はご指摘の通り、主に音響レンズによる集束で分解能を向上させています
しかし、周波数も関係はなく、基本的に超音波検査においてはどの方向の分解能も高周波数=高分解能となると認識しております
スライス方向分解能の場合は音響レンズの焦点による影響が大きいですが………
対策ノートには音響レンズによる影響もあることを追加して記載いたしました