X線CT装置の構成
・高電圧発生装置
インバータ方式で、使用される管電圧は80~140kV程度
以下のような性能が必要とされる
① 管電圧はリプルが十分に小さく、
安定性、再現性が良好である
② 管電圧波形の立上り、立下り時間が十分に短いこと
③ 管電流の安定性、再現性が良好であること
④ 管電流の立上り、立下り時間が十分に短いこと
⑤ 大出力X線の発生に対応可能であること
・X線管(陽極:回転陽極)
(1)陽極熱容量
:大熱容量のX線管が必要で、近年では6.5~7.5MHUのものも開発されている
(2)冷却率
:X線管を冷却用のオイルに浸し、そのオイルを循環または二次冷却している
(3)安定性
(4)耐遠心力性
(5)小型軽量化
・補償フィルタ(ボウタイフィルタ)
≒ ウェッジフィルタ
コリメータとX線管の前についており、中央部が薄く、周囲が厚い
低エネルギーX線の吸収とビーム強度の報償を目的とする
・検出器
(60.16)
シンチレータ+フォトダイオードが一般的
(1)X線検出効率
(2)エネルギー特性
(3)安定性
(4)ダイナミックレンジ(20ビット以上)
(5)直線性
(6)パルス応答特性
(アフターグロウ[残光現象]が起きないように)
MSCTでのシンチレータには高い時間分解能が要求される
シンチレータはCdWO4やGd2O2S:Pr,Ceや(Y,Gd)2O3:Euなどが用いられる
・データ収集システム
(71pm6、68am11、67pm10、63.16)
RR方式が一般的
*DAS
:検出器からの電気信号(アナログ)をデジタル信号に変換する
MSCTではDASの数によって同時収集列数が決定される
・コリメータ
不要な被曝低減、ビームのプロファイル制御
(66.21)
(1) 前置コリメータ(ビームコリメータ)
ビーム範囲の決定(プロファイル制御)、不要な被曝の低減を行う
シングルCTではスライス厚の決定の役割も果たす
(2) 後置コリメータ(ビームトリマ)
通常、MSCTではZ軸方向にはなく、グリットのような役割を果たす
・ガントリ
(65.18)
チルト機構(角度設定)により、OMラインにスライス断面を合わせることができる
・デュアルエナジーCT
(76am10、74am11)
従来の多色X線CT(120kV)とは異なり,複数の管電圧(80kVと140kVなど)の多色X線によって撮影する
その吸収差から仮想的な非造影画像や単色X線画像の作成や,物質の弁別などができる
・方式
2回転方式
分離フィルター方式
2管球方式
スイッチング方式
・できること
「物質密度の算出」「物質弁別(実効原子番号)」
低エネルギー画像
:コントラスト分解能が向上して造影効果が増強
造影剤の量を低減できる
高エネルギー画像
:金属アーチファクトの低減
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