線量計測 / 標準測定法12

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線量測定の種類

・絶対(線量)測定
その位置に与えられる吸収線量をGy単位で測定する

・相対(線量)測定
基準となる吸収線量値もしくは電離量 (最大値)の比率として測定される

絶対線量測定で用いる線量計

指頭型(円筒型、ファーマー型)電離箱検出器 

(71am41pm36、70am37、69pm38、68am82)
 
 X線の測定に用いられる
 ファーマー型(0.6㏄)は絶対線量測定に用いられる
 電子線の場合、深さにより全攪乱補正係数の変化の影響を受ける
 (小型円筒形の場合は無視できる?)

・測定点
(1)X線の絶対測定
幾何学中心を測定深とする

(2)X線のTMR等の相対測定
幾何学中心から線源よりに0.6cylずらした位置(実効中心)を測定深とする
 (半径変位法)

(3)電子線の絶対と相対測定
幾何学中心から線源よりに0.5cylずらした位置(実効中心)を測定深とする
 (半径変位法)
 

平行平板形電離箱検出器

 (71pm83)
 電子線の絶対線量測定に用いられ、特に10MeV以下の電子線には平行平板型の使用が推奨される
 電子線の測定の場合、全攪乱補正係数Pqが変化しないとされている

・測定点
 電子線の絶対測定
 :電離空洞内前面(実効中心)を測定深とする
  (前壁変位法)

(71pm83、69pm39、67am38、66.77、64.76.78、63.75、62.77、61.76、60.74.65)

  X線測定  電子線測定
★線量計 ファーマー形 深部電離百分率測定には平行平板型のみ
校正深測定では
平行平板型(R50<4.0cm2のとき)


ファーマー型or平行平板型(R50>4.0cm2のとき)
照射野  10×10cm2 10×10cm2(コーンを取り付ける)
セットアップ法  STD(TMR一定)法
100cm
SSD(PDD一定)法
100cm
★校正深dc Dc=10cm  Dc=0.6×R50-0.1 g・cm-2
校正深から

基準深へ変換
TMR(10cm,10×10cm2)

SCD100cm
 PDD(dc,10×10cm2

SSD100cm

・陽子線、炭素線の校正深:SOBPの中心

★R50(深部線量半価深)

 (71pm83)
 吸収線量が50%になる深さ
 深さで阻止能比が変わるため2通りの式がある
 R50 = 1.029・I50-0.06 (I50≦10cm)
 R50 = 1.059・I50-0.37 (I50 >10cm)
 平均入射エネルギーE0=2.33×R50

★I50(深部電離量半価深)

 ビーム軸上での水中の深部電離量曲線がその最大値の50%になる深さ

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標準測定法12による絶対線量測定

(69am39、62.65)
 水ファントムを用いて基準となる位置(基準深)の吸収線量を測り、各種補正を行って吸収線量を求める
 ただし、 実際の測定は校正深での線量を深部線量比の値を用いて基準深線量に変換する

校正点線量DW,Qから基準点線量Drへの変換

$$基準点線量Dr=\frac { { D }_{ W,Q } }{ TMR(10cm,10×10{ cm }^{ 2 }) } (光子の場合)$$
$$基準点線量Dr=\frac { { D }_{ W,Q } }{ 校正深PDD } (電子の場合)$$

校正点水吸収線量DW,Q 

(62.74、61.78)
 DW,Q = MQ0×ND,W,Q0×kQ,Q0
 MQ0ユーザ電離箱表示値(補正後)
 ND,W,Q0水吸収線量校正定数
 kQ,Q0線質変換係数

ユーザ電離箱表示値Mrawに対する補正

 (71pm36、61.76)
 MQ0 = Mraw×kTP×kelec×kpol×ks  
*補正係数の並び順も重要で、式の左側の係数から順番に補正していく

(1)温度気圧補正kTP
$${ k }_{ TP }=\frac { 273.2+t }{ 273.2+22 } ×\frac { 1013.3 }{ p } $$ 電離箱が測定環境と温度湿度平衡状態に置く必要がある
 温度が高く、気圧が小さいほど
  → 係数が大きい
    → 電離量が少ない
 0.3℃または、1hPaの変化で約0.1%の変化となる

