医用工学 計算ドリル

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抵抗、コンデンサ、コイル

(73pm77,72am75.77pm75,70am76,66.54)

抵抗・コンデンサ・コイル / 直流回路 / 並列回路
抵抗・コンデンサ・コイル 抵抗R  (72am75、65.56、64.52、63.53、62.55)  単位:Ω(オーム)=1/S(ジーメンス)  電流の流れにくさを表す  電流の流れやすさはコンダクタンスという  抵抗R=ρ×長さl[m]÷断面積S[m2]     ρ:抵抗率(比抵抗)[Ω・m] *倍率器(73pm77) コンデンサ ・静電誘導   導体外部からの電界により電荷が導体表面に移動する現象 ・静電容量 (76am75、74pm77、71am75、70pm75、69pm75、68pm76、67am74、61.51)  単位:F(ファラド)  二つの導体(コンデンサ)に電圧Vを印加すると+q、-qの電界が誘起される  静電容量C = q / V[F=A・s/V=C/V]  蓄積されるエネルギーW = CV2×1/2 ・平行平板コンデンサの静電容量C[F]  (76pm77、72am77)  C[F]=ε×S[m2]÷d[m]  ε:誘電率 ・交流回路では電圧Vの位相は、電流Iに対して90°遅れる  Vc = 1/wc × I0 × sin(wt-π/2) コイルL ・電磁誘導...

問1

 1種類のキャリアのみを有する半導体の導電率が102S・m-1、移動速度が0.36m2・V-1・s-1であるとき、キャリア濃度[m-3]はいくつか
 ただし、キャリアの電荷を1.6×10-19Cとする

 

キャリア濃度=102÷(0.36×1.6×10-19
        =1.7×1021[m-3

 

 抵抗ではなく半導体だが、例としてよかったので掲載
 問題だけだと何を言っているのかわからない学生が多く、難問になりそうだが、実はそうでもない、という問題
 今回の問題のように、各数字と答えの単位が書いてあり、他に定数を覚えている必要がない場合、出てきている数字の単位(今回であれば3つ)を組み合わせて、答えの単位に合わせるだけで良いので公式等を知らなくても簡単に解けてしまう
 今回の場合はSがオームの逆数なのを知っていれば
 導電率:S・m-1→Ω-1・m-1→A・V-1・m-1
 移動速度:m2・V-1・s-1
 電荷:C→A・s
 なので、導電率を移動速度と電荷で割ればよいとわかる

 

問2

 平行板コンデンサにおいて、電極間距離を1/2にし、比誘電率を3倍にした場合、静電容量[F]は元の静電容量[F]に比べて何倍になるか

 

C[F]=ε×S[m2]÷d[m]
 より
 =3÷(1/2)=6倍

 

 公式を見ると面積も関わってくるので、そこが変数になってきても解けるように
 コンデンサに関してはこの他にも蓄積されるエネルギーなどの式があるので、覚えておく必要がある

 

問3

 図の回路で、コンデンサCを4.8Vに充電した後、スイッチSを閉じた
 時間が無限に経過する間に抵抗Rを流れる電子数[個]はいくつか

 コンデンサの静電容量C
 C = 電荷q ÷ 電圧V 
 より
 100×10-6 = q ÷4.8V
 Q = 4.8×10-4
 電子数[個]=4.8×10-4÷1.6×10-19
         =3×1015

 

 コンデンサの静電容量の問題
 回路図にスイッチや抵抗があるので、一見難しそうに見えるかもしれないが、時間が無限に経過するので、非常に単純な問題
 これが時間が指定されていたりすると別の式や時定数の概念を把握していないといけないので難しくなってしまうが、それはそれで解けなくてはいけない問題でもあるので注意
 また、この問題では電子素量の定数が与えられていないが、計算に必要なため、電子素量を暗記しておく必要があるので、こちらも注意が必要

 

問4

 巻き数が100回のコイル内部の磁束が0.01秒間に0.055Wbから0.040Wbになったときの誘導起電力[V]はいくつか

 

 誘導起電力V=-N×dΦ/dt
 より、1秒当たりの変化は-1.5Wbなので
 V=-100×-1.5=150

 

 コイルに関する問題
 1秒当たりに直すことと、マイナスをつけ忘れないことさえできれば簡単
 コイルに関してはこの他にも、自己インダクタンスや蓄積されるエネルギーなどの式もあるので覚えておこう
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直流回路

(74am76,73pm76,69am75,69pm77,66.52)

