X線発生装置
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X線源装置
短時間・長時間許容負荷
(76am5、70am5、68pm5、67am5、65.9、62.10)
・短時間許容負荷
一般撮影のような大管電流が流れる場合
→ 実焦点面の温度上昇によって制限
短時間許容負荷増大の条件
1,実焦点面積を大きくする
(固定陽極では面積に比例、回転陽極では長さに比例し幅の1/2乗に比例)
2,ターゲット角度を小さくする
(実効焦点サイズが同じ場合)
→ 実焦点面積が増大
3,管電圧脈動率(リプル百分率)を小さくする
→ 焦点面温度の均一化
4,陽極の回転速度を大きくする
(回転陽極の場合)
5,焦点軌道直径を大きくする
(回転陽極の場合)
→ おのおのの実焦点位置での熱電子衝突時間の短縮
・一秒以下の短時間許容負荷W(オスターカンプの式)
$$W∝\frac { l }{ sinθ } \sqrt { b×DN } ∝\sqrt { DN } \\ $$
θ:ターゲット角度(l/sinθは実焦点の長さ)
l:実効焦点の長さ
b:実効焦点の幅(実焦点の幅と同じ)
D:焦点軌道直径
N:陽極回転速度
(電源周波数に比例
普通回転形:約3000回転/分
三倍高速回転形:約9700回転/分)

・長時間許容負荷
(66.9)
透視のような小管電流が長時間流れる場合
陽極全体の温度上昇によって制限されるため、最大冷却率によって決まる
・負荷曲線(陽極加熱曲線)
負荷時間とHUの関係、短時間許容負荷は負荷時間とは関係ない
・X線管装置最大連続入力
連続的な負荷の限界値、最大熱容量と最大冷却率で決まる
・混合負荷
(スポット撮影や連続撮影など)
・高電圧整流素子
:シリコン
(内部抵抗が小さい・小型・軽量・長寿命・機械的強度が高い)
・空間電荷補償回路
:管電圧が変化しても管電流が一定になるように補償する
照射野限定器(X線可動絞り)
・X線照射野を調整する制限器 (68pm6、64.11)
①照射野の平均照度
:SID1mでSID100lx以上
ただし、160lx以上が望まれる
②固有濾過
:アルミニウム当量の最小の公称値を可動絞りに表示
③X線照射野と光照射野の境界のずれ
:SIDの2%未満であること
④可動絞りの漏れ線量
:規定の負荷条件において
1h当たりの積算値が100cmの距離で空気カーマ1.0mGyを超えない
⑤最大X線照射野
:SID65cmのとき35cm×35cmを超えない
⑥最小X線照射野
:SID100cmのとき5cm×5cm以下
⑦上羽根:X線照射野の制限
下羽根:散乱線・漏れ線量の低減
奥羽根:焦点外X線の低減
⑧付加フィルタ
総ろ過(2.5mmAl以上)調整用の着脱式フィルタ(Al、Cu)
⑨外装漏れ電流
:0.1mA以下
*漏れ線量
:放射口を除くX線管装置およびX線管容器を透過する空気カーマ
X線用高電圧ケーブル
・X線用高電圧ケーブルの静電容量(62.9)
:250pF/m
ケーブルが長いほど静電容量は増加する
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