ガンマカメラの構成
(75pm31)
①:コリメータ ②:シンチレータ
③:ライトガイド ④:光電子増倍管
⑤:安定高電圧電源 ⑥:プリアンプ
⑦:ADC ⑧:波高分析器
⑨:位置演算回路 ⑩:画像処理装置
コリメータ
・目的
:「γ線の入射方向の限定」
「散乱線の除去」
・コリメータのエネルギーによる分類
(71am29、64.55、60.67)
コリメータの種類 | エネルギー範囲 | 対象各種 | 特徴 |
低エネルギー用(LE) | ~160(140)keV以下 | 99mTc、123I、133Xe、201Tl | 汎用、高分解能、高感度 |
低中エネルギー用(LME) | ~250(190)keV以下 | 123I、67Ga | |
中エネルギー用(ME) | ~300kev以下 | 67Ga、111In、(123I)、81mKr | 高分解能 |
高エネルギー用(HE) | ~450keV以下 | 131I |
・コリメータの視野による分類
(76am27、70pm26、68pm26、66.54、63.53、61.53)
種類 | イメージ | 視野 | 使用目的 | 特徴 |
平行多孔型 (パラレルホール) |
不変 | 不変 | プラナー像 SPECT |
被検体との距離を小さくするほど高空間分解能 感度は穴径の2乗に比例 |
ピンホール | 拡大 | 縮小 | 極めて小さい臓器 | 上下左右反転像(倒立画像) |
ファンビーム | 横拡大 | 縮小 | SPECT専用 | 感度と分解能向上 (パラレルより良い) |
バイラテラール | 不変 | 不変 | 小さい臓器 | 1度に2方向像を得る 心臓の同時2方向撮像 |
スラントホール | 不変 | 不変 | SPECT用 | 被験者と近距離収集が可能 斜め方向からの撮像、断層撮像 |
ダイバージング | 縮小 | 拡大 | 対象が大きい場合 | 視野を広げられる |
コンバージング | 拡大 | 縮小 | 対象が小さい場合 | 視野を狭めて拡大像を得る |
・ダイナミック撮影:高感度のものを使用
シンチレータ(Nal(Tl)検出器)
(74am33、73am33、71am30、64pm60、60.55)
・目的
:「γ線の検出」
「可視光への変換」
原子番号が大きいので、他の検出器に比べkeVあたりの発光量高く、感度が高い
γ線のエネルギーが高いほど検出効率は低い
潮解性がある
*近年、半導体検出器であるCdZnTe(CZT)やCdTeを使用する場合がある
光電子増倍管(PMT)
(73am79、60.55)
・目的
:「蛍光の電子への変化と増倍」
「安定性の高い電源が必要」
光電子増倍管の数が多ければ信号の位置がより正確になり、空間分解能に優れる
本数が多いほど感度が上昇する
10個前後のダイノードで増幅し、105~107倍程度にする
PMTそれぞれの感度の差は画質の均一性や直線性に影響する
位置演算回路
・目的
:「光電子増倍管から発光位置を求める(シンチレーション位置の検出)」
・抵抗マトリックス方式
・遅延線マトリックス方式(ディレイライン)
波高分析器
(65.53)
・目的
:「γ線のエネルギー弁別」
「散乱線の補正(除去)」
波高分析器では一定範囲内のパルスはのみを検出するため、バックグラウンドや散乱線が除去される
鉛シールド
・目的
:「不要なバックグラウンドの除去」
コメント