心筋血流シンチグラフィ
(76am33pm25、75am27、74pm30、71pm25、67pm26)
タリウム201TlCl | 99mTc MIBI | 99mTc Tetrofosmin | |
集積機序 | 能動輸送(Na-Kイオン交換) | 受動拡散、膜電位 | 受動拡散、膜電位 |
前処置 | 絶食 | 絶食、投与後に摂食 | 絶食、投与後に摂食 |
投与量 | 74MBq | 総計1110MBq | 総計1110MBq |
特徴 | 99mTc製剤より被ばくが多い | 副作用(苦味、金属臭、ショック) 熱湯で標識する |
・SPECT断面像
(67am32、65.64、63.63、61.63、60.63)
・断面像
:左室の短軸・長軸像を再構成する
左前下行枝(LAD)領域:「前壁」
「中隔」
「心尖部」
左回旋枝(LCX)領域:「側壁」
右冠動脈(RCA)領域:「後壁」
「下壁」
・観察方法
:心筋血流量の低下を視覚的に観察する
狭心症、虚血、狭窄:再分布が見られる
心筋梗塞:再分布は無い
血流低下部位:洗い出しの遅れ
・負荷方法
(75am28、71pm26)
・負荷薬剤
:「ジピリダモール[ペルサンチン]
(冠血管拡張による虚血の評価)」
「アデノシン」
・運動負荷
:「トレッドミル」
「エルゴメーター(自転車)」
→ 安静時までは3時間空ける、急激な負荷をかけない
・心電図同期法SPECTグラフィ(Gated SPECT)
(75am34、73pm28、72am26、68am30、67pm29、66.60、63.63)
心筋血流と心機能の同時評価が可能となる
180°収集では360°収集に比べ前壁中隔が高めに、前壁心尖部は低めに見える
R波とトリガとして収集タイミングを決定する
(一般的にR-R間を8~16分割)
分割数が増加すると
→ 「時間分解能は向上」
「統計ノイズは増加
→ SN比が低下」
「駆出率は過大評価」
「収縮期容量は過小評価」
・データ解析方法
:「QGS」
「p-FAST」
「Emory Cardiac Tool Box」
「4DM-SPECT」
・定量解析方法
(1)Bull`s Eye(ポーラーマップ)
:短軸断層像を極座標表示する心筋極座標表示ツール
立体的な心筋の分布を極座標を利用することで二次元に変換し、把握しやすくする
(73pm28:極座標)
(2)容量曲線と左室拡張能算出
LVEF:左室駆出分画
LVEF = (EDV-ESV)/EDV×100[%]
EDV:拡張末期容積
ESV:収縮末期容積
(3)壁運動三次元表示画像
・同期法での注意事項
「不整脈」:Acceptance Windowを広めに設定
「小心臓」:ESVの過小評価、EFの過大評価となりやすいため、解像度を上げる
・急性期再櫂流療法の評価
:急性虚血のリスクの領域情報や救済心筋の評価を行う
心機能(心プールシンチ)抹消循環動態
(61.64)
心拍出量(SV)や左室駆出率(LVEF)、左室拡張末期容量(LVESV)を算出する
・薬剤
「99mTc-RBC」:患者本人の赤血球を標識する
「99mTc-HSA」:血中保持率が高い
「99mTcO4-」
・ファーストパス法(時間放射能曲線)
(62.65)
心電図を用いず、製剤を急速注入(ボーラス投与)して、RIが心臓を初回循環する間を撮像する方法
静脈系→右心→肺循環→左心→動脈系を連続的に動態収集する
右室と左室の駆出率(RVEFとLVEF)を求められる
・平衡時法(位相解析)、心電同期マルチゲート法
QGSプログラム(心筋輪郭描出ツール)で再現性の優れた左室心機能が算出できる
心電図同期によって300~500心拍分のデータを加算して解析を行う
左室駆動率はLAO45度程度を目安に測定する
R-R間隔は16~30分割をするのが一般的である
心臓の動きをフーリエ解析により振幅成分と位相成分に分解する
その他心臓の関係のシンチグラフィ検査
(74am34、73pm31、67am26、68am31、63.51、60.61)
薬剤 | 集積機序 | 特徴 | |
心筋脂肪酸代謝 | 123I-BMIPP | 脂肪酸としてミトコンドリアに取り込まれる | α、β酸化を受ける 前処置:2時間以上の絶食 |
心筋交感神経 | 123I-MIBG | ノルエピネフィリンと同様に取り込まれる | 交感神経分布と機能の評価 パーキンソン病と認知症で集積低下 前処置:交感神経刺激物の摂取制限 |
障害心筋 | 99mPYP(ピロリン酸) (64.64、61.64) |
壊死細胞ミトコンドリア内のカルシウムに沈着 | 急性心筋梗塞病変と炎症細胞を陽性像として描出 201Tlとの同時収集で部位の固定 |
障害心筋 | 111In-抗ミオシン抗体 | 細胞膜破綻によるミオシン重鎖への結合 | 特異性が高く、長く梗塞部位に存在する |
*H/M比(心臓/縦隔比)
:123I-BMIPP、123I-MIBGなどで用いられる解析方法
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