対策ノート

Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 X線

散乱X線除去用グリッド

散乱X線除去用グリッド ・定義  (69am84)  X線受像面に入射する散乱X線の量を減少させることにより、X線像のコントラストを改善する  受像面の前に置く ・散乱X線の性質  散乱X線含有率は照射野の大きさと被写体の厚さに依存する  高管電圧ほど高グリッドが必要 ・構造  (65.16)   薄い鉛箔とX線吸収の少ない中間物質(アルミ)の薄い板を交互に配置  散乱線除去用グリッドの中間物質はX線吸収の少ないものを使う  → アルミニウム、紙、木、合成樹脂  ・種類 1、直線グリッド :箔を長手方向に平行になるように構成   2、平行グリッド :箔の延長が互いに平行で入射面に垂直  →  集束距離は無限大    集束型よりもカットオフが多い 3、集束グリッド :箔の面の延長が1つの直線に集束 4、クロスグリッド :2枚の直線グリッドをそれらの箔の方向がある角度を持つように一体形成したもの 5、運動グリッド :ブッキーブレンデともいう ※病室撮影ではグリッドに対してX線が斜入する可能性が高いため  低格子比のグリッドがよい ・幾何学的性能 (75pm5、73pm8、72am11、68...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 X線

JIS規格、装置管理

JIS規格 ・JIS Z 4701 X線管焦点皮膚間距離 (73am9、71am13.14、64.28、62.28、60.28) ↓WEB版PDFリンク JIS Z 4701 医用X線装置通則   透視装置 手術中:20cm以上      その他::30cm以上  移動型及び携帯型X線装置:20cm以上  乳房撮影用(拡大撮影に限る)X線装置:20cm  循環器用撮影装置(拡大撮影に限る):30cm  歯科用パノラマ断層撮影装置:15cm以上  口こう外X線受像器をもち皮膚焦点間距離が短い歯科用撮影装置:6cm  公称最高管電圧70kV以上の歯科用X線装置:20cm以上  公称最高管電圧70kV以下の歯科用X線装置:15cm以上  CT装置:15cm以上 ・JIS Z 4702 各試験項目の誤差(許容差) (乳房用X線装置以外)  (70pm14) ↓WEB版PDFリンク JIS Z 4702 医用 X 線高電圧装置通則  管電圧:±10%以内  管電流:±20%以内  撮影時間の正確度:±(10%+1ms)以内  管電流時間積の正確度:±(10%+0.2mAs)以内  X線出力の再現...
Ⅰ.放射化学

放射性壊変 / 核分裂

放射性壊変 放射性壊変と放射能 (73pm71、72am71、66.44、65.43、64.44、63.2) ・放射能A    A = -dN/dt = λ×N ・壊変定数λ  λ = loge2/T = 0.693/T  T:半減期 ・原子数N   N = w/W×6.02×1023  w:放射性物質の質量  W:対象物質の原子量 ・分岐比λ   λ=λ1+λ2+λ3+……  λ1,λ2,λ3:部分半減期  分岐比 → λ1:λ2=T2:T1 ・平均寿命τ  τ=1/λ=1.44×T ・放射線壊変図 (72am3) 放射平衡 (75pm2,64.2) ・放射平衡  娘核種の放射能A2、原子数N2 $$A_{ 2 }=\frac { λ_{ 2 } }{ λ_{ 2 }-λ_{ 1 } } ×A_{ 1 }^{ 0 }×({ e }^{ -λ_{ 1 }t }-{ e }^{ -λ_{ 2 }t })+A_{ 2 }^{ 0 }×{ e }^{ -λ_{ 2 }t }$$ $$N_{ 2 }=\frac { λ_{ 1 } }{ λ_{ 2 }-λ_{ 1 } } ×N_{ 1 }^{...
Ⅰ.放射化学

RIの分離とその保存

共沈法  (74am3、68am3、67am3、66.4、65.6、64.5、63.4) ・同位体担体:必要なRIの安定同位体の担体 ・非同位体担体:不必要なRIの安定同位体の担体 ・スカベンジャー:不必要なRIを沈殿させるための担体 ・保持担体:必要なRIを溶液に留めるための担体 ・捕集剤:必要なRIを沈殿させるための担体 ・溶解度積  共沈法では溶解度積の小さい反応が選ばれる  溶解度積   =「溶解した塩の濃度」×「溶解しなかった塩の濃度」 ・共沈法の実例 溶液中のRI 捕集剤 保持担体 沈殿物 140Laと140Ba Fe3+ Ba2+ 140La 90Yと90Sr Fe3+ Sr2+ 90Y 32Sと32P Fe3+ SO42- 32P *沈殿物は分離後、溶媒抽出することで無担体にできる 溶媒抽出法 (72am4、65.7、64.4、61.4)  分離が(イオン交換等より)早く、トレーサ量からマクロ量まで対応が可能 ・分配比  水相を基準として有機相に何倍多く抽出されるかを表す  分配比D=Co/Cw  Co:有機相のRI濃度   Cw:水相のRI濃度 ・抽出率  RIがどれ...
Ⅰ.放射化学

放射化分析 / 合成法,標識法

放射化分析  (75pm4、73pm34、72pm3、69pm4、68pm4、66.8、61.7) 放射化分析の利点  「検出感度が良い」  「試薬などの汚染がない」  「核反応なので元素の化学的性質に影響されない」  「多元素同時分析ができる」  「非破壊分析ができる」 放射化分析の欠点  「精度が低い」  「副反応による妨害がある」  「自己遮蔽の影響がある」  「原子炉など中性子発生源が必要」 生成放射能の計算  (72pm4、64.8、60.7) ・試料を時間t照射して、直後に得られる放射能A  A = f×σ×N×(1-e-λt)    = f×σ×N×(1-(1/2)t/T)  f:照射粒子束密度(n/cm2・s)  σ:放射化断面積  N:試料の原子数   ・原子数N  N = θm/M × 6.02 × 1023  θ:存在比 m:試料質量 M:試料原子量  また、t<<Tの場合  A = f×σ×N×(0.693×t/T) ・照射終了後、時間d経過後の放射能Ad  Ad = A×e-λd =A×(1/2)d/T ・放射線計測  「Ge(Li)」または「Ge」半導体検出...
Ⅰ.放射化学

