全身照射法(TBI)
(72am36、70am39、69am41、66.80、63.86、61.35、60.81)
・総線量
:4~12Gy/1~6回/1~4日
・線量率
:10cGy/分以下
・目的
:「腫瘍組織の根絶」
「免疫抑制」
・適応
:「白血病」
「重症再生不良性貧血」
「重症免疫不全症」
「悪性リンパ腫」
・急性期合併症
:間質性肺炎、移植片対宿主病、肝静脈閉塞症
・晩期有害事象
:白内障、不妊
*分割照射により、総線量の増加と合併症の減少が可能
*両眼の水晶体を防護する
*生殖器官の防護をする場合がある
・照射方法
:X線を用いて、アクリル板等で表面線量を確保し、体圧の補正も行う
(1)Long SAD法
:リニアックを横向きにして、部屋の端に患者を寝かせるため、部屋の大きさが問題となる
厚みの違いをボーラスによって埋め、肺野や眼球部分を保護するよう遮蔽物を置く
(2)ビーム移動法、寝台移動法
:機械的運動精度が問題となる
全皮膚照射
(70am40)
・適応
:「菌状息肉腫 (T細胞リンパ腫の一種)」
・電子線を使用する
粒子線治療
(72am38、70pm39、62.79)
陽子線・炭素線を主に使用する
・RBE 陽子線:1.1
炭素線:2.5〜3.0
・重粒子線の半影(線源の大きさに依存する)はX線より小さい
・高エネルギーほど深部でブラッグピークを形成し、その幅は広くなる
ブラッグピークの形成により電子線やX線に比べて線量分布が優れている
・核破砕反応(フラグメンテーション)によりブラッグピーク以降にも線量寄与がある
・陽子線の保険適用
:「小児限局性固形悪性腫瘍」
「手術による根治的な治療が困難である限局性の骨軟部腫瘍」
「頭頚部悪性腫瘍(口腔、咽喉頭の扁平上皮癌を除く)」
「限局性及び局所進行性前立腺癌(転移を有するものを除く)」
・重粒子線の保険適用
:「骨軟部腫瘍」
「前立腺がん」
「頭頚部悪性腫瘍(口腔、咽喉頭の扁平上皮癌を除く)」
ホウ素中性子補足療法(BNCT)
(76am1、73am36、72am38、70pm35、65.39、63.81、60.79)
あらかじめホウ素化合物を静脈内投与し外部から熱中性子(原子炉より発生、またはサイクロトロンから出る陽子線とベリリウムターゲットによる反応から発生)を照射する
10B(n、α)7Liの反応を利用し、α線は飛程が短いため正常組織の損傷が小さい
・対象
:「悪性度の高い放射線抵抗性腫瘍」
「多発性膠芽腫」
「悪性黒色腫」
予防照射
(62.87、61.82.83)
・適応
:「乳房温存術後の乳腺」
「術後乳癌の領域リンパ節」
「(限局型)小細胞肺癌(全脳照射)」
「白血病(全中枢神経照射)」
追加照射
・Field in Field法
:乳癌や頭頸部癌に対して追加照射を同時に行う方法
緊急(対症)照射
(74am37、73pm43、70pm43、69am44、69.83、65.84)
・適応
:「脊髄圧迫」
「上大静脈症候群」
「気道狭窄」
「脳転移」
緩和(姑息的)照射
(73am39、67am36、64.26)
・適応
:「緊急照射の適応」
「転移性骨腫瘍」
「出血」
「食道閉鎖」
・目的
:腫瘍の根治的治療ではなく、対症療法であり、緩和療法
・方法
:一回線量が大きく、総線量が小さく、治療期間が短い
術前照射
(71am43、61.84)
・適応
:「子宮頚癌」「下咽頭癌」
「喉頭癌」「肺癌」
「膀胱癌」
「★食道癌」「★直腸癌」
術中照射
(75pm36、73am42、70am40)
・適応
:「脳腫瘍」「胃癌」「膵癌」
「膀胱癌」「前立腺癌」「骨肉腫」
「胆道癌」「直腸癌」「肛門癌」
・一般に電子線を利用(骨肉腫にはX線を利用することも)
・照射範囲を直視下で確認できる
・1回大量照射(25~30Gy)
術後照射
・適応
:「喉頭癌」「皮膚癌」「子宮頚癌」
「子宮癌」「網膜芽細胞腫」「乳癌」
「甲状腺癌」「脳腫瘍」
・目的
:残存腫瘍への照射、リンパ節予防照射
全脳照射
(74am38)
・適応:「転移性脳腫瘍」
全中枢神経照射(全脳脊髄照射)
(74am36、65.87、60.82)
・適応
:「髄芽種」
「松果体腫瘍(胚芽腫)」
・全脳脊髄照射を行う脳腫瘍の特徴
「小児発生が多い」
「化学療法を併用する」
「脳脊髄液を介する播腫が多い」
放射線治療が適応となる良性疾患
(70am41、68pm43、63.71、61.87)
「甲状腺眼症」「ケロイド」
「脳動静脈奇形」「神経鞘腫(シュワン細胞腫)」
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