抵抗・コンデンサ・コイル / 直流回路 / 並列回路
抵抗・コンデンサ・コイル 抵抗R  (72am75、65.56、64.52、63.53、62.55)  単位:Ω(オーム)=1/S(ジーメンス)  電流の流れにくさを表す  電流の流れやすさはコンダクタンスという  抵抗R=ρ×長さl[m]÷断面積S[m2]     ρ:抵抗率(比抵抗)[Ω・m] *倍率器(73pm77) コンデンサ ・静電誘導   導体外部からの電界により電荷が導体表面に移動する現象 ・静電容量 (76am75、74pm77、71am75、70pm75、69pm75、68pm76、67am74、61.51)  単位:F(ファラド)  二つの導体(コンデンサ)に電圧Vを印加すると+q、-qの電界が誘起される  静電容量C = q / V[F=A・s/V=C/V]  蓄積されるエネルギーW = CV2×1/2 ・平行平板コンデンサの静電容量C[F]  (76pm77、72am77)  C[F]=ε×S[m2]÷d[m]  ε:誘電率 ・交流回路では電圧Vの位相は、電流Iに対して90°遅れる  Vc = 1/wc × I0 × sin(wt-π/2) コイルL ・電磁誘導...

問1

 図のような抵抗の直並列回路に100Vの直流電圧を加えたときに流れる電流I[A]はいくつか

回路全体の合成抵抗R0
R0=(R1)+3+(R2)
1/R1=1/20+1/30+1/60
R1=10Ω
1/R2=1/20+1/(5+25)
R2=12Ω
R0=25Ω
回路全体に流れる電流I0
I0=100V÷R0
 =4A
電流Iのところの電圧V=4A×12Ω=48V
電流I=48/20=2.4A

 

 抵抗の直列回路と並列回路の複合問題なので、この直並列回路の問題が解ければ、抵抗の回路に関しては大丈夫
 解法に関してはもっと早いものもあるかもしれないが、ドリルとしては一通り求めてしまったほうが良いかと
 注意する点としては、抵抗の並列接続で、3つ以上の場合はR=R1・R2/(R1+R2)の公式は使えないのでR=1/R1+1/R2+1/R3+…+1/Rnのほうで覚えておこう

 

問2

 コンデンサ回路を図に示す
 以下に示すものを求めよ
「合成容量」「各コンデンサにかかる電圧」「蓄えられる電荷」「Eの電圧」
 ただし、C1の電荷は12μCとする

 C2に蓄えられる電荷=C1に蓄えられる電荷なのでC2の電荷は12μC
 各電圧はV=Q÷Cより
 V1=12/2=6
 V2=12/6=2
 よってE=V1+V2=8V
 合成容量C=C1C2/(C1+C2)より、
 C=1.5μF

 

 コンデンサの直列接続に関する問題
 FとCを間違えないように注意が必要
 計算自体は簡単なので、法則さえ覚えてしまえば楽だが、抵抗とコンデンサが混在する問題も出題されているのでそちらも解けるようにしておくと万全か

 

交流回路

(74am75,73pm75,72am76.78,70pm76,68am76,67pm77,66.53)

交流電力 / 変圧器 / 時定数 / 鉄心 / 真空管
交流電力 (76pm78、74am75、73pm75、68pm76、67pm77、66.53、65.53、61.55)  一周期にわたる瞬時電力pの平均値を交流電力という ・交流電力P   P=VIcosθ[W]  VI:皮相電力  cosθ:力率 ・無効電力P   P=VIsinθ[W] ・実効値=最大値(瞬時値)/√2 ・平均値=2/π×最大値(瞬時値) ・消費電力P(電力の瞬時値の時間平均)  P=V×I×cosθ  V:実効値  I:実効値   cosθ:位相差 変圧器の原理  (72am5、70am77、69am77)  a= V2/V1   = N2/N1    = I1/I2  一次等価抵抗R1=r1+r2/a2  二次等価抵抗R2=r2+a2×r2  定格容量P=V2×I2=V1×I1 変圧器の損失 (76pm75、73pm76、72pm76) ・損失W  W=鉄損+銅損   鉄損=銅損:変圧器の最大効率 1, 無負荷損(鉄損):鉄心に生じる損失         周波数が高くなると損失が減少する  1-1, ヒステリシス損  1-2,うず電流損 2,負荷損(銅損):負荷...

