対策ノート

Ⅻ.X線撮影技術学

上部消化管造影検査

胃の造影検査(上部消化管造影)  (64.80、62.79、60.76)  ・蠕動運動と胃液分泌の抑制のため鎮痙攣剤(抗コリン薬:副交感神経遮断のため)を筋肉注射する  胃泡には消泡剤を使用する ・体位変換の目的 :「胃粘液の除去」  「造影剤付着の向上」  「造影剤を広く薄く広げる」 ・撮影後処置 :「水分を多量に取らせる」 ・胃の解剖学的構造 *ポイント  上部が背側方向、下部が腹側方向に傾いている  胃角部で下端となる ・二重造影法 (70pm89)  発泡剤(陰性造影剤)により胃壁を進展させ、胃小区を描出する方法 背臥位正面(73am83) :胃角部を中心として、幽門部~前庭部の後壁(造影剤は穹窿部) 背臥位第1斜位 :胃体中・下部,胃角部,前庭部, 十二指腸球部 (造影剤は穹窿部) 背臥位第2斜位 :胃体部,小湾,大湾を観察(造影剤は穹窿部,前庭部に振り分け)   (60.77) 半立位第二斜位 (Schatzki位) (74pm93,69pm89) :噴門部・穹窿部の観察 (69pm89) 腹臥位正面 (65.81) :前庭部・胃角部の前壁   (65.81) 左半立位像 ...
Ⅻ.X線撮影技術学

造影検査とIVR

注腸造影 (74am64、70pm89、68am87、67pm87、62.31) :逆行的に造影剤を投与し、二重造影法が主流で、充満法、粘膜法、圧迫法も行われる  Brown法が主流で、Fischer法、Welin法なども行われる  Brown法では前日に低脂肪、低繊維食をとる  多量の水分を摂取する ・前投薬 :抗コリン薬 *Apple core sign  :大腸進行がんの代表的な悪性所見 (67pm93:Apple core sign) 消化管領域のIVR ・拡張術 (66.77)  胆管拡張術:ステントなどを用いる、胆がんなどが適応  ・ステント留置 ・イレウスチューブの挿入 ・内視鏡的結石除去術  (63.79)  バスケットカテーテルを使用  :結石等を挟み込んで体外に排出する道具 胆道・膵臓造影検査 (73am84、72am85pm90) ・PTC(Percutaneous transhepatic cholangiography) :経皮経肝胆道造影  PTCD(D:drainage)   :経皮経肝胆道ドレナージ ・ERCP(Endoscopic retrograde...
Ⅻ.X線撮影技術学

放射線技師としての・・・問題

(74am86、72am53.89pm85、71am83.92、71am25、70am25.pm84、69am25.83.pm84、68am83、67am83、66.68.am49、65am65pm68、64pm68.am49.69、63am49、62.68、61.68) 検査の流れ ・患者確認 :検査前に、自ら名乗ってもらう   名乗れない場合は患者タグやネームバンドで確認をする ・検査説明 :介護者にも説明  CTでは該当部位の金属、X線撮影時には+プラスチックなどを外す  MRでは禁忌チェックを行う ・検査実施 :医師の指示に基づいて撮影を行う  ポジショニングは体表ポイントを参考にする  病室でのポータブルは対象以外の人は可能な限り移動させる  外傷部位を触らずにポジショニング、頸椎損傷ネックカラーは外さずに検査  検査中に急変があった場合は医師の指示を受ける  移動の介助等も行う  放射線技師による穿刺、造影剤などの薬剤投与、ゾンデの使用は禁止 →診療放射線技師法の改正に関してはこちら  過去問とは業務範囲など、現在とは違っているところがあるので注意 感染・清潔操作  検査前...
Ⅺ.放射線計測学

