対策ノート

Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学

MRIの安全管理

安全管理 1、臨床用MRIが人体に及ぼす作用 ○マグネットの力学的作用 ・禁忌 :「人工内耳」  「ペースメーカ」  「強磁性体」   「脳動脈クリップの一部」  「1970年以前の人工心臓弁」 ○高周波による加温 ・RFによって人体に生じた渦電流のジュール熱で、SAR(質量あたりの熱吸収比:W/kg)で評価する  SAR∝(電気伝導度)×(半球)2×(静磁場強度)2×(フリップ角度)2×(RFパルス数)×(スライス枚数) ・SARの低減方法 :「低磁場」  「TRを大きくする」  「ETLを少なくする(高速SEのとき)」 ・QD型送信コイルは,約1/2倍のSAR.SNRは√2倍 ・火傷の危険性 :リード線などの導電金属がループを作ると火傷する場合あり.同様に患者が手や足を組んで電流ループができないようにする  入れ墨,金属を含む湿布なども注意する ○変動磁場による刺激と騒音(末梢神経,心臓) ・傾斜磁場の騒音 :傾斜磁場コイル電流のオンオフによって発生  被検者を不快にし対話困難   可逆性聴力損失  高速撮像のため高い傾...
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MRI造影剤

・陽性造影剤(T1短縮で信号強度を大きくする)   ・陰性造影剤(T2短縮で信号強度を小さくする) 1. Gd-DTPA造影剤(常磁性体) 「経血管注射造影剤」 「陽性造影剤」 「高濃度で陰性造影剤」 ・ガドリニウムは重金属イオンで毒性が高く、体内に投与できないが,キレートを形成し毒性を軽減させたもの ・静脈内投与により正常脳脊髄では血液脳関門を通過できないが,腫瘍などの病変部には入り込む ・ヨード系造影剤に比べて副作用の発現率が少ないが,重篤な合併症を引き起こすこともある ・禁忌 :過敏症をもつ患者 ・原則禁忌 :気管支喘息や重度の肝・腎障害をもつ患者 ・慎重投与 :アレルギー体質の患者 ・新生児 :糸球体濾過や腎臓クリアランスが成人より低いため生物学的半減期が長くなる ・産婦 :投与後授乳を24時間控える  (24時間以内にすべてが尿中に排泄) ・腎機能が低下している患者 :腎性全身性線維症(治療法は未確立)を発症することがある  腎機能評価にクレアチニン値  → 推定糸球体濾過量(eGFR) ・通常の濃度での投与...
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MRIアーチファクト

アーチファクト ○機械トラブルによるアーチファクト 「ゴーストアーチファクト」 「ラインアーチファクト」 「プリアンプ故障」 「傾斜磁場遮断」 「ジッパーアーチファクト」など ○折り返しによるアーチファクト ・被写体がFOVよりも大きい時に発生、FOVより外の組織が位相エンコード方向に折り返してしまう ・対策 :位相エンコード数を増やす  FOV外側への飽和パルス(プリサチュレーションパルス)の印加  FOVを広げる  SENSEアルゴリズム(パラレルイメージング)法、  オーバサンプリング  表面コイルの使用 ○モーションアーチファクト ・原因 :患者の体動(眼球や嚥下運動)、  呼吸運動、血管・脳脊髄液・心臓の拍動、  腸管運動 ・位相エンコード方向に出現 ・対策 :呼吸同期  飽和パルス(プリサチュレーションパルス)の印加  位相エンコード方向を変える  流れ補正用の傾斜磁場を追加する(リフェーズ用の傾斜磁場)  信号加算数を増加する ○ゴーストアーチファクト ・原因 :「脳脊髄液の流れ」「血管」  「心臓...
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各部位のMRI撮影方法

