X線特殊撮影装置:乳房撮影用 / 集団検診用 / 歯科用 / 可搬形 / 断層撮影

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乳房撮影用X線管 

(75am83pm91、74pm10、71am14、70am6.am72、67am9、67pm8、66.18、65.10、64.18、62.15.pm70、61.14、60.15)
1、軟部組織の撮影のために必要な軟X線を発生させる低管電圧用X線管(30kV)を用いる

2、X線放射口(窓)
:発生X線を低減するためにベリリウムを使用

3、ターゲット(焦点部分)
:主にMoを用いる
 特性X線を利用のためMoフィルタと組み合わせる

4、付加フィルタ
:乳房の大きさ乳腺の状態に合わせて以下のような組み合わせを用いる

ターゲットMoRhW
Kα[keV]17.420.259
Kβ[keV]19.6 22.767
K吸収端[keV]20.023.2  

*W:最近利用され始めた

・付加フィルタの組み合わせ
Rh陽極+Rhフィルタ」「W陽極+Rhフィルタ」
Mo陽極+Moフィルタ」「Mo陽極+Rhフィルタ」

 *乳腺含有率の高い場合、乳房圧の厚い場合:Rhフィルタを使用する

5、電極間距離
:管電圧が低いため以下のことが起こる
 エミッション特性が悪く、小焦点を実現するため、電極間距離は一般撮影より短い(約10mm以下)
 片側接地でも用いることができ、陽極接地することにより焦点外X線減少し、陽極の冷却効果が得やすい

6、焦点寸法
:密着撮影で0.3mm
  拡大撮影で0.1mm

7、ヒール効果の影響
:被写体厚の薄い乳頭側に陽極(低線量)側を、胸壁側に陰極を配置する

8、圧迫板はX線吸収の少ないものを使う

9、自動露出制御(AEC)が行われ、AEC検出器はカセッテ後面に配置される

10、陽極回転速度
:普通回転形3000回転/min
 高速回転形9700回転/min

11、密着撮影では移動(運動)グリッドを用いる

12、乳房画像評価には専用のファントムがある

13、画素サイズは50~100μm程度

拡大撮影

・特徴 
 被写体-フィルム間距離を離すことで像を2~ 6倍に拡大する
 拡大率:大で半影:大
 → 微小焦点X線管を使用
   (裸眼でボケを感じる半影の大きさは0.2~0.3mm)
 
 被写体の微細構造が観察しやすく、胸部(肺野の気管支,肺胞)や乳房、四肢の観察に用いられる

・マンモグラフィ拡大撮影(拡大率1.5~2.0倍) 
(62.77)
 通常よりも微細石灰化の検出能力が向上
 小焦点(0.1mm程度)の使用により管電流が小さくなり撮影時間が長くなる
  → 被曝線量増加
 グレーテル効果があるため、グリッドは使用しない


↓マンモグラフィの撮影法についてはこちら

「対策ノート:マンモグラフィ」

マンモグラフィ / 骨塩定量検査 / Ai
マンモグラフィ・MLO撮影 (72am92、70pm87、68am86、63.75、61.75、60.71) 乳がん好発部位である外側・上部が写しこみやすく、一枚で乳腺全体を描出しやすい 乳頭が完全な側面像で描出される・体位:立位あるいは座位、カセッテホルダは外側に向ける・撮影方法:水平に対して60~70°程度(大胸筋の走行にあわせて)撮影台の角度を決定する カセッテ面に対して直角に照射 大胸筋は乳頭の高さまで描出する、胸筋が入りすぎると圧迫不足になりやすい・撮影距離:65cmと短い・圧迫:通常100~120N程度の圧迫を正中側から行う  以下に主な理由を挙げる①乳房厚が均一になり、乳腺全域が適切な画像濃度となる②散乱線が減少してコントラスト及び分解能が向上する③乳腺構造組織が分離され、組織間コントラストが向上する④低いX線エネルギーの使用によりコントラストが向上する⑤乳房が固定され、動きによるボケの防止⑥被曝が減少する⑦被写体―受像器間距離が短くなり、幾何学的ボケが小さくなる・AEC:カセッテ後面の位置とする・ブラインドエリア:「内側上部」「下部」・MLO画像 (71pm85、69a...