放射線基本量の単位 / 検出効率

放射線基本量の単位 (75am81、74am81、73am78.80、72am81、71am79、70am78.pm79、69am78.pm79、68am78、67am78.pm44、66.60.65、65.58.59.64、64.58.59、63.59.60.65、61.41、62.58.60、61.58.59、60.58.59) 名称 単位 定義 ★フルエンス m-2 単位断面積当たりの球内に入射する粒子数 ★フルエンス率 m-2・s-1 単位時間当たりのフルエンスの増加分 ★エネルギー フルエンス率 J・m-2・s-1 単位時間当たりのある断面積の球内に入射した放射エネルギー ★断面積 m2 入射した荷電粒子あるいは非荷電粒子によって 生じた特定の相互作用に対するターゲット物質そのものの断面積 =(1個のターゲット物質との相互作用を起こす確率)÷(フルエンス) 線減弱係数 m-1   ★質量減弱係数 m2・kg-1 非荷電粒子がある密度の物質中のある距離を通過する間、 作用を起こす割合 ★質量エネルギー 転移係数 m2・kg-1 非荷電粒子が、ある密度の物質中のある距離を通過する...
Ⅺ.放射線計測学

気体の電離を利用する検出器

印加電圧と収集電荷の関係  (75pm80、72am78、66.66、60.62) ①再結合領域    ②電離領域   エネルギー測定可能 ③比例領域   エネルギー測定可能 ④境界領域     ⑤GM領域   エネルギー測定不可 ⑥連続放電領域 エネルギー測定不可 電離箱 ・自由空気電離箱  光子の照射線量の絶対線量の測定 ・空洞電離箱  (69pm80、62.64)  光子またはβ線(グリッド付きでα線も)の吸収(照射)線量の測定  印加電圧:電離領域   → 高線量かつエネルギーの測定ができる     感度は低い ・校正,補正  (73pm79、68pm82、65.62、64.61.63、61.61)  1,校正定数  2,大気補正係数kTP     kTP=(273+T)/(273+T0)×P0/P    気圧が大、気温が低で電離が多くなる  3,極性効果    円筒型 < 平行平板型   4,イオン再結合    初期再結合はLETに依存する   一般再結合は線量率、印加電圧、電極間隔、電極サイズ、スペクトルに影響される ↓より詳細はこちらのページで 「対策ノート:標準計測法1...
Ⅺ.放射線計測学

シンチレータ / 半導体検出器

発光を利用した検出器  (68am79) 無機シンチレータ ・検出原理 1,価電子帯の電子にエネルギーが付与される 2,電子は伝導帯へ移動し、電子正孔対を作る 3,正孔が活性化物質を電離する 4,伝導帯の電子が電離された活性化物質に行く 5,活性化物質は励起状態に上がる 6,基底状態に遷移する際に可視光を放出する *純粋な結晶では禁止帯が大きいため、少量の不純物を添加する 種類 密度 (g/cm3) 最大波長 (nm) 減衰定数 (ns) 相対効率 (%) 用途および特徴 ★NaI(Tl) 3.6 410 230 100 γ線、潮解性、高エネルギー分解能 CsI(Tl) 4.5 540 680 45 α線、γ線 CsI(Na) 4.5 420 640 80 α線、γ線、吸湿性 6LiI(Eu) 4.1 470 1400 35 γ線、中性子 BGO 7.1 480 300 10 γ線、高検出効率、加工が容易 CdWO4 7.9 470 1100 17~20 γ線 ZnS(Ag) 4.1 450 200 130 α線、中性子 有機シンチレータ 種類 密度 (g/cm3) 最大波長 (nm)...
Ⅺ.放射線計測学

中性子 / α線の検出器 / 個人線量計

中性子の検出器 ・熱中性子の検出 (1)核反応を利用したもの       (2)核分裂を利用したもの   (3)放射化を利用したもの         ・高速中性子の検出 (1) 反跳陽子を利用したもの 1H(n,n`)        (2) 放射化を利用したもの     (3) 半導体を利用したもの   (4) 核分裂を利用したもの   ・減速型線量当量計(レムカウンタ)    (68pm80、67am79)  熱中性子検出器をポリエチレン製減速材で覆ったもので、線量当量値が直読みできる       ・ホニャックボタン α線の検出器  (65.65)    放射能測定 エネルギー測定 ★シリコン表面障壁型半導体検出器 (SSBD) 可能 可能 ★4πガスフロー比例計数管 可能   ZnS(Ag) CsI(Tl) 無機シンチレータ 可能 可能 液体シンチレータ 可能 可能 ★グリッド付電離箱  ?  可能 ?  可能 固体飛程検出器 可能 ?  ★イメージングプレート × ?  フィルムバッチ × ?  個人線量計 (74am79、73pm82、72am96pm79pm98、71am82...
Ⅺ.放射線計測学

