Ⅰ.ヨード系造影剤
・構造
(1)イオン性モノマー
:副作用の頻度が多いため、使用が減少
胆道系、ろう孔の造影に使用
(2)非イオン性モノマー(71am88)
:最も多く使用されている
脳室・脳槽・脊髄腔の造影にも適する
(3)イオン性ダイマー
(4)非イオン性ダイマー
・比較
(74pm92、66.75)
ヨード濃度:高いほどX線吸収率が高い
浸透圧:イオン性>非イオン性
モノマー>ダイマー
粘稠度:ダイマー>モノマー
造影効果:ダイマー>モノマー
★副作用:イオン性>非イオン性
・禁忌
(71am91、70am87、69am88、66.30、62.69)
・絶対禁忌
:「ヨード過敏症」
「重篤な甲状腺機能亢進症」
「重症筋無力症」
・原則禁忌
:「気管支喘息」
「重篤な心・肝・腎疾患をもつ患者」
「急性膵炎」
「マクログロブリン血症」
「多発性骨髄腫」
「褐色細胞腫」
「テタニー病」
*使用前に「eGFR」や「クレアチニン値」、「ヨード過敏症の有無」などを確認する
・副作用
(74pm64、71pm90、64.30、62.78)
発生率に重篤度はほぼ反比例する
・発生率
悪心>熱感>蕁麻疹>痒み>嘔吐>発赤>>血圧低下>顔面浮腫>>>呼吸困難、意識低下
・使用方法
(69am83)
投与前に36℃程度に加熱しておく
*経口に適応があるのはガストログラフィンのみ
↓造影CTについてはこちら

Ⅱ.硫酸バリウム造影剤
・性質
(63.78)
(1)粘度低く、流動性で、付着性が良い
(2)胃壁や腸壁に薄く均一に付着する
(3)胃粘液による影響が少なく、拡散性が良い
(4)胃酸によって凝集しにくい
(5)造影能が良い
(6)気泡ができにくい
(7)飲みやすい
(8)検査後速やかに排泄される
・濃度域・使用量
(75am91、73pm84、70pm89、68pm87)
・上部消化管
:180~250W/V%を150~250mL使用する
(200W/V%:100mL中に200gの硫酸バリウムが含まれる)
・下部消化管
:60~110W/V%
・絶対禁忌
「消化管に穿孔、急性出血、閉塞がある場合」
「全身衰弱の強い患者」
「バリウム過敏症」
Ⅲ.抗コリン薬:消化管造影(食道、経口性小腸を除く)
HSGに用いる(61.77)
・絶対禁忌
:「緑内障」
「心疾患」
「前立腺肥大症」
「麻痺性イレウス」
→ グルカゴン製剤を用いる
Ⅳ.造影剤の血管外漏出の検知
(63.81)
:X線、赤外線、高周波(RF)を使う
コメント
硫酸バリウム造影剤の性質(5)の部分は気泡が出来にくいでしょうか?
よろしくお願い致します
誤字に関してご指摘ありがとうございます
訂正後は「気泡ができる」とさせて頂きました
よろしくお願い致します
硫酸バリウムそのものの特性は確かにノートの通りですが、「造影剤」の性質と書くのは変ではないでしょう。
例として、造影剤には消泡剤等含まれてるので、気泡は普通できにくいはずです。
コメントありがとうございます
ご指摘のとおり、誤った記載でしたので「気泡ができにくい」に訂正させて頂きました
ご確認よろしくお願い致します
「硫酸バリウム」の性質なら前述の記載(気泡ができやすいなど)はOKですが,「造影剤」の性質ではないといった趣旨でコメントしました.現に「造影剤の性質で正しいのはどれか」といった問題で「気泡ができやすい」バツになったものがありました.とにかく修正ありがとうございました.