X線高電圧装置 - 変圧器 / 二、三相式 / コンデンサ式

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X線高電圧装置

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高電圧変圧器 

(70pm5、65.12)
 管電圧はピーク値、管電流は平均値を示すため換算して扱う
  n2/n1 = a = V2/V1 =I1/I2
  n1:コイルの一次側巻数  
  n2:コイルの二次側巻数  
  a:巻数比
  V1:一次側の電圧(実効値で表示)
  V2:二次側の管電圧(最大値で表示)
  I1:一次側の電流(実効値で表示)
  I2:二次側の管電流(平均値で表示)


・ピーク時、実効値、平均値の関係

 → 管電圧波形(X線高電圧装置による)で変わる
(1)インバータ式、定電圧形、三相12ピーク型
  実効値≒ピーク値
   かつ 実効値≒平均値

(2)三相6ピーク形
  実効値=最大値×0.956
   かつ 実効値≒平均値
   かつ 最大値=平均値×π/3

(3)単相2ピーク形
  実効値=最大値×1/√2
   かつ 実効値=平均値×π/2√2

(4)単相1ピーク形
  実効値=最大値×1/2
   かつ 実効値=平均値×π/2

X線装置 計算ドリル 
コンデンサ式高電圧装置 (73pm11,64.54) 問1  容量0.5μFのコンデンサ式X線装置において、充電電圧80kVで10mAs放出した時の波尾切断電圧[kV]はいくつか 答え放電電荷量mAs=C×(Vc-Vd) C:静電容量 Vc:充電電圧 Vd:波尾切断電圧 Vd=Vc‐mAs/C  =80‐10/0.5 =60 解説 コンデンサ式X線装置の計算問題  基本的には左辺に放電電荷量をとると右辺の変数が3つになり、どこが問われるのかはわからないが、過去問的には波尾切断電圧が問われているので式を変形しなければならない  式の形だけではなく、の中の単位も覚えてないと間違えうるので注意が必要   X線管入力の動作特性 (72am12,71am9,67pm6) 問1  三相12ピーク整流装置で、撮影管電圧100kV、管電流1000mAのときの電力はいくつか 答えP:X線管入力  P = U×I×f×10-3  U:管電圧,ピーク値で表される I:管電流,平均値で表される f:管電圧のリプル百分率によって定まる定数 f=1.0:リプル百分率が10%以下の場合  (インバータ式, 定電圧形...

高電圧装置の性能測定

 (60.13)
・蛍光量計:X線出力の再現性  
・オシロスコープ:撮影時間
・直接接続型管電圧・電流計:管電圧・管電流

2ピーク形装置

(単相全波整流装置)
 → 単相電源作動装置  グレッツ結線

・リプル百分率:100%
 → 高電圧ケーブルが長く、低管電流ほど低下

・構成:単巻変圧器、タイマ回路、高電圧変換器、整流器、管電流調整器、加熱変圧器

・管電圧の調整
:高電圧変換器の2次側タップを切り替え、1次電圧を変化させる

・管電流の調整
フィラメント加熱電流を変化させる

・撮影時間の調整
1次電圧を加える時間を変化させる

・2ピーク装置の単巻変圧器は電源電圧、X線管電圧の調整に使用される

三相装置

(72am13、65.11、61.9)

 → 三相電源作動装置 
a)6ピーク 整流器:6個
     リプル百分率:13.4%
     6ピーク/周期
     結線:1次Δ2次Y

b)2重6ピーク 整流器:12個
       リプル百分率:13.4%
        6ピーク/周期
       結線:1次Δ2次Y-Y直列

c)12ピーク 整流器:12個
     リプル百分率:3.4%
     12ピーク/周期
     結線:1次Δ2次Δ-Y直列
     2次巻線をY-Δ直列に接続する

・単相と3相の比較
 リプル百分率:単相>3相
 軟線:単相>3相
 X線出力:3相単相

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定電圧形

 (72am13)
 出力管電圧のリプル百分率が4%を超えない
 X 線の開閉はテトロード管で制御される

コンデンサ式高電圧装置

・定義
:電気エネルギーを高電圧コンデンサに蓄え,その放電でX線管に1回の負荷を供給
 コンデンサ容量2μF以下で,高電圧側でX線照射の開閉を制御
 →  格子制御形(3極)X線管と組合わせて使用

