対策ノート

Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

撮像時間短縮方法 / 脂肪抑制方法

撮像時間を短くする手法  (71am15、70am15、69pm15、67am15、66.30) ・撮像時間  撮像時間=TR×N×撮像加算回数÷ETL  TR:繰り返し時間  ETL:エコーの数(Echo train length)     → SE法のときのみ  N:位相エンコード数  撮像加算回数:信号雑音比を上げるため同信号を取り出す回数 *GRE法ではTRの短縮、高速SE法ではETLに応じて撮像時間を短縮する *TR,ETLを変更すると、画像コントラストが変わってしまう *位相エンコード数を減らすと空間分解能を劣化させるか位相エンコード方向撮像視野を限定する必要がある ・高速シーケンス 1.高速スピンエコー  (74pm21、72am15、67pm16)  撮像時間が短く、T2強調画像を得るための方法として主流  磁化率効果が減少する  脂肪信号が上昇する  脳実質のコントラストが低下する  眼球の硝子体は高信号になる 2.EPI  一回のくり返し時間で必要とするk空間の位相エンコードラインの情報をすべてとっている  読取の傾斜磁場をジグザグにして、位相エンコードをその隙間に...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

拡散強調 / fMRI / MRS / DTI / SWI / 潅流 / プロトン密度強調 / CPMG

拡散強調画像(ディフュージョン:DWI) (75pm20、72pm22、71pm22、70am16、66.31、61.40) ・EPI法で撮像  ・組織の水分子のブラウン運動の強さを強い一対の傾斜磁場(MPG:motion proving gradient)を用いることで水分子の拡散の大きさの違いを信号強度として画像化する ・水分子の拡散が低下すると高信号(脳梗塞部位など)になる ・基本的にDWIはT2強調画像であり、T2WIで高信号な部位は同様に高信号となる  → T2shine through ・b値 :MPGを印加する強さ  b値が大きければ拡散強調が強くなり、SN比は小さくなる  拡散の大きいもの(水)は信号が小さくなる ・ADCmap :b値の異なる2画像からT2shine throughの影響を除外した見かけの拡散係数画像  拡散が低いものはADCmapで低信号となる ・アーチファクトが出やすく、パラレルイメージングの使用、TEの短縮、脂肪抑制など工夫が必要 ・拡散強調画像は細胞性浮腫を呈する発症6時間以内の急性期脳梗塞の診断に使用する  高b値の画像で高信号(白)+ADC...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

MRA

*基本的に閉塞部、狭窄部はより低信号(flow gap)、磁化率効果で低信号となる (71pm10、70am17pm16、68am16、62.37、60.34) タイムオブフライト(TOF:time of flight)法   GRE法を用いて流入(インフロー)効果を利用する  TRごとにαパルスを与えると、新しくその部分に入る血液は、縦磁化はずっと回復した状態と同じとみなせ、これを短いTRにて画像にすると血管だけを強調できる  得られた画像は,MIP処理され三次元的に観察される ・利点 「静磁場への均一性への依存度が低い」 「傾斜磁場の直線性への依存度が低い」 「画像再構成時間が短い」 「PC法よりもS/N比が高い」 ・欠点 「T1が短い組織を高信号に描出」 「断面(FOV)に平行な流れは描出困難」 「過流と乱流によって血管内の信号は低下する(特に冠状断ではインフロー効果が得にくい)」 ・2D-TOF法 : 薄いスライス厚で撮像し,静脈などの比較的遅い血流の信号も描出できる  スライス面に対し垂直に流入する血流ほど高信号となり,平行に走る血管は低信号となる  動脈のみ描出する場合、静...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