RIの化学分析への利用

オートラジオグラフィ  (73am4、70pm4、61.8)  イメージングプレート等を用いてRIの分布を可視化する  基本的な性能としてIP法>写真法  ミクロオートラジオグラフィでは低エネルギーγ線が適する 放射化学分析  試料のRIの放射能,またはその娘核種の放射能によって存在量、存在核種を同定する方法  γ線スペクトルの測定を行う 放射分析  (71pm4)  非放射性の試料に結合するRI試薬を加え、試料の存在量を知る方法  特長として「簡易的」「高精度」「微量成分の分析」がある  放射滴定は放射分析の一種 同位体希釈分析法 ・特徴 「混合物の場合、その成分だけを完全に分離定量しなければならない」 「完全な分離でなく、その一部でも純粋に分離できれば定量可能」 「ラベル付き化合物を作る必要がある」 「RIは目的の化合物以外に移らない必要がある」 ・ラジオイムノアッセイ  抗体抗原反応を利用する 直接希釈法  (62.7)     重量 比放射能 全放射能 添加前 目的の試料 X  0 0 トレーサ(RI) a S0=A/a A 添加後 混合物 X+a S=A/w S(X+a) ・...
Ⅰ.放射化学

主なRIとその特徴

主なRIとその特徴 (74pm1、73am2、69pm1、67pm1、66.1、66.2、65.3、60.1) 核種 壊変 方式 エネルギー(MeV) α・β線 γ線 半減期 その他 3H★ β- 0.02   12年 β線のみ放出/天然RI/ 7Be EC   0.5 53日 中性子線源/天然RI 11C★ β+   0.511 20分 14N(p,α)11C 14C★ β- 0.15   5.7×103年 β線のみ放出/天然RI 13N★ β+   0.511 10分 16O(p,α)13N 15O★ β+   0.511 2分 14N(d,n)15O 18F★ β+   0.511 110分 20Ne(d,α)18F 18O(p,n)18F 32P★ β- 1.7   14日 β線のみ放出 40K★ β- 1.3   1.2×109年 天然RI/12億年 55Fe EC   X線 3年 特性X線のみ放出/硫黄分析器 /蛍光X線分析装置 60Co β- 0.3 1 5年 密度計 63Ni β- 0.06   100年 β線のみ放出/ガスクロ 67Ga EC   0.09 3日   ...
Ⅰ.放射化学

壊変系列と元素表

ウラン系列 (63.43、62.44) アクチニウム系列 トリウム系列 元素表 (75am1、74am1、71am1、64.1、63.1) ・族:縦方向の集まりで、以下にあげる者はその元素の特性が似ている 1族(Hを除く):アルカリ金属 2族:アルカリ土類金属 17族:ハロゲン 18族:希ガス
XⅢ.画像工学

入出力特性(コントラスト)

入出力特性(コントラスト) ・コントラスト  =フィルムコントラスト×被写体コントラスト ・フィルムコントラスト :ガンマであり、特性曲線に依存する ・被写体コントラスト :logE1-logE2  「管電圧」「被写体厚」「減弱係数」「照射野」に左右される ・コントラスト分解能 :デジタル系>増感紙フィルム系 特性曲線 (72am95pm46、63.88) ・ディスプレイの特性曲線  縦軸:輝度 (単位:Cd/mm2)  横軸:画素値 ・オーバーオール特性曲線    縦軸:最終出力値(ディスプレイでは輝度)   横軸:相対X線強度の常用対数 ・検出器自体の特性曲線  縦軸:X線量    横軸:発光量または電圧など 得られる情報  (69am47、64.92、63.95、60.93) 1、最低濃度(Dmin:かぶり濃度+ベース濃度) 2、フィルムコントラスト(ガンマ)    3、寛容度(ラチチュード)  ≒ ダイナミックレンジ 4、最高濃度(Dmax)平均        5、階調度(グラディエントG) 6、相対感度   *相対感度は二つの特性曲線より求める *コントラスト、ガンマ、階調度...
XⅢ.画像工学

解像特性(鮮鋭度)

解像特性(鮮鋭度) 影響因子 「焦点サイズ」:小さいほうが良い         「被写体フィルム距離」:短いほうが良い 「X線入射角度」:小さいほうが良い        「焦点フィルム距離」:長いほうが良い 「感度」:高感度増感紙では悪い 「被写体コントラスト」:高いほうが良い *空間分解能 増感紙フィルム系>デジタル系 MTFによる評価  (75pm94、74am48)  MTF(Modulation Transfer function)とは点または線像強度分布をフーリエ変換の関係を用いて空間周波数領域に変換した関数で、ボケの度合いを表すことが出来る  「線形性」と「位置不変性」を満たしていることが条件となる  デジタル系では「位置不変性」が成り立たない  鮮鋭度の評価には2cycle/mmを良く用いる ・MTFへの影響因子  「散乱X線」  「サンプリング間隔 → エリアシング」 ・エリアシングの影響を含まないMTF  「プリサンプリングMTF」  「アパーチャMTF」  「X線検出器のMTF」  「ディスプレイMTF」  「画像処理フィルタのMTF」 構成要素とそれぞれのMTF ...
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