分割照射 / IMRT / 定位照射

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分割照射

(76pm68、75am44、74pm65、73am43、72am69、70pm40、69pm69、68am69.pm68、67pm70、64.84、61.81)

・標準的分割法(通常分割法)

:1回2Gyを週に5回

・一回大線量小分割法

:1回4Gy、週に2~3回

・1日多分割照射法(過分割照射法)

 1日2回(6時間以上あける)
 週に10回、1.2Gy:過分割照射法
 週に10回、1.5Gy:急速過分割照射法

*正常組織と腫瘍組織とのわずかな感受性の差と回復力の差を利用し、その差を拡大させる
 正常組織の急性障害はやや強く出るが、晩発障害の減少腫瘍抑制の向上が期待できる
  → 治療可能比を高めることが出来る

*全照射期間を長くすると腫瘍細胞で加速増殖が起こる

・寡分割照射法 

(74am35)
 通常分割と比較して1回線量を増やし照射回数を少なくした照射
・対象:「前立腺癌」「乳癌
    「骨転移」「頭頚部腫瘍(一部)

・分割照射における生物学的等価量

(76pm69、70pm66) 
 LQモデル:S/S0=exp(-αD-βD2)
 早期反応(腫瘍)のα/β=10Gy   
 晩期反応のα/β=3Gy
 生物学的等価量 BED
 BED(E/α)=D×(1+d/(α/β))
 d:分割線量 
 D:総線量

↓α/βについて詳しくはこちら

細胞の回復と死 / 生存率曲線
細胞の回復 ・亜致死損傷回復(SLD回復、Elkind回復) (76am68、73am68、70am69、69am68、65.38)  1回の照射で死に至らなかった細胞の回復は  低LET放射線で多く、線量率効果がある  高LET放射線はほぼない、線量率効果はほぼない  12時間程度で回復 *線量率効果 :低線量率の方が回復量は多いという効果 ・潜在的致死損傷回復(PLD回復)  (63.40)  照射後の環境条件によって生存率の上昇が見られる回復  低栄養、低酸素、低pH、接触増殖阻害、定常増殖などの細胞を増殖抑制の起こる環境で発生  反対に通常修復されるPLDが修復されずに致死損傷として固定される場は高・低調液、カフェイン、βアラビノフラノシルアデニン、ヒドロキシウレア、ある種の抗がん剤などがある  1時間以内で回復するものと2~6時間で完了するものがある ・逆線量率効果  一部の細胞では特定の線量率(5mGy/min)でGブロックにより致死効果が上がる 細胞死 ・分裂死 :増殖死ともいわれ、数回分裂して死に至る  無限の増殖能を失った状態  巨細胞を生じる 「芽細胞」「がん細胞」...
放射線治療 計算ドリル 
MU値の計算  (74am43,73pm39,72am43,71pm37,70am38,69pm40,67pm37,66.76) 問1  ウェッジフィルタを使用した接線照射で標的に2Gy照射するとき、1門当たりのMU値はいくつか  ただし、線量比はすべて同等、TMR0.92、ウェッジ係数0.70、出力係数0.95、モニタ校正値1.02cGy/MUとする 答え 接線照射は2門で行い、2Gyを1:1で分けて照射するため1門あたりの照射は1Gy=100cGyとなる  1門あたりのMU値 =100/(0.92×0.7×0.95×1.02) ≒160   解説   基本的に上記の式のみで完結する問題  分子に来るのは処方線量だけなので、式も覚えやすい  処方線量が2GyとGy単位で書かれていることが多く、校正値はcGy/MUで書かれていることが多いので単位を揃えるのを忘れないようにすること  この問いのように門数でなく、照射方法で書いてある場合もあり、接線照射が2門で行われることを知っていないと解けない問題もある 問2  標的に対して電子線を80%線量域に3Gy照射する場合にMU値はいくつか  ...

原体照射

 固定多門や回転照射で、病巣の形に合わせて照射野をMLCなどで整形し、正常組織の被曝を抑える
 適用:「副鼻腔癌」「上咽頭癌」
    「食道癌」「前立腺癌」
    「肺癌」「非切除膵管」

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強度変調放射線治療(IMRT) 

 (76pm37、71pm39)
 照射野内にビーム強度の強弱を付け、ターゲットに近接したリスク臓器への線量を減らす方法
・特徴
 X線を用いた多門照射
 → 皮膚表面線量の影響は小さい
 MLCを用いて照射野の中に任意の強度さをもつ不均一な線量分布を作成する
 リスク臓器の障害を抑えつつ、腫瘍組織に高い総線量を投与できる