各部位のMRI検査

MRIの単純CTとの比較 ・空間分解能は劣る         ・骨のアーチファクトのない画像が得られる ・任意の断層面を撮像できる      ・軟部組織のコントラスト分解能が優れる ・血管の検出能が優れる        ・石灰化やガス体の検出能が低い MRIの診断能がCTより優れる観察部位  (65.29、64.30、61.35、60.36.42)  脳脊髄(アルツハイマー病、急性期脳梗塞)、靭帯、椎間板、半月板、骨盤内臓器(子宮頚癌、前立腺癌など) 頭頚部のMRI検査  (71pm21、68am22) ・診断 :「脳腫瘍」「血管障害」「てんかん」  「アルツハイマー病」「多発性硬化症」  「低酸素脳症などの脱髄性疾患」 ・顔面(眼窩・顎関節など)は表面コイル、頸部は頭部専用コイルを使う ・脳腫瘍はT2強調画像で高信号となる ・超急性期脳梗塞は拡散強調で良く描出できる ・下垂体後葉はT1で高信号になる ・脳での信号強度の違い (71pm21、69am16、69pm18、65.42、64.43)   T1強調像  T2強調像  (X線CT) 信号強度:強 (脂肪) 脳脊髄液(CSF) 灰...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

アーチファクト

折り返しによるアーチファクト  (64.33、62.36) ・被写体がFOVよりも大きい時に発生、FOVより外の組織が位相エンコード方向に折り返してしまう ・対策 :「位相エンコード数を増やす」  「FOV外側への飽和パルス(プリサチュレーションパルス)の印加」  「FOVを広げる」  「SENSEアルゴリズム(パラレルイメージング)法」  「オーバサンプリング」  「表面コイルの使用」 モーションアーチファクト・ゴーストアーチファクト (75pm22、74am21、71pm23、67am18、67pm18、65.33) ・原因 :患者の体動(眼球や嚥下運動)、呼吸運動、血管・脳脊髄液・心臓の拍動、腸管運動 ・位相エンコード方向に等間隔で見られる ・対策 :「呼吸同期法」「心拍同期法」  「流れ補正用の傾斜磁場を追加する(リフェーズ用の傾斜磁場)」  「飽和パルス(プリサチュレーションパルス)の印加」  「位相エンコード方向を変える」  「信号加算数を増加する」  「撮像時間の短縮」 データ打切によるアーチファクト(トランケーションアーチファクト) (71am19、69am18、64....
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

造影剤

MRI造影剤の種類 1. Gd(-DTPA,-DOTA,etc.)系造影剤 (73pm19,72pm15,71pm18,71am91,70pm18,67am17,61.34.36.41,60.37) :常磁性の細胞外液性造影剤  ガドリニウムは重金属イオンで毒性が高いため,キレートを形成し毒性を軽減させたもの  経血管注射造影剤であり、静脈内投与により全身性に分布する  正常脳脊髄では血液脳関門を通過できないが, BBBが破壊されている腫瘍などの病変部には入り込む ・陽性造影剤,高濃度で陰性造影剤となる  通常の濃度での投与によりT1値短縮が優位となり,T1強調画像で信号強度は強くなる  濃度を増加させるとT2値短縮が優位となり,信号強度は小さくなる  造影剤の濃度と信号強度は比例しない ・投与により病変部が高信号になると,脂肪との識別が困難になるため,脂肪抑制撮像法を併用して撮像 ・排泄:尿 ・ガドリニウム系造影剤の副作用  ヨード系造影剤に比べて副作用の発現率が少ないが,重篤な合併症を引き起こすこともある  禁忌 :造影剤に過敏症をもつ患者  原則禁忌 :気管支喘息や重度の肝・腎障...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 MRI

安全管理

1、臨床用MRIが人体に及ぼす作用 マグネットの力学的作用  (71am91pm19、65.35) ・禁忌 :「人工内耳」「ペースメーカ」  「強磁性体」「脳動脈クリップの一部」  「1970年以前の人工心臓弁」 高周波による加温  (75pm24、74am63、73pm21、71am17pm19、70pm12、69am15、66.25、65.21、65.31.pm55)  RFによって人体に生じた渦電流のジュール熱で、SAR(質量あたりの熱吸収比:W/kg)で評価する ・SAR  SAR∝(電気伝導度)×(半球)2×(静磁場強度)2×(フリップ角度)2×(RFパルス数)×(スライス枚数)  SARの低減方法  :「低磁場」   「TRを大きくする」    「ETLを少なくする(高速SEのとき)」 ・QD型送信コイル :約1/2倍のSARで、√2倍のSNRとなる ・火傷の危険性 :リード線などの導電金属がループを作ると火傷する場合あり、同様に患者が手や足を組んで電流  ループができないようにする  入れ墨,金属を含む湿布なども注意する 変動磁場による刺激と騒音(末梢神経,心臓) (74...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 超音波 眼底