問1

 実効値が10Aで位相が正弦波電圧100sin(ωt)[V]よりπ/6ラジアン遅れている正弦波電流の瞬時値を式で示せ

 

 実効値が10Aなので、最大値(瞬時値)は10√2Aなので
 瞬時値=10√2 sin(ωt-π/6)

 

 交流電力に関する問題
 下記のことを知っているかを試している問題
 グラフで出題されても読み取れるようになれるように
・実効値=最大値(瞬時値)/√2
・平均値=2/π×最大値(瞬時値)
・消費電力P(電力の瞬時値の時間平均)
 P=V×I×cosθ 
 V:実効値 I:実効値  
 cosθ:位相差

 

問2

 下記の図より、消費電力[W]はいくつか

 電圧の最大値15[V]→実効値15/√2[V]
 電流の最大値10[A]→実効値10/√2[A]
 位相差はπ/3なので消費電力Pは
 P=(15/√2)×(10/√2)×cos(π/3)
 =37.5W

 

 グラフから読み取る問題
 最大値と実効値の関係を覚えておけば大丈夫
 また、cosの計算が出てくるので一通り復習しておいたほうが安心できる
 

問3

 LC回路でC=1nFのとき、50kHzの電磁波を共振させるコイルの自己インダクタンス[H]はいくつか

 

 共振周波数f0=1/2π√LC
 より
 50k=1/{2π√(L×1n)}
 よって、
 L≒0.01

 

 交流回路の共振に関する問題
 今回はコイルが穴埋めになったが、周波数やコンデンサが穴埋めになっても解けるように
 また、共振の条件に関しても頻出なのでこちらも覚えておく必要がある

 

変圧器

(72am5,70am77,69am77)

交流電力 / 変圧器 / 時定数 / 鉄心 / 真空管
交流電力 (76pm78、74am75、73pm75、68pm76、67pm77、66.53、65.53、61.55)  一周期にわたる瞬時電力pの平均値を交流電力という ・交流電力P   P=VIcosθ[W]  VI:皮相電力  cosθ:力率 ・無効電力P   P=VIsinθ[W] ・実効値=最大値(瞬時値)/√2 ・平均値=2/π×最大値(瞬時値) ・消費電力P(電力の瞬時値の時間平均)  P=V×I×cosθ  V:実効値  I:実効値   cosθ:位相差 変圧器の原理  (72am5、70am77、69am77)  a= V2/V1   = N2/N1    = I1/I2  一次等価抵抗R1=r1+r2/a2  二次等価抵抗R2=r2+a2×r2  定格容量P=V2×I2=V1×I1 変圧器の損失 (76pm75、73pm76、72pm76) ・損失W  W=鉄損+銅損   鉄損=銅損:変圧器の最大効率 1, 無負荷損(鉄損):鉄心に生じる損失         周波数が高くなると損失が減少する  1-1, ヒステリシス損  1-2,うず電流損 2,負荷損(銅損):負荷...

問1

 容量30kVA、巻数比N1/N2=30の変圧器で、定格負荷における2次電流[A]はいくつになるか
 ただし、N1は1次巻線数、N2は2次巻線数、1次電圧は6kVとして、損失は無視する

 

 N2/N1 = I1/I2
 定格容量P=V2×I2=V1×I1
 より、
 1/30 = I1/I2
 30k = 6k×I1
 I1 = 5A
 I2 = 30×5 =150A

 

 変圧器に関する問題で一番基本的な問題になるかと
 1次側からみてどうなるか、2次側からみてどうなるかという問題が電圧電流ともに出うるのですらすらと変換できると大体どの問題も対応できるようになる
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二極真空管

(74am77)

交流電力 / 変圧器 / 時定数 / 鉄心 / 真空管
交流電力 (76pm78、74am75、73pm75、68pm76、67pm77、66.53、65.53、61.55)  一周期にわたる瞬時電力pの平均値を交流電力という ・交流電力P   P=VIcosθ[W]  VI:皮相電力  cosθ:力率 ・無効電力P   P=VIsinθ[W] ・実効値=最大値(瞬時値)/√2 ・平均値=2/π×最大値(瞬時値) ・消費電力P(電力の瞬時値の時間平均)  P=V×I×cosθ  V:実効値  I:実効値   cosθ:位相差 変圧器の原理  (72am5、70am77、69am77)  a= V2/V1   = N2/N1    = I1/I2  一次等価抵抗R1=r1+r2/a2  二次等価抵抗R2=r2+a2×r2  定格容量P=V2×I2=V1×I1 変圧器の損失 (76pm75、73pm76、72pm76) ・損失W  W=鉄損+銅損   鉄損=銅損:変圧器の最大効率 1, 無負荷損(鉄損):鉄心に生じる損失         周波数が高くなると損失が減少する  1-1, ヒステリシス損  1-2,うず電流損 2,負荷損(銅損):負荷...

