ベルゴリー・トリボンドーの法則
(75am67、72am68、71am66、70pm65、69pm67、68am68、67am65、62.35)
・放射性感受性が高い細胞の特徴
分裂活発な(細胞周期の短い)細胞
将来長期にわたり細胞分裂を継続する細胞
未分化な細胞
*高感受性の細胞はアポトーシスを起こしやすい
幹細胞
(62.37)
分裂して自分と同じ細胞を作る能力と、別の種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖できる細胞
→ 高感受性
細胞周期による感受性の変化
(75pm67、73pm69、71pm66、69pm68、68am52.am65、66.39、64.3、63.39、62.39、61.31)
・M期:分裂期
・G期:間期
・S期:合成期
*最高感度はM期の最初
*1細胞当たりのDNA量はG2期にかけて増え、M期で半分になる
・分裂遅延
:分裂を行っている細胞群に対して放射線が当たると最も早期に起こる
照射線量に比例して、G2期が長くなり、10Gyまでは1Gy当たり1時間遅れる
・G0期
:非常に長いG1期初期とも考えられ、正常細胞にも腫瘍細胞にもある
・細胞周期チェックポイント
・毛細血管拡張性運動失調
:劣勢遺伝病(ATM遺伝子)で、細胞周期チェックポイントがない
放射線照射に対して高確率でがんになる
・P53
:がん抑制遺伝子、細胞周期の抑制
DNA
・DNAの構造
(69pm50、65.32、62.7)
DNA=ポリヌクレオチド(ヌクレオチド=塩基+糖(デオキシリボース)+リン酸)×2本
・塩基:A – T,G – C
A,Gはプリン塩基
T,Cはピリミジン塩基
・DNA複製材料
:dATP,dTTP,dGTP,dCTP
・DNAの損傷
(66.32、64.31、63.31、62.31)
起きやすい順番≒細胞死への影響が少ない
:塩基損傷>塩基遊離>1本鎖切断>2本鎖切断
その他に架橋形成がある
塩基損傷はOH*によって起こりやすい
塩基遊離はプリン塩基に起こりやすい
*ピリミジンダイマ
:隣接する塩基の共有結合(紫外線による)
T – Tに起こりやすい
DNAの修復
(74pm65、67pm66)
・一本鎖の損傷
:大部分が数分以内に修復される
(1) 光回復:損傷の直接消去
(2) 除去修復:塩基、ヌクレオチド、ミスマッチの除去
(3) 組み換え修復
・二本鎖の損傷
:修復には数時間かかり、突然変異や細胞死に繋がりやすい
(4) 非相同末端結合
全細胞周期で起こりうる
切断端の損傷部位が取り除かれた後、直接ヌクレオチドが挿入されて再結合が起こる
間違った遺伝情報を持つようになる場合が多く、染色体の組換えなども起こしやすいので、細胞の機能を回復できない場合がある
(5) 相同組み換え修復
(61.33、60.32)
姉妹染色分体の存在する S期の終わりからG2期に起こりうる
ヌクレアーゼとヘリカーゼによって一本鎖部分が残るように切断端の前後が切出され、損傷を受けていない相同な染色体DNAとの交叉が起こって正常染色体の遺伝情報を用いてDNA合成がなされ、最後に交差部分が切断・再結合されて修復を終える
間違った修復を起こさず、完全に回復する
*色素性乾皮症
:紫外線に高感度で、ヌクレオチド除去修復ができない
コメント
いつもサイトを参考にさせていただいている者です。
非相同末端結合修復について、全細胞周期で起こりうるとありますが
業者模試にて、「二重鎖切断について、修復機構は細胞周期に依存する」が正しく、解説には「非相同末端結合修復はG0,G1,S期前半に、相同組み換え修復は〜」とありました。
重箱の隅をつつくようですが、これが選択肢だったのでぜひこの内容について検討いただきたいです。
ご質問ありがとうございます
「二重鎖切断について、修復機構は細胞周期に依存する」はノートにある通り、「相同組み換え修復が細胞周期に依存する」ので正しいです
なので、模試の正答に間違いは無いように思います
問題は非相同末端結合修復が細胞周期依存かどうか、ですが、これに関して対策ノートでは厳密には言及しておりません
対策ノートには「全細胞周期で起こりうる」とだけ記載してありますので、細胞周期依存に関しては特に書いておりませんので、ここも矛盾はしないかと
非相同末端結合修復には細胞周期依存はありますが、国家試験的にはこれを問われたことはなく、特に記載する必要も感じておりませんので、このままとさせていただきます