信号の発生原理
磁気モーメント
(72pm74)
磁気双極子において、磁極の量と距離の積からなるベクトル
1Hは、全ての核種の中で最も核磁気モーメントが強い
原子・分子の陽子・中性子の数が同じかつ偶数だと磁気モーメントは生じない
歳差運動と磁化および共鳴励起
(75am74、74am74、73am74、69am11、63.19.30、62.23、61.24、60.31)
・歳差運動
:自転軸が時間の経過に従いその中心軸が傾き、先端が円を描くようになるような運動
[ラーモアの式]
歳差運動の共鳴周波数f=(γ・B0)/2π
ω=γ・B0
γ:磁気回転比
B0:静磁場の強さ
磁束密度[テスラ]
コイルに流れる電流に比例して大きくなる

・MRIで主に用いられる核腫と共鳴周波数
核腫 | 1H | 13C | 19F | 23Na | 31P |
共鳴周波数[MHz/T] | 42.58 | 10.71 | 40.10 | 11.26 | 17.24 |
緩和時間:T1、T2
(71pm12、70pm11、69pm74、68pm74)
絶対的にT1値>T2値> T2*値となる(純水のみ同じ)
・T1緩和
縦緩和、90°パルスによる励起後の縦磁化は0となり、時間tと共に初期の磁化に回復していく
T1緩和 I=I0×(1-exp(-t/T1))
T1値=1-1/e
I0:初期の磁化
t:時間
T1値:I0の63.2%となる時間
・T2緩和
横緩和、90°パルスによる励起後の横磁化は最大となり、時間tとともに低下していく
T2緩和 I=I0×exp(-t/T2)
T2値 =1/e
I0:初期の磁化
t:時間
T2:I0の36.8%となる時間
・T2*
:FIDの減衰の速さを表す時定数で、GE法で得られる信号強度を決めている
(SE法ではT2、GE法ではT2*の信号が得られる)

磁性体
・強磁性体
:鉄、コバルト、ニッケル、フェライトなど
磁場によって磁化され、それ自体が磁石になるもの
・常磁性体
:ある種の金属、酸素、ガラス、血液(デオキシヘモグロビン、メトヘモグロビン、ヘモジデリン)
外部の磁場が無いときは磁性をもたないもの
・反磁性体
:基本的に磁性体で無いもので血液ではオキシヘモグロビンがある
磁場で逆向きに磁化される
MRIの基本的なパラメータ
一般的な撮像パラメータ
・繰り返し時間TR
励起パルスから次の励起パルスまでの時間
→ T1に関係
・エコー時間TE
励起パルスからエコー信号取得までの時間
→ T2に関係
・スライス厚(72am10、67am13)
スライス厚(cm)=送信バンド幅[Hz]/傾斜磁場強度[Hz/cm]
・スライス位置(67am13)
RFの周波数によって決める
・撮像視野(FOV)
FOV(cm)=受信バンド幅[Hz]/傾斜磁場強度[Hz/cm]
・撮像加算回数:NSA
・位相エンコード方向
・フリップ角度(FA)
・反転時間(TI)
・撮像マトリクス(256×256,128×256等)
・パルスシーケンスSE,GRE各種プリパルスの有無
画像コントラストを決定する因子
●装置に依存するもの (60.22)
・パルスシーケンス(SE,GRE,IR,各種プリパルスの有無)
・繰り返し時間:TR
・エコー時間:TE
・フリップ角度:FA
・反転時間:TI
・静磁場強度
(76pm13、73am14、68am12、67am13、67pm12、66.23、61.37)
静磁場強度が大きいと
「SARが増加」
「磁化率・化学アーチファクトが増加」
「S/N比が増加」
「T1緩和時間が長くなる」
「RF磁場不均一の影響の受けやすさが増加」
●生体に依存するもの
(76am12、70pm11、66.24、60.22)
・縦緩和:T1
T1強調像 → T1が短いほど信号は大きい
T1は静磁場強度とTRに依存する
・横緩和:T2(T2*)
T2強調像 → T2が長いほど信号は大きい
*脂肪のT1は短い → 信号が大きい
*自由水のT1は最も長い → 信号は小さい
自由水のT2は最も長い → 信号は大きい
・プロトン密度
・流れ(血液,脳脊髄液)
・拡散定数
●空間分解能の向上
(75pm23)
「FOVを小さくする」
「マトリクスサイズを大きくする」
●SN比
(75am15、74am24、73am10、69pm11、64.22、63.20、61.22)
$$SN比=k\times ・B0\times ・ボクセルサイズ\times \frac { \sqrt { 計測回数 } }{ \sqrt { 受信バンド幅 } } ・$$
k:コイル効率
B0:静磁場強度
・SN比が高くなる因子
「静磁場が強い」
「信号加算回数が多い」
「スライス厚が厚い」
「バンド幅が狭い」
「TRが長い」
「TEが短い」
「FOVが大きい」
「ピクセルサイズが大きい(位相・周波数エンコード方向のマトリクスを減らす)」
*ピクセルサイズ、FOVが2倍→S/N比は√2倍
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