脳腫瘍
脳腫瘍とは
・悪性原発性脳腫瘍
:神経膠腫の一部
(膠芽腫、退形成星細胞腫など)
・良性脳腫瘍
:下垂体腫瘍, 神経鞘腫(聴神経腫瘍), 髄膜腫,頭蓋咽頭腫,神経膠腫の一部(上衣腫など)
*TNM分類はあまり使用されない
治療方法
・手術療法
:開頭手術は腫瘍体積を減らし、頭蓋内圧を低下させる
各種神経症状の改善
定位的手術、径蝶形骨手術
・放射線治療
:転移性脳腫瘍は3cm以内であれば局所制御が期待できる
感受性が高い:胚芽腫、髄芽腫
感受性が低い:膠芽腫
(1)術後照射
(2)化学療法剤(ACNU)との併用
(3)定位放射線照射(SRS、SRT)
髄膜腫
(70am61)
・脳腫瘍の25%を占める
ほとんどは良性腫瘍
女性の罹患率が2倍
頭蓋内ではなく、硬膜から発生する腫瘍
→ 外頸動脈から血流を受ける
神経膠腫(グリオーマ)
・脳腫瘍の25%を占める
基本的に悪性で放射線抵抗性
・悪性度(低い順)
グレード1:毛様細胞性星細胞腫
グレード2:びまん性星細胞腫,乏突起神経膠腫(80%が石灰化を呈する)
グレード3:退形成性星細胞腫,退形成性乏突起神経膠腫
グレード4:膠芽腫
髄芽腫
・比較的高感受性
基本的に根治を目指して術後照射として全脳全脊椎照射を行う
下垂体腫瘍
・脳腫瘍の15%を占める
基本的には良性腫瘍
石灰化は稀
転移性脳腫瘍
・主な原発巣:肺がん(一番多い)、乳がん
↓中枢神経の解剖はこちら

頭頚部腫瘍
甲状腺がん
(62.20)
甲状腺がんは死亡率が低く、病理解剖時に発見されることが多い
*甲状腺未分化がん
:非常に高悪性度かつ放射線抵抗性
咽頭がん
・発生原因
:タバコ、アルコール
・特徴
:扁平上皮癌が多い
頭頸部腫瘍のほとんどは扁平上皮癌であり、集学的治療が行われる
・頭頚部のリスク臓器
(74am36、70am43)
:脳、脳幹、視神経、視交叉、脊髄、網膜、水晶体、涙腺、耳下腺、内耳、顎関節、下顎、腕神経業、咽頭収縮筋、喉頭
上咽頭腫瘍
(61.20)
・特徴
疫学的特徴:アジアに多く、EBウイルスの関与がある。
病理的特徴:扁平上皮、リンパ上皮、リンパに起こる
・治療
部分的に根治的治療が不可能なのでほとんどが放射線治療と化学療法
放射線治療:三次元原体照射やIMRT
中咽頭
・原因
:アルコールの過剰摂取、喫煙
・治療方針
:手術と放射線により治療されるがまだ確立した方法はない
→ 進行例においては多分割照射法が良いとされる
下咽頭腫瘍
・危険因子
:タバコ、アルコール
・治療
早期がん:放射線治療
進行がん:手術(+RT)
梨状陥凹:根治的放射線治療
輪状後部、後壁:咽頭保存術
下方進展:非開胸食道全摘術
喉頭がん
(75am36、68am43)
声門上癌、声門癌(65%を占める、また、リンパ節転移が少ない)、声門下癌に分類
・発生原因
:喫煙が発生原因となる
・治療指針
:早期の場合、社会復帰を考慮して放射線治療が第一選択
ウエッジ左右(非)対向二門
・治療成績
:声門下癌は生存率が低い
口腔がん
口腔癌のうち舌癌が最も発生頻度が高い
舌癌(76pm40)
・要因
:飲酒、喫煙、舌に対する物理刺激などが発生要因
舌縁が好発部位
・病理組織型
:高分化型扁平上皮癌
・治療指針
:原発巣は放射線治療
リンパ節転移は手術を行う
Ⅰ、Ⅱ期では手術でも放射線治療でも同等の成績
Ⅲ、Ⅳ期では主に手術+放射線治療
放射線治療後の再発は救済手術が可能
放射線治療は192IrRALSによる高線量率組織内照射が試みられている
鼻腔・副鼻腔癌
上顎洞癌
・病理的特徴
:大部分が扁平上皮癌
・治療方針
:集学的治療法(三者併用療法)
・リスク臓器(70am43)
:視交叉、耳下腺
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