その他検出器 / γ線スペクトル / 計数値の統計

その他検出器 化学線量計  (69am79) ・鉄線量計(フリッケ線量計)  (69pm80、67pm80、63.64)  酸化反応 を利用する  空気か酸素を飽和させて使用する  G値:15.5 ・セリウム線量計  還元反応 を利用する  G値:2.4 *G値 :溶液が100eVのエネルギーを吸収したときの原子の変化数  イオン濃度と線量率には影響されず、LETには依存する 熱量計(カロリーメータ)   (69pm82、68am80、62.59)  放射線による温度上昇によって放射能を測定する ・水の比熱:4.2 (J/g・K)  1℃=1K-273.15   飛程検出器 ・霧箱 (68am80、63.61)  過飽和状態のアルコール気体中に荷電粒子が走行し、その飛程に沿って電離が起こり、このイオンを核として、霧が生じ、その飛程を光で照らして観察を行う ・原子核乾板 (63.61、61.64)  ガラスに厚さ500μm程度にハロゲン化銀を湿布したもので、現像すると荷電粒子の飛程に沿って黒化像として記録される ・固体飛程検出器(CR-39)  絶縁性固体で飛程に沿って生じたエッチピット...
Ⅷ.放射線生物学

物理的・化学的レベルの影響

反応過程の時間的スケールまとめ (68pm65、66.31、65.31、62.33) ・物理的過程  10-19~10-13秒 照射~電離・励起~ ・化学的過程  10-12~10-4秒  ~ラジカル生成・反応~ ・生化学的過程  10-3~10-1秒   ~DNAの損傷~ ・生物学的過程  100~秒   ~DNAの修復~ DNA損傷の種類 ・直接作用 :DNAの構成原子が放射線に電離・励起され、直接DNA損傷を引き起こす作用 ・間接作用 :水分子が放射線に電離・励起され、フリーラジカルが形成され、これによりDNA損傷が引き起こされる作用 ・OH(ヒドロキシラジカル)が間接作用で主な作用を示す(他には・Hなど) LET(Linear Energy Transfer)線エネルギー付与 (75am69pm68.69、74am69、73pm68、71pm68、70am65.am69、69am68、68pm69、67am64、65.40、62.32.40、61.39、60.31) :放射縁が媒体中を通過する際に媒質に与える単位長さあたりのエネルギー  放射線の線質の違いを表す指標として用いら...
Ⅷ.放射線生物学

細胞の感受性 / DNAの反応

ベルゴリー・トリボンドーの法則 (75am67、72am68、71am66、70pm65、69pm67、68am68、67am65、62.35) ・放射性感受性が高い細胞の特徴  分裂活発な(細胞周期の短い)細胞  将来長期にわたり細胞分裂を継続する細胞  未分化な細胞 *高感受性の細胞はアポトーシスを起こしやすい 幹細胞  (62.37)  分裂して自分と同じ細胞を作る能力と、別の種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖できる細胞  → 高感受性 細胞周期による感受性の変化 (75pm67、73pm69、71pm66、69pm68、68am52.am65、66.39、64.3、63.39、62.39、61.31) ・M期:分裂期 ・G期:間期 ・S期:合成期 *最高感度はM期の最初 *1細胞当たりのDNA量はG2期にかけて増え、M期で半分になる ・分裂遅延 :分裂を行っている細胞群に対して放射線が当たると最も早期に起こる  照射線量に比例して、G2期が長くなり、10Gyまでは1Gy当たり1時間遅れる ・G0期 :非常に長いG1期初期とも考えられ、正常細胞にも腫瘍細胞にもある ・細...
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