Ⅷ.放射線生物学

Ⅷ.放射線生物学

物理的・化学的レベルの影響

反応過程の時間的スケールまとめ(68pm65、66.31、65.31、62.33)・物理的過程 10-19~10-13秒照射~電離・励起~・化学的過程 10-12~10-4秒 ~ラジカル生成・反応~・生化学的過程 10-3~10-1秒  ~DNAの損傷~・生物学的過程 100~秒  ~DNAの修復~DNA損傷の種類・直接作用:DNAの構成原子が放射線に電離・励起され、直接DNA損傷を引き起こす作用・間接作用:水分子が放射線に電離・励起され、フリーラジカルが形成され、これによりDNA損傷が引き起こされる作用・OH(ヒドロキシラジカル)が間接作用で主な作用を示す(他には・Hなど)LET(LinearEnergyTransfer)線エネルギー付与(75am69pm68.69、74am69、73pm68、71pm68、70am65.am69、69am68、68pm69、67am64、65.40、62.32.40、61.39、60.31):放射縁が媒体中を通過する際に媒質に与える単位長さあたりのエネルギー 放射線の線質の違いを表す指標として用いられる・低LET放射線:「X・γ線」「β線」「電子線...
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細胞の感受性 / DNAの反応

ベルゴリー・トリボンドーの法則(75am67、72am68、71am66、70pm65、69pm67、68am68、67am65、62.35)・放射性感受性が高い細胞の特徴 分裂活発な(細胞周期の短い)細胞 将来長期にわたり細胞分裂を継続する細胞 未分化な細胞*高感受性の細胞はアポトーシスを起こしやすい幹細胞 (62.37) 分裂して自分と同じ細胞を作る能力と、別の種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖できる細胞 → 高感受性細胞周期による感受性の変化(75pm67、73pm69、71pm66、69pm68、68am52.am65、66.39、64.3、63.39、62.39、61.31)・M期:分裂期・G期:間期・S期:合成期*最高感度はM期の最初*1細胞当たりのDNA量はG2期にかけて増え、M期で半分になる・分裂遅延:分裂を行っている細胞群に対して放射線が当たると最も早期に起こる 照射線量に比例して、G2期が長くなり、10Gyまでは1Gy当たり1時間遅れる・G0期:非常に長いG1期初期とも考えられ、正常細胞にも腫瘍細胞にもある・細胞周期チェックポイント・毛細血管拡張性運動失調...
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細胞の回復と死 / 生存率曲線

細胞の回復・亜致死損傷回復(SLD回復、Elkind回復)(73am68、70am69、69am68、65.38) 1回の照射で死に至らなかった細胞の回復は 低LET放射線で多く、線量率効果がある 高LET放射線はほぼない、線量率効果はほぼない 12時間程度で回復*線量率効果:低線量率の方が回復量は多いという効果・潜在的致死損傷回復(PLD回復) (63.40) 照射後の環境条件によって生存率の上昇が見られる回復 低栄養、低酸素、低pH、接触増殖阻害、定常増殖などの細胞を増殖抑制の起こる環境で発生 反対に通常修復されるPLDが修復されずに致死損傷として固定される場は高・低調液、カフェイン、βアラビノフラノシルアデニン、ヒドロキシウレア、ある種の抗がん剤などがある 1時間以内で回復するものと2~6時間で完了するものがある・逆線量率効果 一部の細胞では特定の線量率(5mGy/min)でGブロックにより致死効果が上がる細胞死・分裂死:増殖死ともいわれ、数回分裂して死に至る 無限の増殖能を失った状態 巨細胞を生じる「芽細胞」「がん細胞」などが行う・間期死:「神経細胞」「末梢リンパ」などが行う・...
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人体レベルの影響

放射線の影響の分類 (69pm66、64.35)影響閾値線量依存性防護目標例発生率重篤度確定的影響有有有防止下記以外確率的影響無有無防護発がんと遺伝的影響(遺伝子突然変異・染色体異常)確定的影響(63.37、62pm94) 発生率は線量に依存する 重症度は線量に依存する 閾値は存在する確率的影響(73pm67、71am69、64.36、63.93) 発生率は線量に依存する 重症度は線量に依存しない 閾値は存在しない・がん(75pm65、67pm68、64.34、61.38、60.36) 原爆被爆者で、発がんの増加が確認されている 白血病はLQモデル 他の固形がんはLモデルに適合・潜伏期:白血病では最小2年、ピークは6~7年 他の固形がんでは最小10年・リスク(74am68、72pm67、71pm65) 白血病は絶対リスク予測モデル(線量に比例) 他の固形がんは相対リスク予測モデル 絶対リスク:単位線量当たりの発生数 →相加予測モデル  年齢にかかわらず影響は一定  相対リスク:被ばく集団発生率÷コントロール集団発生率→相乗予測モデル 高齢で高リスク*過剰リスク:放射線被ばくに関連したあ...
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耐用線量・閾値 / 血球・胎児・腫瘍の被ばく / 被ばくの統計

耐用線量・閾線量(75am68、74pm66、73am41、72am67pm39、71am42、70am43、69am66、67pm41、66.82、64.37、63.84.33、62.84、62.85.62、61.34)耐用線量と閾線量・閾線量:これを超えるとその障害が起こりうる ・耐用線量:TD5/5やTD50/5などが用いられる*TD5/5:5年間で5%に副作用を生ずる線量部位TD5/5 体積判定基準1/32/33/3★骨大腿骨--52Gy壊死下顎骨65Gy60Gy開口障害肋骨50Gy--病的骨折皮膚100cm350Gy毛細血管拡張 70Gy60Gy55Gy壊死、潰瘍頭部脳60Gy50Gy45Gy壊死、潰瘍脳幹60Gy53Gy50Gy壊死、潰瘍★視神経50Gy失明★視交叉50Gy失明★脊髄-10cm:50Gy20cm:47Gy 脊髄炎、壊死馬尾神経60Gy  神経損傷腕神経叢62Gy61Gy60Gy神経損傷★水晶体10Gy白内障網膜45Gy失明頭頚部内耳30Gy急性漿液性耳炎外耳55Gy慢性漿液性耳炎★耳下腺-32Gy口内乾燥症喉頭79Gy70Gy軟骨壊死-45Gy喉頭浮腫胸部★...
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