 

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集団検診用X線装置

・胃集検用X線装置
 I.I.出力像をI.I.スポットカメラでロールフィルムに撮影
 直接撮影に比べて被曝線量は少ないが,解像力は劣る

・胸部集検用X線装置 
(67am9)
 蛍光板上に被写体の蛍光像を得る
 ミラーカメラ(ミラーレンズ)を用いて間接撮影用フィルム面上に縮写
 胸部間接撮影装置には硫化物系蛍光板(Zn、Cd)S:Agが用いられる
 希土類蛍光板Gd2O2S:Tbの使用により被ばく線量低減および画質が向上
 
※ミラーカメラ
:被写体を透過したX線強度分布を蛍光板で可視像とし、これを集光レンズで凹面鏡で縮小した像をロールフィルムに記録するもの

歯科用X線装置 

(70pm9、65.17、64am17.pm79)
 容積や重量の制約により、固定式の絞り焦点-皮膚間距離を保つためのスペーサーコーン照射筒がある

①デンタル装置 
:X線管と高電圧変圧器を一体化したモノタンク構造で、最近はインバータ式装置が普及している
 その直径は6cm以下

*二等分法
:歯の撮影方法で、フィルムを口内に固定する


②パノラマX線撮影装置(パントモグラフィ) 
(73am87、71am13、67am9、66.17)
:全歯牙を2次スリットを用いた1枚の断層撮影で撮影する装置
 FPD(蛍光体+CCD)やCR(15×30cm)、
 小型インバータ式(~90kV、~10mA、~12sec)が用いられる

・パナグラフィ
:口腔内に体腔用X線管を挿入し,上顎・下顎の外周にフィルムを設置する

・オルソバントモグラフィ
:X線をスリット状に放射しながらX線管とフィルムを回転
 全顎撮影や全歯牙撮影に用いられる


③セファロX線撮影装置

歯科矯正に用いる頭部X線規格撮影装置(1.1倍拡大)
 長期間の経過観察のために再現性が重要

・規格
:X線管焦点- セファロスタット中心間距離:150cm  
 セファロスタット中心- フィルム間距離:15cm


④歯科用コーンビームCT

(74am10)
 パノラマ装置をベースとしたアーム型が主流
 歯や骨の撮影に最適化され、分解能が高い
・カセッテ部にFPD(orI.I.+CCD)を使用する
ノンヘリカルである
・被検者体位は座位立位
・FOVは可変
幾何学的歪みが問題となる

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可搬形X線装置

 (70am10、66.19、62.16)

・移動形 
1、院内回診(病室撮影)用撮影装置
コンデンサ式、インバータ

2、外科用X線装置(手術室で使用)
: 使用電力:10~15kW
 透視・撮影機能をもつ手術室用CアームX線TV装置、術中DSAを行える装置がある


・携帯形

 携帯可能な一体形X線撮影装置。病室、在宅撮影などに使用
 装置形式:自己整流方式インバータ式
 使用電力:kW
   
電池エネルギー蓄電型が多い
 FPDを搭載した装置がある

断層撮影装置

1、 線軌道断面装置
 直線または単一円弧軌道、主に胸部撮影で用い、撮影時間は短い

2、 多軌道断面装置
 直線・円・楕円・ハイポサイクロイド・渦巻き(スパイラル)などの軌道がある
 骨部・聴器・縦隔撮影で用い、撮影時間は長いが障害陰影が少ない

3、 同時多層断層撮影
 1回の撮影で複数枚の断層像を撮影する。多層断層用増感紙の各層の感度が異なる
 多層カセッテ(感度補償した数組の増感紙で構成)を使用する

4、 トモシンセシス
(74pm9、73pm9、72am84)
 FPDによる1回の多方向撮影での複数枚の断層像の取得方法
 画像演算方法にシフト加算法とバックプロジェクション法がある
 空間分解能はCTより高く、被ばく線量はCTより低い、撮影時間はCTより長い

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対策ノートの使い方

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*赤シートはこちらの商品ような下敷きタイプの大きいものがお勧め

・★マーク:特に重要な箇所


・出題年数の見方
 例:(71pm72、67pm13.pm75、66.26)とある場合
 71pm72 → 第71回の午後72問
 67pm13pm75 → 第67回の午後13問と午後75問
 66.26 → 第66回のその教科がある方の26問
(放射化学から医用画像情報学までは午前、基礎医学大要から安全管理学までは午後)
*第66回までは午前午後で出題される科目が分かれていたため

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