骨シンチグラフィ
(76pm33、75am29、74pm31、71am71pm30、70am34、68am33、63.65、62.68)
・薬剤:「99mTc-MDP」
「99mTc-HMDP」
・集積機序
:薬剤は血流を介して移動し、細胞外液腔を通過して骨結晶の表面に至り、イオン交換によって
ハイドロキシアパタイトのカルシウムへのホスホン酸塩に化学的吸着する
・撮像法(67am34、66.67、61.67、60.52)
前面と後面の二方向を撮像し、必要に応じSpot撮像する
MIP処理を行う
収集ウィンドウ:±7~10%
スキャンスピード:15~20cm/min
コリメータ:低エネルギー高分解能コリメータ
・mergedSPECT
:全身を5分割してSPECTを撮像する方法
・前処置
:血中クリアランスを早めるために静注後水分を摂取させ、検査開始前に排尿させる(被曝の低減にも寄与)
・診断(73pm29、72pm30、65.68、60.66)
びまん性骨転移
:体幹骨に異常に集積する
両腎の集積が低い
溶骨性転移
:反応性変化があると集積するが、無ければしない
骨転移性悪性腫瘍(原発が甲状腺がんと腎細胞がん)
:集積欠損
原発性悪性骨腫瘍
:高集積
(脊索腫と骨髄腫を除く)
原発性良性骨腫瘍
:低集積
(類骨骨腫、繊維性骨異形成を除く)
小児
:長管骨の骨幹端への集積が多い
骨折
:集積増加が見られる
造血臓器系シンチグラフィ検査
センチネルリンパ節シンチグラフィ
(74pm28、73pm32、72am31、71am32pm29、67am32)
・センチネルリンパ節
:腫瘍から放出されたがん細胞が最初に流れ込むリンパ節
・使用核種とその粒子径
リンパ節郭清範囲決定に重要で、粒子径は80~1000nmが適している
術中にガンマプローブを用いてセンチネルリンパ節を同定する手技がある
:「99mTc-アルブミン(2~3nm)」
「99mTc-スズコロイド(400~5000nm)」
「99mTc-フチン酸(200~1000nm)」
・主な対象腫瘍:乳癌、メラノーマ
乳がんでは超音波ガイド下で腫瘍周辺の三か所に皮下注射する
薬剤 | 集積原理 | 特徴 | |
骨髄 (62.67、61.51) |
111In-Chloride(InCl3) 59Fe,52Fe |
トラップ (トランスフェリン) |
造血機能の評価 鉄と似た挙動を示す → 肝に集積 |
99mTc-スズコロイド | 貪食作用 | 網内系機能の評価 適した粒子経ではない |
|
脾臓 | 99mTc-スズコロイド | 貪食作用 | 肝との重なりがある |
障害99mTc赤血球 | 処理作用 | 脾のみの描出 |
腫瘍・炎症シンチグラフィー
201Tlによる腫瘍シンチグラフィ
・薬剤:「201TlCl」
・診断
:「甲状腺がん」「肺がん」「脳腫瘍」「分化がん」
に良く集積するため、良性・悪性の鑑別診断
(主に)悪性リンパ腫シンチグラフィ、炎症シンチグラフィ
・薬剤:「67Ga-citrate(クエン酸ガリウム)」
(75pm29、72am32、71pm31、70pm34、68am34、63.68、61.51、60.57)
・集積機序
トランスフェリンレセプタと結合し、細胞内に取り込まれる
肝細胞ガンや悪性リンパ腫でトランスフェリンレセプタを多く発現していることから機序とされる
正常増で肝、骨に強く集積し、大腸、脾臓、唾液腺、涙腺、乳腺、外陰部にもしばしば集積する
・撮像:(74~111MBq)投与
・前処置
検査前日の下剤投与あるいは浣腸
→ 排泄物と腫瘍の判別が難しいから
・診断
おもに縦隔病変の検出に用いる(不明熱、サルコイドーシス)
甲状腺腫瘍のうち、未分化癌と悪性リンパ腫に高集積で、転移の診断や、治療の効果判定に用いる
甲状腺分化癌や甲状腺腺腫にはほとんど集積しない
扁平上皮化生した乳頭状腺癌、甲状腺膿瘍、甲状腺左葉のリンパ腫に集積する
慢性甲状腺炎に高度の甲状腺集積を認めたら、亜急性甲状腺炎を第一に考える
動態機能解析
・コンパートメントモデル
(75pm26、73pm34)
コンパートメント間を薬剤がどのように移動するかをTAC(時間放射能曲線)からモデル化して、生理学的パラメータを定量解析する方法
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