・特徴
①電源容量
小容量電源(家庭用単相100V)で使用でき,電源電圧の変動による影響が少ない

②操作性
:撮影条件の設定は管電圧(充電電圧)とmAs(放電電荷量)のみである

③再現性
:良好
 →  影響する因子は充電電圧と波尾切断電圧の精度のみ

④構造
:充電回路:グライナツヘル(倍電圧)回路,コッククロフト回路

⑤保護抵抗
:異常振動防止のために保護抵抗(2~ 5kΩ)をコンデンサに直列接続する

・特性 (66.11、61.15)
 充電時間
 :電源インピーダンス大きいほど長い
 
 撮影時間
:コンデンサの内部抵抗はゼロに近く、管電流はX線管の内部抵抗(許容負荷)で決まり、線量が同一の場合は、管電流が大きいほど撮影時間は短くなる

 mAsとX線量・線質
:mAsの増加とともに管電圧が指数関数的に減少
 → X線発生量も減少
  mAsとX線出力は正比例しない
  mAsが増大するほど線質は軟らかくなる


・mAs・波尾切断電圧・コンデンサ容量の計算
(73pm11、64.54)
 放電電荷量mAs[mC]=C×(Vc-Vd)
 C:静電容量[μF]  
 Vc:充電電圧[kV] 
 Vd:波尾切断電圧[kV]

X線装置 計算ドリル 
コンデンサ式高電圧装置 (73pm11,64.54) 問1  容量0.5μFのコンデンサ式X線装置において、充電電圧80kVで10mAs放出した時の波尾切断電圧[kV]はいくつか 答え放電電荷量mAs=C×(Vc-Vd) C:静電容量 Vc:充電電圧 Vd:波尾切断電圧 Vd=Vc‐mAs/C  =80‐10/0.5 =60 解説 コンデンサ式X線装置の計算問題  基本的には左辺に放電電荷量をとると右辺の変数が3つになり、どこが問われるのかはわからないが、過去問的には波尾切断電圧が問われているので式を変形しなければならない  式の形だけではなく、の中の単位も覚えてないと間違えうるので注意が必要   X線管入力の動作特性 (72am12,71am9,67pm6) 問1  三相12ピーク整流装置で、撮影管電圧100kV、管電流1000mAのときの電力はいくつか 答えP:X線管入力  P = U×I×f×10-3  U:管電圧,ピーク値で表される I:管電流,平均値で表される f:管電圧のリプル百分率によって定まる定数 f=1.0:リプル百分率が10%以下の場合  (インバータ式, 定電圧形...

自己整流装置

 交流高電圧を直流に変換することなくそのままX線管に印加する

コメント

  1. ラジ子 より:

    三相6ピークは実効値=最大値×0.41ではないのですか?
    (管電圧)=√6×(巻数比)×(一次管電圧)より

    • 対策ノートの人 より:

      三相6ピーク形では実効値=最大値×0.956 です
      正確には三相二重6ピーク形ですが、ただの三相6ピーク形が試験に出ることはないとして記載を省いております
      論拠にされている式がどこから来たものなのかが分かりかねますので、参考URLなどがあれば教えって頂けると幸いです

      • ラジ子 より:

        教えてもらったものなのでネットとかでは見つけられなかったのですが、放射線技師国試対策用の参考書に書いてあったようです。今年の第3回全国統一模試にも出題されていたので質問いたしました。URLなどなく申し訳ありません。

        • 対策ノートの人 より:

          国家試験の勉強で情報のソースを確かめるときは参考書や模試などは参考になさらない方が良いかと思います
          正確な情報を得たいときは教科書を参考にしてください
          もちろん当サイトもあくまで便利ツールとして使用して頂けると幸いです

  2. ラジ子 より:

    ご返答ありがとうございます。
    教科書で調べて自分なりに納得いたしました。試験前の復習として対策ノートを使用させていただいております。いつもありがとうございます。

  3. グラ より:

    コンデンサ式高電圧装置の撮影時間の項目の『使用X線管の許容負荷が大きいほどX線管の内部抵抗は小さい』の説明は、撮影時間にどのような影響を及ぼしているのですか。

    • 対策ノートの人 より:

      ご指摘ありがとうございます
      分かりずらい表現であったため、文章を修正致しました
      ご確認のほどよろしくお願い致します

  4. みー より:

    単相全波整流装置の電圧制御は単巻変圧器の2次側じゃないんですか

    • 対策ノートの人 より:

      本ノートの記載かつ、ご指摘の通り、「管電圧の調整は二次側タップを切り替え、高電圧変圧器に加える一次電圧を変化させて調整」します
      コメント頂いた内容とノートの記載に齟齬はないように思いますが、疑問が解消されないようであれば、もう少し詳しくご指摘して頂けると幸いです

 

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対策ノートの使い方

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・★マーク:特に重要な箇所


・出題年数の見方
 例:(71pm72、67pm13.pm75、66.26)とある場合
 71pm72 → 第71回の午後72問
 67pm13pm75 → 第67回の午後13問と午後75問
 66.26 → 第66回のその教科がある方の26問
(放射化学から医用画像情報学までは午前、基礎医学大要から安全管理学までは午後)
*第66回までは午前午後で出題される科目が分かれていたため

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