・適応
頭頸部(副鼻腔腫瘍,眼窩内腫瘍,中咽頭腫瘍など),前立腺癌、子宮頸癌など

・治療計画
 インバースプランニング目標DVHを定め、照射方法を決める逆方向計画)で行う
 MLCの変化は標的輪郭に一致したものではなく,最適な線量分布を作成するためにコンピュータによって求められた照射野を設定する

・線量計算グリッド
2 mm 程度の小さな計算グリッドの使用

・線量計算アルゴリズム
Superposition法モンテカルロ法などの精度の高いアルゴリズムの使用推奨

・強度変調の方法
(1)吸収体を用いた方法
(2)マルチリーフコリメータを用いた方法
 ― static MLC法(step-and-shoot 法, 固定リーフ多門法)
 ― dynamic MLC法(sliding window 法,リ−フ運動制御法)
   ― Segmental MLC IMRT

(3)Rotational IMRT
 ガントリーを回転させながらMLCを使い、強度変調をさせる

(4)Volumetric Modulated Arc Therapy (VMAT)
 ガントリー回転中に線量率,ガントリ速度,リーフ形状を連続的に変化させる

(5) Helical Tomotherapy
 バイナリコリメータを用いたIMRT

定位放射線照射(STI)

(76pm41、74am42、69am43、68pm37、67pm42、64.86、63.79、62.80、61.82、60.83)
 限局した小腫瘍に対して,局所制御の向上と周囲臓器への有害事象の低減を目的に,多方向から照射する技術と照射する放射線を病変に正確に照準する技術の両者を満たすもの
 リニアック、サイバーナイフ、ガンマナイフ等を用いて、従来の治療よりも大線量を短期間に照射するなどで行う

・位置精度の対策
 → 固定具の使用、5mm以内の固定精度

・呼吸性移動の対策
 → 動体追跡照射:追撃照射と追尾照射

・ガンマナイフ

(75am42、62.73、61.75)
 小さなCo線源を半球上に201個内蔵しビームコリメーションにより細いビームを作り、1点で焦点を結ぶ
 1度に高線量を正確に集中照射できる
 対象:「頭蓋内病変

・ライナックサージャリ(リニアック)

特徴:多門照射であるため、皮膚表面線量の影響は小さい
   位置精度確認は技師や医学物理士が毎日行う
   3次元放射線治療計画システムが必要
   照射野が小さいため、辺縁での線量降下が著しい

・位置精度の対策

 → 固定具の使用
   5mm以内の固定精度

・呼吸性移動の対策

 → 動体追跡照射
追撃照射と追尾照射

・禁忌

 絶対禁忌妊娠中
 相対的禁忌当該部位への放射線治療の既往
       重篤な間質性肺炎
        肺線維症
       糖尿病
       膠原病
       ステロイドの常用

・保険適用

・保険適用
:「頭頸部腫瘍(頭蓋内腫瘍を含む)及び脳動静脈奇形
「原発病巣が直径5センチメートル以下であり転移病巣のない原発性肺癌原発性肝癌または原発性腎癌
「転移病巣が3個以内で他病巣のない転移性肺癌または転移性肝癌
「転移病巣のない限局性の前立腺癌または膵癌
5センチメートル以下の転移性脊椎腫瘍
5個以内のオリゴ転移
脊髄動静脈奇形

 

・頭蓋内病変適応
:「転移性脳腫瘍
 「聴神経腫瘍
 「動静脈奇形
 「神経鞘腫」

・照射方法と定位放射線照射の定義

定義:頭蓋内小病変や体幹部小病変に対し5cm 以下の極小照射野を用いる定位的な放射線治療

照射法 SRT
(Stereotactic Radiation Therapy) 
SRS
(Stereotactic Radiosurgery)
(ガンマナイフ)
固定方法 シェル(非侵襲的)  シェル(非侵襲的) 
特殊フレーム(侵襲的)
特殊フレーム(侵襲的)
線量配分 分割照射 1回 1回

・定位放射線治療の線量測定

(72am82)

ノンコプラナ照射 

(76am39、62.83)
 治療ビームをCT面と無関係に3次元的に照射する方法

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対策ノートの使い方

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・出題年数の見方
 例:(71pm72、67pm13.pm75、66.26)とある場合
 71pm72 → 第71回の午後72問
 67pm13pm75 → 第67回の午後13問と午後75問
 66.26 → 第66回のその教科がある方の26問
(放射化学から医用画像情報学までは午前、基礎医学大要から安全管理学までは午後)
*第66回までは午前午後で出題される科目が分かれていたため

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