(2)電位計補正kelec
 一体校正ではkelec = 1となるが、分離校正では変わってくるため、注意が必要となる

(3)極性効果補正 kpol
$${ k }_{ pol }=\frac { |M^{ + }|×|M^{ – }| }{ |M|^{ 2 } } $$ 電離箱線量計の印加電圧の極性を変化させることによる応答特性の違いを補正する
 平行平板型では補正が大きく、ファーマー型では補正は小さい(基本的にkpol=1.000にかなり近い)
 
(4)イオン再結合損失補正ks (68am80.am82)
$$ks=a_{ 0 }+a_{ 1 }(\frac { M_{ 1 } }{ M_{ 2 } } )+a_{ 1 }(\frac { M_{ 1 } }{ M_{ 2 } } )^{ 2 }$$ イオン再結合には「初期再結合」と「一般再結合」があり、
 補正するのは一般再結合であり、2点電圧法等で測定し、Boagの理論に基づいているかをJaffe poltで確認する
 測定時の印加電圧が低い、線量率が高い、LETが大きいほど
  → 補正係数は大きい
 また、Micro型電離箱では2点電圧法が成立しないことがあるため、注意が必要

・初期再結合
 一つの飛程で生じたイオンによるもので、線量率に依存しない
 放射線治療レベルの線量測定では無視できるレベル
 高LET放射線では優勢となる

・一般再結合
 複数の飛程で生じたイオンによるもので、線量率電離箱の印加電圧大きさ形状に依存する
 2点電圧法によって補正可能
 
*ステム効果
:プリアンプやケーブルが放射線にさらされて指示値が変わる現象

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水吸収線量校正定数ND,W,Q0

 標準計測法12より水吸収線量校正定数ND,W,Q0は医用原子力技術研究財団による校正によって与えられる
 ND,W,Q0 = DW,Q0÷MQ0
 DW,Q0標準(基準条件60Coのγ線)での水吸収線量
 MQ0:ユーザ電離箱表示値(補正後)

*以前までは以下の式より求めていた
 ND,W,Q0 = KD,x÷Nc
 KD,x校正定数比
 Nc:コバルト校正定数

線質変換係数kQ,Q0

(71am41、68am82.pm82、67pm82、64.74、61.66、60.65)
 kQ,Q0 = ND,W,Q÷ND,W,Q0
 ここで線質Q0(60Co)とQが電離箱の測定値で等しくなるように照射した場合(MQ=MQ0)、
 kQ,Q0 = DW,Q÷DW,Q0
$${ k }_{ Q,Q0 }=\frac { { \left\{ { (\frac { LΔ }{ ρ } ) }_{ water,air }×Wair×P) \right\} }_{ Q } }{ { \left\{ { (\frac { LΔ }{ ρ } ) }_{ water,air }×Wair×P) \right\} }_{ Q0 } } $$ 
$${ (\frac { LΔ }{ ρ } ) }_{ water,air }:水/空気平均制限質量衝突阻止能比$$*上記の式より、光子線では高エネルギーほど線質変換係数は小さくなる

攪乱補正係数P

 (71am40pm38、70am37)
 P= Pwall×Pcav×Pdis×Pcel

(1)Pwall:補正係数  
  電離箱壁及び防水シースの補正
  電子線で1.0、光子線では線量計ごとに求められる

(2)Pcav:空洞補正係数 ★
  円筒型電離箱で光子線の測定ならば1.0、平行平板型電離箱で電子線の測定ならば基本的には1.0となる

(3)Pdis:変位補正係数 
  実効中心と幾何学中心との補正

(4)Pcel:中心電極補正係数
  電離箱の電極材質の補正

平均制限質量衝突阻止能比 

(69pm38、60.72、)
・光子の場合
TPR20,10またはPDD(10)x法により求める

・電子の場合
線質指標R50校正深dcにおける)を用いた近似式より求める

・陽子線、炭素線の場合
:線質指標を残余飛程Rres(Rp-Zref)を用いた近似式より求める
 
(1)実用飛程Rp
 :SOBP最深部より深部で吸収線量が最大値10%となる深さ

(2)基準深Zref
 :SOBPの中心

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