中性子の検出器
・熱中性子の検出
(1)核反応を利用したもの
[ 10B(n,α)7Li ]
[ 3He(n,p)3H ]
[ 6Li(n,α)3He ]
(2)核分裂を利用したもの
[ 235U(n,f) ]
(3)放射化を利用したもの
[ 115In(n,γ) ]
[ 165Dy(n,γ) ]
[ 197Au(n,γ) :金箔検出器 ]
・高速中性子の検出
(1) 反跳陽子を利用したもの 1H(n,n`)
[プラスチックシンチレータ]
[有機液体シンチレータ]
[水素ガスやメタンガスの比例計数管]
(2) 放射化を利用したもの
[ 32S(n,p)32P ]
[ 27Al(n,α)24Na ]
(3) 半導体を利用したもの
[ポリエチレンラジエータ付Si半導体検出器]
(4) 核分裂を利用したもの
[ 238U(n,f) ]
・減速型線量当量計(レムカウンタ)
(68pm80、67am79)
熱中性子検出器をポリエチレン製減速材で覆ったもので、線量当量値が直読みできる
[BF3比例計数管:ロングカウンタ]
[3He比例計数管:Hurst型比例計数管]
[LiIシンチレータ]
・ホニャックボタン
α線の検出器
(65.65)
放射能測定 | エネルギー測定 | |
★シリコン表面障壁型半導体検出器 (SSBD) |
可能 | 可能 |
★4πガスフロー比例計数管 | 可能 | |
ZnS(Ag) CsI(Tl) 無機シンチレータ | 可能 | 可能 |
液体シンチレータ | 可能 | 可能 |
★グリッド付電離箱 ? 可能 | ? | 可能 |
固体飛程検出器 | 可能 | ? |
★イメージングプレート | × | ? |
フィルムバッチ | × | ? |
個人線量計
(76pm82pm98、74am79、73pm82、72am96pm79pm98、71am82、70am79、69am81.pm80、68am68pm80、66.64、63.64.pm100、62.61.66.pm98、60.64)
・熱蛍光線量計(TLD)
測定対象:光子/β/熱中性子
素子:LiF:Mg、Mg2SiO4:Tbなど
読取方法:200℃前後に加熱、熱的励起
繰り返し読取:不可能
繰り返し利用:可能、アニーリング(加熱)
感度:高い(素子による)(1µSv~1Sv)
フェーディング:小
特徴:グローカーブ(加熱温度と蛍光量の関係)
機械的刺激に弱い(トリボルミネセンス)
・光刺激線量計(OSL)
測定対象:光子/β
素子:αAl2O3:C
読取方法:可視光(緑)の照射、青色に発光する
繰り返し読取:可能
繰り返し利用:可能、アニーリング(可視光)
感度:高い(0.01mSv~10Sv)
フェーディング:極小
特徴:CR-39と組み合わせて熱・高速中性子の測定が可能
直線性が良いため、光子とβの分離が可能
化学的に安定で湿度・温度の影響を受けない
・蛍光ガラス線量計(RPL)
測定対象:光子/β
素子:銀活性リン酸塩ガラス
読取方法:紫外線レーザの照射、オレンジ色に発光する
繰り返し読取:可能
繰り返し利用:可能、アニーリング(加熱)、400℃前後に加熱
感度:高い(0.01mSv~10Sv)
フェーディング:極小
特徴:CR-39と組み合わせて熱・高速中性子の測定が可能
素子間のばらつきが少ない
いくつかの金属フィルタを用いて固有のエネルギー依存性の補償をするものもある
*ラジオフォトルミネセンス現象
:照射により生じた電離電子、正孔が銀イオンに捕獲されて蛍光中心が形成され、これに紫外線を照射すると励起オレンジ色に発色する現象
・ポケット線量計
測定対象:光子のみ
素子:シリコン半導体の電離作用を利用
読取方法:値が直で読める
繰り返し読取:不可能
繰り返し利用:可能
感度:高い(1µSv~1Sv)
フェーディング:極大
特徴:エネルギー依存性:小
短い期間(一日程度)の積算線量 → 一時立入に使用
取り扱いが容易で値を直に読み取れる
・フィルムバッチ
測定対象:光子/β/α/速・熱中性子
素子:銀粒子
読取方法:濃度計
繰り返し読取:可能
繰り返し利用:不可能
感度:低い
フェーディング:大
特徴:方向依存性:大、温度依存性:大
取り扱いが容易
*この他に、半導体やシンチレータを利用した個人被曝線量計も存在する
コメント