眼底検査

散瞳撮影法  (70am98、67pm99)  眼科医の施行のもとで散瞳剤を撮影の15分前に点眼で用いるため、放射線技師は撮影不可  眼底全域を観察できる  散瞳剤を用いるため、終了後5~6時間は車の運転ができない。 無散瞳撮影法 (73am20、72am20、71pm17、70am22、69am20、67am20、66.39、65.26.38、64.26.42、63.27.41、62.27、62.47、61.48、60.48)  自然散瞳を用いるため、暗室で瞳孔が開いた状態で検査を行う  眼底の後極部のみ観察可能で、眼底は血管を直接的に観察できる唯一の部位 眼底カメラの構造 (72pm12、68pm12、67am14、64.25、61.27) ・観察光 :赤外線を用いるため患者はまぶしさを感じない ・撮影光 :可視光によって撮影するため、連続撮影は不可能であったが、  CCD検出器を用いた装置における高感度化により撮影後待たずに反対側も撮影可能となった   ハロゲンランプから出た照明光は、リングスリットによりドーナツ状(リング状)となり、  穴あきミラーによって曲げられ、対物レンズを...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 CT

X線CT装置の構成

X線CT装置の構成 ・高電圧発生装置  インバータ方式で、使用される管電圧は80~140kV程度  以下のような性能が必要とされる ① 管電圧はリプルが十分に小さく、   安定性、再現性が良好である ② 管電圧波形の立上り、立下り時間が十分に短いこと ③ 管電流の安定性、再現性が良好であること ④ 管電流の立上り、立下り時間が十分に短いこと ⑤ 大出力X線の発生に対応可能であること ・X線管(陽極:回転陽極) (1)陽極熱容量 :大熱容量のX線管が必要で、近年では6.5~7.5MHUのものも開発されている (2)冷却率 :X線管を冷却用のオイルに浸し、そのオイルを循環または二次冷却している (3)安定性    (4)耐遠心力性    (5)小型軽量化 ・補償フィルタ(ボウタイフィルタ)  ≒ ウェッジフィルタ  コリメータとX線管の前についており、中央部が薄く、周囲が厚い  低エネルギーX線の吸収とビーム強度の報償を目的とする ・検出器  (60.16)  シンチレータ+フォトダイオードが一般的   (1)X線検出効率  (2)エネルギー特性  (3)安定性  (4)ダイナミックレンジ...
Ⅱ.Ⅲ.診療画像機器/検査学 CT

CT画像 / 3D処理

CT画像  ・CT値  (72pm9、71pm74、70am11、69am10.pm8、67am86、66.78、65.50.pm77.pm83、64am19、64.pm50) $$CT値=\frac { μ_{ t }-μ_{ w } }{ μ_{ w } } ×1000$$  μt:組織の減弱係数     μw:水の減弱係数 臓器・組織 CT値 臓器・組織 CT値 骨(皮質) >250 灰白質 40 骨(髄質)  130 白質 25 甲状腺 70  脂肪 -90 肝 60 血液(凝固) 80 筋肉・脾・リンパ節 45  血液(静脈) 55 膵 40 血漿 27 腎 30  浸出液 >18 ・FOV  (66.22)  CT画像の持つ有効視野で、検出器に依存する  円形の場合は直径、正方形の場合は一辺の長さで表される ・ピクセルサイズ  CT画像ではマトリックスサイズがほぼ一定なため、FOV/512で計算される ・ウィンドウ機能  一般的な階調数は256階調(8bit) (1)ウィンドウ幅(WW) :表示するCT値の幅  広い → 小さなCT値差の観察が困難  狭い → 濃淡表示でき...
error: Content is protected !!