胸部立位正面撮影
(76pm92、75am86、65.85、61.71)
(1) 撮影ポイント
・撮影方向:PA(後前)方向
(64.73)
目的
:「心臓、鎖骨の拡大率を小さくする」
「肺野の観察領域を広げる」
「前胸部と受像面の密着が良い」
「腕のポジショニングにより肩甲骨を肺野からはずしやすい」
・体位
(64.74、61.72)
肩の力を抜き、両手背部を下げ腰外部にあて、肘を前に出し、肩甲骨を肺野からはずす
基本的に吸気撮影
→ 正確な心胸郭比を描出できる
(気管支異物の場合は呼気撮影が有効)
肺野の観察域を広げる
肺野のコントラストを上げる
・X線中心
(64.74)
第6~7胸椎の高さで、検出器に垂直に入射する
位置合わせは隆椎の位置を確認し、照射野内に入るようにする
(2)撮影条件
(71pm88、64.74、63.76、62.75)
・管電圧:120~140kVの高管電圧撮影が主流
(70am86)
目的
:「各組織の濃度差を少なくして、気管支分岐部、心陰影、縦隔部陰影の観察を容易にする」
「被曝線量の低減のため」
・撮影距離:190cm前後の遠距離
目的
:「被写体が厚いので、拡大率や歪みを小さくして、実大像にするため」
*焦点サイズが2mm以下なら150~200cmで良い。
・撮影時間:20ms以下の短時間撮影
目的
:「心臓の拍動のため」
・グリッド
:高グリッド比のグリッド(10:1~12:1)を使用する
・付加フィルタ
:「アルミニウム」
「銅」
(3)心胸郭比CTR
(65.72、62am32)
最大胸郭横径に対する最大心横径の比
0.5以上で心臓の肥大拡張が疑われる
・撮影方向
:CTRは拡大率の関係よりAP方向>PA方向となる
・撮影距離
:近距離で拡大率が大きくなる
(4)エアーブロンコグラム
(60.70)
気管支内空気充満像(空気透亮像)で肺炎特有の画像所見
(5)シルエットサイン
(60.70)
心臓、大動脈、横隔膜の辺縁の明瞭な境界が消失したサイン
その他胸部撮影
・胸部第一斜位
:ホルツクネヒト腔の観察 (心臓と脊柱の空間)
・胸部第二斜位
:大動脈窓の観察
・胸部側臥位正面
:胸水の観察 (69am85)
腹部仰臥位正面撮影
(66.72、65.86、64.75、62.76)
・撮影範囲
:横隔膜面~恥骨結合上縁、両側(左右)の側腹線条が入る
・撮影条件
:管電圧80kV前後
呼気停止(観察域を広げるため)
・観察対象
:ガス陰影 、脂肪陰影、水陰影、骨陰影、 尿路結石
腹部立位正面撮影
・観察対象
(1) 遊離ガス(フリーエアー)
(66.72、64.76、61.73)
消化管穿孔により消化管内ガスが腹腔内に流出したガス
フリーエアーは立位では横隔膜直下に三日月状の透亮像として描出される
(2) 気体液面像(ニボー)
(67am88、66.72)
鏡面像は液体成分が下方に、気体成分が上方に存在する水平の液面像
イレウスの所見の一つ
腹部正面左側臥位撮影
(74pm84、70pm88、68pm86)
:消化管穿孔によるフリーエアーを空気の少ない右側に集めて観察する
泌尿器系の撮影
・KUB(腎尿管膀胱単純撮影法)
(75am84)
骨盤領域撮影
・骨盤 正面撮影
・体位
:膝関節、足関節は伸展位、やや内旋した中間位
腸骨稜から坐骨下縁までを投影
・中心線
:上腸骨棘と大転子の中点で正中線上に垂直入射
・骨盤 側面撮影
・体位
:クッションを用いて、正中矢状面が受光面に対し平行になるようにする
・中心線
:腸骨稜と大転子の中点に垂直入射
・仙腸関節 正面撮影
・中心線
:大転子より3㎝程上を、尾頭方向から男性は15°女性は20°斜入させる
・仙腸関節 軸位撮影
・体位
:仰臥位から検側を20°挙上した斜位
・骨盤 計測撮影マルチウス法
:メジャーは腿の上に置く
・骨盤 計測撮影グースマン法
(75pm87)
:メジャーは股の間に置く
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