問1

 二極真空管の空間電荷制限領域で、陽極電圧25V、陽極電流100mAのとき、陽極電圧を9Vとすると陽極電流[mA]はいくつになるか

 

空間電荷制限領域での管電流Ipは
管電流Ip∝V3/2/d2
より
d2=5/4
なので、V=9Vのときは
Ip=93/2/(5/4)=21.6mA

 

 二極真空管は特性曲線に関して、文章題でも頻出
 計算問題に関しては空間電荷制限領域と温度制限領域で式が変わってくるので注意が必要

 

増幅器

(74pm75)

増幅器
増幅器    電圧増幅度AV=V2 / V1  電流増幅度AI=I2 / I1  電力増幅度Ap=V2I2 / V1I1         =P2 / P1 増幅度(利得、ゲイン) (74pm75、62.54、61.54)  電力増幅度Gp=10log10P2 / P1[dB]  電圧or電流増幅度Gp=20log10V2 / V1[dB]            =20log10A2 / A1[dB] ・オフセット電圧 :入力端子を短絡して0Vとした場合に、出力される電圧 ・デシベルの計算  A dB + B dB = ( A+B ) dB 帰還回路(負帰還回路)  Av = V2 / Vi  V2 = Av × Vi     = Av ( V1 + βV2)  帰還後の電圧利得Avf  Avf= V2 / V1    = Av / (1-βAv) ・安定性  Avが変化しても、回路の利得はβによってほぼ決定されるので、極めて安定している 演算増幅器(オペレーションアンプ) ・反転増幅器 (70pm77、64.57)  点Pの電圧Vp=0  点Pの電流Ip=(V1-Vp)/ R1  V0...

問1

 2つの増幅器を直列に接続した回路を下記に示す

 増幅器1の電圧増幅度は10とする
 入力電圧Viの値として0.2mVの信号を加えたとき、出力電圧V0の値は0.2であった
 このとき、増幅器2の電圧利得[dB]はどれか

 

 増幅器1の増幅度が10なので増幅器2に入る電圧は2mVとなる
 増幅器2の電圧利得は
 Gp=20log10V2 / V1[dB]より
 Gp=20log10(0.2 /2m)=40

 

 増幅回路の問題は演算増幅器で出る場合がほとんどだが、このような単純な増幅器の問題も出てくる
 増幅度と利得[dB]で計算を混乱してしまわないように注意が必要
 


(70pm77,64.57) (72pm77,66.57) (73pm78,66.57) (65.57) (61.56) (71pm78)

問2

図に示したオペレーションアンプ回路において、出力電圧V0[V]はいくつか

 一段目の回路は反転加算器、二段目の回路は非反転増幅器なので

V3 = R3 ( I1 + I2 )
= R3 ( V1 / R1+V2 / R2 )

V0=(1+R2 / R1)×V1

より
 一段目の回路の出力をV1とすると
V1=-20×(0.1/10 + 0.2/10)
  =-0.6
V0=(1+9/1)×-0.6=-6V

 

 オペレーションアンプの問題で、二つの演算器がくっついているタイプ
 計算は各演算器で得られる電圧の式を暗記していないと解けない
 ちなみにここ10数年のデータから、出題された演算器を種類別にみてみると、反転増幅器と非反転増幅器と反転加算器が多く、逆に反転減算器、反転積分器、反転微分器は一度ずつしか出題されていない
 反転積分に関しては計算問題ではなく、回路図を指定する問題で、形さえ覚えていれば良い問題になっており、反転減算、反転微分に関しても、形を見てどういう演算をするのかさえ把握していれば解けるような形式の問題となっているので、まずは形と名前の一致を重視したい
 その後、余裕があれば反転増幅器、非反転増幅器、反転加算器の計算式を覚えるとすべての問題に対応できるようになる

 

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・出題年数の見方
 例:(71pm72、67pm13.pm75、66.26)とある場合
 71pm72 → 第71回の午後72問
 67pm13pm75 → 第67回の午後13問と午後75問
 66.26 → 第66回のその教科がある方の26問
(放射化学から医用画像情報学までは午前、基礎医学大要から安全管理学までは午後)
*第66回までは午前午後で出題される科目が分かれていたため

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