○頭頚部のMRI検査 ・診断 :「脳腫瘍」「血管障害」  「てんかん」「アルツハイマー病」  「多発性硬化症」  「低酸素脳症などの脱髄性疾患」 ・顔面(眼窩・顎関節など)は表面コイル、頸部は頭部専用コイルを使う ・脳腫瘍はT2強調画像で高信号となる ・超急性期脳梗塞は拡散強調で良く描出できる ・下垂体後葉はT1で高信号になる 〇脳での信号強度の違い T1強調像 T2強調像 (X線CT) 信号強度:強 (脂肪) 脳脊髄液(CSF) 灰白質(GM) ↓ 白質(WM) 灰白質(GM) 白質(WM) ↓ 灰白質(GM) 白質(WM) 脳脊髄液(CSF) 信号強度:弱 脳脊髄液(CSF)  (脂肪) 〇脳梗塞の信号強度   超急性期 (直後~6時間後)  急性期 (7時間後~3日) T1強調像 等信号 低信号 T2強調像 等信号 高信号 拡散強調像 高信号 高信号 〇脳出血の信号強度 ...
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MRA

・各手法の比較   利点 欠点 TOF法 ・静磁場への均一性への依存度が低い ・傾斜磁場の直線性への依存度が低い ・画像再構成時間が短い ・PC法よりもS/N比が高い ・T1が短い組織を高信号に描出 ・断面(FOV)に平行な流れは描出困難 ・過流と乱流によって血管内の信号は低下する  特に冠状断ではインフロー効果が得にくい PC法  ・流速と方向の定量化が可能 ・特定の流速を強調できる ・断面(FOV)に平行な流れに鋭敏  ・静磁場の均一性への依存度が高い ・傾斜磁場の直線性への依存度が高い ・患者の動きに影響されやすい ・TOF法より検査時間が長い ・画像化するための煩雑性 ・過流と乱流によって血管内の信号は低下する 造影法 ・撮像時間が短い ・高コントラスト  ・流速や方向の情報が得られない ・造影剤が必要  *閉塞部、狭窄部はより低信号(flow gap)、磁化率効果で低信号 ○タイムオブフライト(TOF:time of flight)法 ・GRE法を用いて...
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MRIシーケンス / 脂肪抑制

〇プロトン密度強調画像 ・靭帯は低(無)信号 ○拡散強調画像(ディフュージョン:DWI)  ・EPI法で撮像 ・組織の水分子のブラウン運動の強さを強い一対の傾斜磁場(MPG:motion proving gradient)を用いることで水分子の拡散の大きさの違いを信号強度として画像化する ・水分子の拡散が低下すると高信号(脳梗塞部位) ・b値 :MPGを印加する強さ  b値が大きければ拡散強調が強くなり、SN比は小さくなる  拡散の大きいもの(水)は信号が小さくなる ・b値の異なる2画像からT2shine throughの影響を除外した見かけの拡散係数画像(ADCmap)が得られる  拡散が低いものはADCmapで低信号となる ・拡散強調画像は細胞性浮腫を呈する発症6時間以内の急性期脳梗塞の診断に使用する  高b値の画像で高信号(白)+ADCマップで低信号(黒)  → 脳梗塞  脳梗塞 + FRAIRで等信号   → 急性期脳梗塞  脳梗塞 + FRAIRで高信号(白)   → 旧性期脳梗塞 ○拡散テンソル画像 ・MPGの方向を変化さ...
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各種パルスシーケンスとそのコントラスト

撮像の原理(パルスシーケンス) 〇スピンエコー法(Spin Echo:SE法)  TR、TEを調整することでT1強調画像、T2強調画像、プロトン密度強調画像などを得る方法  以下に基本的シーケンスを示す 1、90°パルスを加える  :位相を揃える 2、読み取り方向の傾斜磁場、最も大きな位相方向の傾斜磁場を同時に加える 3、180°パルスを加える:点対象で軌跡を移動させる 4、読み取り方向の傾斜磁場を加える 5、TR時間後に90°パルスを加える 6、読み取り方向の傾斜磁場、強さの異なる位相方向の傾斜磁場を同時に加える 7、180°パルスを加える 8、読み取り方向の傾斜磁場を加える *血管は無信号になる(位相分散による) ・マルチエコー法  1つの90°パルスを加えた後、180°パルスを順次複数加えて、複数のエコーを収集する方法 〇反転回復法(Inversion Recovery:IR法)  180°パルスでスピンが反転した状態から、縦磁化の回復に依存した信号強度をSE法で撮影する方法 ・最初にスピンを反転させる180°パルス...
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MRI信号の発生原理と基本的なパラメータ

