撮像時間を短くする手法
(76pm16、71am15、70am15、69pm15、67am15、66.30)
・撮像時間
撮像時間=TR×N×撮像加算回数÷ETL
TR:繰り返し時間
ETL:エコーの数(Echo train length)
→ SE法のときのみ
N:位相エンコード数
撮像加算回数:信号雑音比を上げるため同信号を取り出す回数
*GRE法ではTRの短縮、高速SE法ではETLに応じて撮像時間を短縮する
*TR,ETLを変更すると、画像コントラストが変わってしまう
*位相エンコード数を減らすと空間分解能を劣化させるか位相エンコード方向撮像視野を限定する必要がある

・高速シーケンス
1.高速スピンエコー
(74pm21、72am15、67pm16)
撮像時間が短く、T2強調画像を得るための方法として主流
磁化率効果が減少する
脂肪信号が上昇する
脳実質のコントラストが低下する
眼球の硝子体は高信号になる
2.EPI
一回のくり返し時間で必要とするk空間の位相エンコードラインの情報をすべてとっている
読取の傾斜磁場をジグザグにして、位相エンコードをその隙間にいれて、繰り返し時間を1回しかしない
磁化率効果による位相誤差が蓄積し最も顕著に表れやすい
3.パラレルイメージング
:sensitivity encoding(SENSE)法による時間短縮
(68am15)
コイル(信号を取り出す)のコイル感度の違いを利用して、高速化した手法
k空間の位相エンコードラインを飛ばして収集するため、極端な長方形FOVになったままで折り返し、アーチファクトが発生する
SENSE factor(パラレルイメージングファクタ)を2倍にすると撮影時間が1/2になる
・特徴
:「コントラストに影響を及ぼさない」
「エコー時間が短くなる」
「磁場のひずみの影響が少なくなる」
腹部横断像のようにアレイコイルが対向して配置されている場合に有効である
4.マルチエコー法
SE法の後、さらに180°パルスを加え、T2強調画像とプロトン密度強調画像を同時収集できる
脂肪抑制の手法
・共鳴周波数差を利用した手法
(71pm20、60.38)
共鳴周波数は局所の水素原子核がどのくらいの磁場の影響を受けているかによって決まる
脂肪は水よりも電子の数が多く、脂肪が受ける磁場の強さは水よりも弱く、共鳴周波数は小さくなる
このように共鳴周波数が違ってくることをケミカルシフトという
*水と脂肪の共鳴周波数の差
:約3.5PPM
1.5Tの場合220〔Hz〕÷63.8〔MHz〕×10-6=3.4ppm
水と脂肪の周波数差(1.5T):220Hz
(静磁場強度に比例して大きくなる)
磁場の強度が大きいほどケミカルシフトは大きい
1.CHESS法 周波数差法 またはFat Sat法
(76am16、68pm15、66.34)
・周波数選択的脂肪抑制法
:事前に脂肪の信号を抑制し、脂肪と水を両方励起する
・周波数選択的水励起法
:水の周波数だけに90°パルスを与えて励起する方法
さまざまなシーケンスで使用可能で、制限が少ない
高い静磁場均一度が必要でFOVに制限がある
2.Binominal(二項)パルス法
与える強度を複数等分にして、水の周波周期のときだけ90度パルスが、倒れる方向にかかるようにする
3.GRE法を利用した方法:Dixon法(位相差法)(in phase and opposed phaseを用いた)
(68am23)
(65.47)
水の脂肪の周波数が違うと信号がエコー時間によって波打つ
水と脂肪が同位相のもの (In Phase)、脂肪の信号が抜かれたもの(Opposed Phase)を連立式で計算し、水だけ、脂肪だけの画像を得る手法
短いエコー時間で信号を得ると①血管を映し出せる②水と脂肪を区分けできる
1.5Tでは4.5msで一致し、2.3msと6.8msで逆位相となる
使用可能シーケンスに制限がある
FOVの制限が少ない
・インバージョンリカバリを利用した手法
STIR法:脂肪選択性ではないことに注意
↓IRの解説を参照
「対策ノート:撮像原理」

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