共沈法
(76am2、74am3、68am3、67am3、66.4、65.6、64.5、63.4)
・同位体担体:必要なRIの安定同位体の担体
・非同位体担体:不必要なRIの安定同位体の担体
・スカベンジャー:不必要なRIを沈殿させるための担体
・保持担体:必要なRIを溶液に留めるための担体
・捕集剤:必要なRIを沈殿させるための担体
・溶解度積
共沈法では溶解度積の小さい反応が選ばれる
溶解度積
=「溶解した塩の濃度」×「溶解しなかった塩の濃度」
・共沈法の実例
溶液中のRI | 捕集剤 | 保持担体 | 沈殿物 |
140Laと140Ba | Fe3+ | Ba2+ | 140La |
90Yと90Sr | Fe3+ | Sr2+ | 90Y |
32Sと32P | Fe3+ | SO42- | 32P |
*沈殿物は分離後、溶媒抽出することで無担体にできる
溶媒抽出法
(76pm2、72am4、65.7、64.4、61.4)
分離が(イオン交換等より)早く、トレーサ量からマクロ量まで対応が可能
・分配比
水相を基準として有機相に何倍多く抽出されるかを表す
分配比D=Co/Cw
Co:有機相のRI濃度 Cw:水相のRI濃度
・抽出率
RIがどれほど有機相に抽出されたかを表す
抽出率E=D/(D+Vw/Vo)
Vw:水相の容量 Vo:有機相の容量
*分離の速さ
:溶媒抽出法>イオン交換分離法
電気化学的分離法
(65.7、61.4)
酸化還元反応、イオン化傾向などを利用する方法
・電気泳動法 (66.6、64.7、62.5)
電荷を持った高分子の分離に使用される
緩衝液に浸かったろ紙やゲルに試料を乗せ、
両端に電場を与えることで電荷の違いにより、
移動速度が異なることを利用する
Rf値により分子量を求める
*酸化還元の定義
酸素 | 水素 | 電子 | |
酸化 | 得る | 失う | 失う |
還元 | 失う | 得る | 得る |
イオン交換樹脂による分離法
(69am2、62.4)
・分配係数
分配係数=交換樹脂中の濃度÷溶液の濃度
・特徴
「分離係数が高い」
「価数の多い方がより結合する」
「分離に時間がかかる」
・陽イオン交換樹脂 (66.4)
スルホン酸基やカルボン酸基がある
核分裂生成物の分離に用いる
ラジオコロイド(吸着法)
(72pm1、69pm3)
直径10-5~10-7cm程度の粒子で、イオンなどとは異なる挙動を示す
中性~アルカリ性で生成される
昇華・蒸留法
(70pm2、67am4)
気化しやすい元素・化合物の揮発性昇華性をもとに分離・生成を行う
同位体効果
(63.7、62.8)
同位体の僅かな質量差によって原子の化学的、物理的な性質が変化すること
原子番号の小さな元素において(6Cまで)みられる
分離後の純度について
(71pm1、65.8、63.4)
・収率
目的の物質を得るためのプロセスにおいて、
理論上得ることが可能な最大量に対する実際に得られた量の比率
・比放射能(Bq/kg)
=「放射能(Bq)」÷「放射性物質の重量(kg)」
・放射化学的純度(標識率) (66.51)
=「目的標識化合物の放射能」÷「全体の放射能」×100[%]
・放射性核種純度 (76pm2、70pm3)
=「目的RIの放射能」÷「全体の放射能」×100[%]
*γ線スペクトロメトリ等で測定
・純度検定
化学的純度+放射化学的純度
放射化学的純度の検定方法
(76am3、75am3、72am1.pm2、71am4、69am2、68pm3、66.5、63.5、60.6)
・クロマトグラフィ
ろ紙クロマトグラフィ
固定相:ろ紙(繊維上に保持された水分)
移動相:展開液
薄層クロマトグラフィ
固定相:シリカゲルやアルミナなどの吸着材をガラスやアルミ板の表面に薄く塗ったもの
移動相:展開液
*Rf値に関してはこちら↓

ガスクロマトグラフィ
固定相:シリカゲルやモレキュラーシーブなどの吸着剤や、粘性の高い液体をコーティングしたものを詰めたカラム
移動相:キャリアガス
イオン交換クロマトグラフィ
固定相:交換基のついた有機高分子樹脂を詰めたカラム
移動相:展開液
電気泳動法
固定相:ろ紙やゲル(寒天、アクリルアミド)
移動相:なし
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)
固定相:用途によってさまざまな物質を詰めたカラム
移動相:展開液
・逆希釈分析法
RIの保管方法の注意点
(75am4、71pm3、67pm4、62.6)
・自己分解低減のために
「比放射能を低くする」
「放射能濃度を低くする」
「少量ずつに分ける」
「ラジカルスカベンジャーを加える」
「分解のしやすさ:α線>β線>γ線」
・有機物として
「純粋状態での保存」
「低温での保存」
「3Hでは凍結すると分解が早くなるため、4℃または-80℃の超低温で保存」
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