信号の発生原理 ○磁気モーメント  磁気双極子において,磁極の量と距離の積からなるベクトル  1Hは,全ての核種の中で最も核磁気モーメントが強い  原子・分子の陽子・中性子の数が同じだと磁気モーメントは生じない ○歳差運動と磁化および共鳴励起 ・歳差運動 :自転軸が時間の経過に従いその中心軸が傾き、先端が円を描くようになるような運動  歳差運動の共鳴周波数f=(γ・B0)/2π             ω=γ・B0  γ:磁気回転比    B0:静磁場の強さ:磁束密度、コイルに流れる電流に比例して大きくなる ・MRIで用いられる核腫と共鳴周波数 核腫 1H 13C 19F 23F 31P 共鳴周波数  42.58 10.71 40.10 11.26 17.24 ○緩和時間:T1、T2  絶対的にT1値>T2値となる ・TI緩和 :縦緩和、90°パルスによる励起後の縦磁化は0となり、時間tとともに初期の磁化に回復していく  T1緩和 I=I0×(1-exp(-t/T1))    T1値=...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学

MRI装置の構成とその検査の特徴

MRI装置の構成 1、静磁場磁石 ・永久磁石  常時稼働し、消費電力が小さく、漏洩磁場が少なく、低価格で冷却装置が不要のため維持費が安い  温度変化により磁場強度が変動するため,恒温制御(断熱材や空調設備など)が必要  非常に重い    静磁場0.15~0.3T:水平方向 ・常電導磁石  銅またはアルミニウムのコイルに加える電流を変化させ稼働できるが消費電力が大きく,  コイル発熱や温度特性により冷却設備が必要である  磁場の切断が容易 ・超電導磁石  電気抵抗のない超電導状態で永久電流が得られ、定電流制御を必要とせず電力消費が少ない  未使用時でも磁場は発生している  均一性や磁場の安定性に優れているが,漏洩磁場が多い  起電導状態を保つため液体ヘリウムで低温状態にさせ,強い電流で高磁場を得る  超伝導状態の静磁場コイルの消費電力は0  液体ヘリウムの蒸発は画質に影響を及ぼさない *クライオスタット :真空断熱容器で液体ヘリウムで満たされている。 ・磁石の性能  磁場の空間的均一性の良さ:超電導磁石>永久磁石  漏洩磁場:常電導磁...
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眼底検査

原理・構造 ○散瞳撮影法 :散瞳剤を撮影の15分前に点眼で用いる  散瞳剤は眼科医の施行のもとでのみ使用可能  眼底全域を観察できる  放射線技師は撮影不可  散瞳剤を用いるため、終了後5~6時間は車の運転ができない。 ○無散瞳撮影法 :自然散瞳を用いるため、暗室で検査を行う  眼底の後極部のみ観察可能  操作が簡単で、照射光として赤外線を用いるため患者はまぶしさを感じない  可視光によって撮影するため、連続撮影は不可能  高度の近視ではフォーカス調整を行う  瞳孔が開いた状態で撮影 ・照明  ハロゲンランプを用いて、リングスリットによりドーナツ状となった照明光は、穴あきミラーによって曲げられ、対物レンズを通して眼底に投影される(間接的照明を利用)  瞳孔径が加齢に伴い小さくなるため、照明光も加齢とともに多くする必要がある ・対物レンズから放射された照明光を瞳孔と一致させると水晶体が対物レンズとなり、網膜が被写体となる   対物レンズの強い内部反射は画像に影響するため、反射光を一点に集め黒点で吸収させる対策がなされる ・撮影角度 :4...
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