標的体積の種類
(75am37、73pm41、69am38、67am42、62.88)
放射線治療に関わるボリュームの定義で、 ICRU report50 およびreport62にて定義された
・GTV(肉眼的腫瘍体積)
:「原発巣」
「治療の対象なら転移性リンパ節腫脹や遠隔転移」
画像や触診,視診で確認できる腫瘍体積
原発巣,リンパ節転移,あるいは遠隔転移巣が含まれる
術後照射や予防的照射の場合は,GTVがないということもありえる
・CTV(臨床標的体積)
:「所属リンパ節」
GTVおよびその周辺の顕微鏡的な進展範囲,あるいは所属リンパ節領域を含んだ照射すべき標的体積
・ITV(内部標的体積)
CTVに呼吸,嚥下,心拍動,蠕動などの体内臓器の動きによる影響をインターナルマージン(IM ; internal margin)として含めた標的体積
ITVは咽喉頭および胸部・腹部臓器などほぼ全ての部位で注意が必要
・PTV(計画標的体積)
TVにさらに毎回の照射における設定誤差(SM ; set-up margin)を含めた標的体積
・TV(治療体積)
治療の目的を達するのに最適であると決められたPTVの最小線量と同じ等線量値で囲まれた体積
最終的に照射を行う体積
・IV(照射体積)
正常組織の耐容線量によって有意であると考えられる線量が照射される組織の体積
・OR/OAR(リスク臓器、決定臓器)
CTV内部もしくは近傍に存在する放射線感受性の高い組織や臓器
・PRV(計画リスク臓器体積 )
CTVに対するPTVのように、 ORに対してマージンを加えた体積
*標的体積の大きさ
GTV<CTV<ITV(CTV+IM)<PTV(CTV+IM+SM)<TV<IV
線量指標
・最大線量 Maximum Dose
・最小線量 Minimum Dose
・平均線量 Mean Dose
・Conformity Index (CI)
(65.86、62.79)
治療に必要な線量領域が腫瘍の体積(PTV等)に一致しているかの指標
CI=TV/PTV
CI≒1で、腫瘍に対して必要な線量を与え、かつ、正常組織の線量を抑えることができる
・Homogeneity Index(HI)
(65.86)
ある標的体積(CTVやPTV)内の線量均一性を表す指標
HI=MaximumDose/MinimumDose
HI≒1で均一性が良いとされる
・Coverage
ある(標的)体積に対して、ある線量以上が与えられる割合
基準となる線量は基本的には任意
90%、95%、100%などがPTVに対してよく使われる
Coverage(%)=ある線量以上あたえられるPTV内の体積/PTVの体積×100
・Dose Volume Histogram(DVH)
(73am39、71pm43、70pm68、69am40、65.86、63.78)
ある体積(PTV,ORなど)に対する線量を横軸として体積の関係を表したグラフ
微分型DVHにおいて、線量を高い方から累積させたものが積分型DVHで通常積分型を使用
PTV内の線量と体積を把握する
→ PTV内の線量均等度を見る
正常組織の線量と体積を把握する
→ OARの線量と体積を把握する
(1)VxGy:x=20などで、ある組織で20Gy以上与える体積の量を表す(OARなどに使用)
Vx%:x=95などで、ある組織で投与線量の95%以上与える体積の量を表す(PTVなどに使用)
(2) Dx%:x=95などで、ある組織の体積の95%に投与される線量を表す(PTVなどに使用)
Dx㏄:x=1ccなどで、ある組織の1cc中に投与される最大の線量を表す(OARなどに使用)
*それぞれの単位(Gyやccなのか%で表される相対値なのか)に注意する必要がある
・Iso-dose chart
:治療計画装置の内部でPDD等の値から計算される
エネルギーが高いほど、側方の形状がシャープになってくる
線量処方
(75pm43)
・基準点線量処方
PTV内から選ばれた点をICRU基準点として、その点の線量に基づいた線量を処方する
基準点は臨床的な意味と関係し、ビーム軸上で、線量勾配の穏やかな場所であることが望まれる
・体積処方
IMRTで主に使用され、最小線量をD95%、最大線量をD2%、中央値線量をD50%などの値を用いて評価する
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